生理にまつわるエトセトラ
もう何年も付き合っている生理やPMSだけど、実はまだまだ知らないことや勘違いしていることがたくさん。
産婦人科医に聞いた正しい知識で自分を大切に!
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高橋怜奈先生
東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科医。元プロボクサー。
SNSや自身のYouTubeチャンネルでは、生理や女性の身体・病気にまつわる情報発信も行なっている。
Q.PMSはわかるけど、PMDDって?
PMSの症状の一部。主に心の不調を指します
PMS(月経前症候群)は生理の3~10日ほど前から起こり、生理が始まると改善する、心身の不調のこと。
基本的にはそのような症状をまとめてPMSと呼んでいますが、なかでも特に身体的症状が比較的軽く、精神的な症状が主体のものをPMDD(月経前気分障害)といいます。
抑うつ気分やイライラ、不安感、情緒不安定など、症状はその時々や人によってさまざまです。
Q.ホルモンバランスの整え方を教えてください
ストレスは一番の敵!正しい睡眠や食生活を
ストレスはホルモンバランスの乱れの一因。しっかりと睡眠をとるなど、できるだけストレスフリーに過ごすことが大切です。
食生活では、ミネラル、マグネシウム、カルシウムが豊富な野菜や乳製品を食べて栄養バランスを意識。アルコールやタバコ、カフェインを常習的に摂っている場合、人によっては生理痛やPMSの原因になっていることもあるので、思い当たるなら控えめに。
Q.年々、生理がひどくなっている気がします…
年々ひどく、は危険サイン。病気の疑いもあるので注意
〝年々ひどくなる〞ということは病気が悪化している可能性も。
例えば生理痛がひどくなったのが会社に入ったタイミングだと、「ストレスのせい」と納得してしまう人も多いです。
たしかにストレスが生理痛やPMSの原因になる場合はありますが、決めつけるのは危険。
年齢を重ねるごとに生理痛がひどくなっている場合は、子宮内膜症や子宮腺筋症といった病気の疑いもあるので、早めに婦人科の受診を。
Q.「量が多い」ってどこからですか?
生理用品の用法用量をオーバーすると黄信号
数値としては、1周期での経血の合計が20~140㏄が正常と言われています。
医学的には量を量らないと確実な診断にはなりませんが、目安として、2日目などの多い日でもナプキンや月経カップが1時間もたない、昼でも夜用ナプキンをつけていないと間に合わない、毎回血の塊が出るといった状態であれば、「量が多い」に該当します。
Q.病院はどういう症状が出たら行くべき?
本人が困っているなら、どんな症状でも受診を
生理痛を〝痛み止めを飲めば平気〞とそのままにしている人も多いですが、それは〝痛み止めが必要なほどの生理痛〞であり「月経困難症」という病気なので、治療をおすすめします。
また、生理やPMSによって生活に支障が出て本人が困っているなら、全て治療の対象。
軽症だから診療しないということはもちろんないので、少しでも気になる症状があれば気軽に受診してくださいね。
Q.生理痛=温活って正解?
×ではないけれど実は直接的な効果はなし
温めることでお腹の筋肉の緊張がほぐれ痛みが弱まる場合や、リラックスできて生理痛が緩和する場合はあると思います。
ただし、子宮だけが冷えてしまっているということはないので、寒くないのにわざわざ温める必要はありません。
症状を改善するのに重要なのは〝温めること〞ではなく、それによって血流がよくなること。
なので温活だけでなく、ヨガやピラティスといった有酸素運動もおすすめです。
Q.市販のPMS緩和の薬に意味はある?
処方箋薬とほぼ同成分なことが多い。漢方が合う人なら◎
市販薬でも、使われている成分は婦人科で処方される漢方薬とほぼ同じであることが多いです。
ピルのように根本的な治療になるわけではありませんが、漢方で少しだけ症状を和らげたいという人や、いきなり婦人科はハードルが高いという人の〝はじめの一歩〞としてはいいかもしれません。
市販薬を飲んでも改善が見られなかった場合は病院へ行くなど、受診の目安にするのも手。
Q.ピルを飲むとどんないいことがある?
月経痛やPMS緩和、がんの発症リスク低下も
月経不順の改善や月経痛の緩和などはもちろん、ピルを飲むと排卵が止まるので、女性ホルモンの変動がなくなり一定に保たれる状態に。
それによってPMSやPMDDも軽減されます。
さらに、大腸がんや卵巣がんの発症リスクを下げるという報告も。
毎日飲み続けることや副作用に不安がある人もまだ多いと思いますが、きちんと問診をしてから処方しますし、飲むメリットは多いかなと思います。
Q.心の不調をコントロールするにはどうしたらいい?
自分の心と身体のリズムを把握することが大切
レコーディングダイエットと同じで、毎月の生理やその付近の体調・メンタルの変化を記録しておくと、イライラや落ち込みがPMSによるものだとだんだんわかるように。
それだけで自然と不安が軽減され、症状が軽くなることもあります。
とはいえ、理論的には排卵を止めることが一番のPMS治療になるので、どうしてもつらい場合は無理をせずピルを服用するのもおすすめです。
産婦人科医に聞いた正しい知識で自分を大切に!
Photo:Hanamura Katsuhiko
Styling:Ishikawa Miku
Hair Makeup:Yoshizaki Sayoko
Text:Hikasa Reina
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