ar's Cinema Paradise

スクリーンの中で輝きを放つあの俳優から目が離せない。

出演作の公開を目前に控えた彼らの素顔に迫ります。

今回は笠松将さんに、インタビュー♡

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映画『リング・ワンダリング』の裏側

本作で僕が演じる漫画家志望の草介は、過去に戻る不思議な体験をします。
でも一体いつどこで過去に入り込んだかわからない、グラデーションがかかった世界で描かれていて、非常に幻想的な魅力を持った作品です。時空を超えたり、草介が描く漫画に入り込んだり…幾層もの世界で描かれていることも見応えがあるのではないでしょうか。

草介とは別の世界に登場するのは、大先輩である田中要次さんや長谷川初範さん。
別の撮影だったので、お会いできなかったのですが、その撮影過程もあってこの作品ならではの時空のゆがみを感じましたね。不思議な娘・ミドリを演じる阿部純子さんは、僕が休憩中寝ている時にそっと栄養ドリンクを差し入れしてくれたり、気配りな方という印象で。
阿部さんと撮影した夜の神社のシーンは神秘的で美しく素晴らしいのですが…撮影時は本当に怖かったです。急遽その場でセットの鳥居がつくられたのですが、これがまたおどろおどろしく、ろうそくの火は怪しく揺らぎ…背筋が凍りました。

金子監督は、僕が主演を務めた映画『花と雨』を観て声をかけてくださったので、それはとても嬉しかったです。初めて脚本を読んだ時は、「興味深いけど…これって実際の映像ではどうなるのかな」とも思ってはいました。
静かな起伏はあるけれど基本的に淡々と話が進んでいくため、その時の僕には作品の全体像が想像できなかったんです。しかし、全編通して作品を観た時に素直に「面白い」と、感激
時空を超えた小さな恋心、戦争があった過去、様々なことを考えさせられますが最後にはあたたかい気持ちになれます。
これぞ上質なエンターテインメント。ぜひご覧ください。

Photo:Watanabe Yuji(Perle management)
Styling:Tokunaga Takashi
Hair Makeup:Matsuda Ryo(Y's C)
Text:Okamato Hana