女性とお酒の関係

「自分はお酒に強いから、酔わない家系だから大丈夫!」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、女性は男性よりアルコールに弱く影響を受けやすい体質です。その理由についてみていきましょう。

女性は男性よりアルコールの影響を受けやすい

女性は男性よりも身体が小柄なことが多く、身体の中の水分も少ない傾向にあります。同じ量のアルコールを飲んだとしても、水分量が少ない分アルコールの影響を受けやすいのです。
さらに、身体の中に入ったアルコールの分解についても女性の方が負担が大きいと言えます。女性の方が肝臓が小さく、また女性ホルモンがアルコール分解を抑制してしまうためです。
参考:厚生労働省「女性の飲酒と健康」

女性にとっての適度な飲酒量

では女性にとっての適切な飲酒量はどのくらいなのでしょうか。女性がアルコールを分解する力は男性の1/2~2/3程度と言われているため、1日の適正飲酒量も男性の1/2~2/3程度です。

男性の一日の基準量は純アルコール40gまでですが、女性は20gまでと言われています。
体調が良い時でも、この量を超えないように楽しみたいものです。

純アルコール20gの目安量

ビールなら      500ml=ロング缶1缶
カクテルなら     500ml=缶1.5缶
ワインなら  180ml=グラス2杯弱
日本酒なら  180ml=1合
参考:厚生労働省「飲酒量の単位」

出典:Canva

生理中のお酒の影響

生理中は身体にさまざまな影響が出ます。生理痛をあまり感じない方でも、いつもよりも体調が優れない、なんとなく調子が悪いこともあるのではないでしょうか。
生理期間中の飲酒は普段よりも体調に影響が出やすいので注意が必要です。

飲み過ぎると経血が増え、生理痛がひどくなる可能性

生理中は飲酒してはいけないというわけではありません。しかし、どういう影響が出るのか知っておき、飲む量や機会をセーブしましょう。
アルコールを飲むと血管が拡張し、必要以上に出血を増やしてしまう場合があります。そのため、飲酒しすぎると生理の経血が増えてしまう可能性があるのです。
また、アルコールを代謝する時に作られる「アセトアルデヒド」は、生理痛の原因物質でもあるため、生理痛が強くなってしまうことが考えられます。参考:厚生労働省「カフェインアルコールの影響について」

出典:Canva

生理中の飲酒は酔いやすい

影響があるのは経血の量や生理痛だけではありません。生理中は体内の血液が失われた状態であることが多いです。立ちくらみやふらつきなど、貧血の症状が出やすい方もいらっしゃるでしょう。
生理中はこのように血液が失われた状態なため、普段と同じ量のお酒を飲んだとしても、体内のアルコール濃度が高くなり酔いやすくなります。

脱水状態にも注意

生理中は血液を失った状態であるため、脱水症状が起きやすいです。その状態でお酒を飲むと、利尿作用でまた水分を失うことになります。そのうえアルコールを分解する際には水が必要となるため、さらに脱水症状が起きやすくなります。

出典:Canva

生理前でも影響が出る可能性も

生理期間中だけでなく、生理前でも影響が出る可能性があります。PMS(月経前症候群)など、生理前から不調が出る方がいらっしゃる通り、この時期も女性ホルモンの影響を受けやすい時期です。女性ホルモンは肝臓でのアルコール代謝を妨げるため、生理前もアルコールの影響を受けやすい時期と言えます。お酒に酔いやすく、イライラやむくみの原因となるため、量を控えた方が良いでしょう。

生理中の飲酒で気をつけたいこと

生理期間中はどのようにお酒を楽しんだら良いのでしょうか。お酒を飲む場合に気をつけたいことをまとめました。

普段よりもゆっくりしたペースで

飲酒量が多くなってしまわないよう、普段よりもゆっくりとしたペースで飲むことが大切です。
飲み過ぎが一番ハイリスクです。ペースを落とすことで、自然と飲酒量も少なくなるでしょう。

出典:Canva

こまめに水・アルコール以外の飲み物を摂る

お酒ばかりだと自然とぐびぐび量が進んでしまうこともあります。水やお酒、ノンアルコール飲料を間に挟みましょう。

交互に飲むことでアルコールが薄まり、体への影響も少なくなるためおすすめです。体を冷やさないように温かい飲み物を選ぶといいですね。

生理の痛み止めとお酒の併用は避けて

生理中はお酒を飲んではいけないわけではありませんが、痛み止めを使用しているようなら飲酒は控えましょう。
お酒と併用することで薬の効果が弱くなったり、逆に作用が強くなったりするなど体に悪影響が出ることがあります。

薬によっては「服用前後は飲酒しないでください」と明記しているものもあるため注意が必要です。

出典:Canva

まとめ

生理中は血液を失うため脱水症状になりやすいです。できるだけ飲む量や機会を減らして体に負担をかけずに過ごしましょう。また、女性は水分量や女性ホルモンの関係で男性よりもアルコールの影響を受けやすい体質です。適量を守って楽しくお酒と付き合いましょうね。

TEXT/森野かおり