旬のジャニーズ!King & Prince永瀬廉を徹底分析
旬のジャニーズを分析するこの企画。
今回は、King & Princeの永瀬廉くんをピックアップ! 朝ドラ出演に、ドラマ主演、そして映画主演と凄まじい活躍を見せている永瀬くん。とくに、朝ドラ『おかえりモネ』の“りょーちん”役や、公開中の映画『真夜中乙女戦争』での演技は印象的でした。そこで本稿では、俳優・永瀬廉の魅力に焦点を当てていきたいと思います。
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国宝級のビジュアルを封印してしまうほどの憑依力
永瀬くんは、パブリックイメージとは対極にいる役柄に挑戦してきた印象が強いです。なかでも、映画『弱虫ペダル』で小野田坂道を演じることが発表された時には、かなり驚きました。
原作漫画の小野田坂道は、丸メガネをつけていて、漫画やアニメが大好きなオタク少年。「ViVi国宝級イケメンランキング」で殿堂入りを果たすほどのビジュアルを持つ永瀬くんとは、真逆のキャラクターです。それなのに、スクリーンのなかにいたのは、小野田坂道そのもので。演じているのが、キラキラアイドルであると忘れてしまうほどの憑依力を見せていました。
そして、『おかえりモネ』で演じた“りょーちん”こと及川亮。亮は、どこか影を纏っている青年でした。同世代の友人と一緒にワイワイしていても、心の底からは笑っていないような。後々、東日本大震災で母を亡くしたことが発覚して、なるほど…と思いました。楽しむことに罪悪感を抱いているかのような目をするのは、そういうことだったのか…と。
『おかえりモネ』は、東日本大震災から10年という節目を意識して制作された作品でもあります。そこで永瀬くんが担ったのは、遺された子どもが“未来”へと歩き出す姿を見せること。ヒロイン・永浦百音(清原果耶)をはじめとし、亮には仲の良い4人の幼ななじみがいました。気仙沼出身の彼らは、全員が心に大きな傷を負っています。ただ、そのなかで親を亡くした経験をしているのは、亮だけでした。永瀬くんはこの作品で、大事な人を失った苦しみを繊細に表現。そして、それでも力強く歩いていく姿を見せてくれました。
等身大の演技がハマる理由は、仲間想いな性格にあり?
『真夜中乙女戦争』では、ダークな演技が光りました。演じたのは、鬱屈とした日々を過ごす大学生の「私」。不思議な魅力を持つ聡明な「先輩」(池田エライザ)と、危険な香りを纏う謎の男「黒服」(柄本佑)との出会いにより、人生が大きく動いていきます。
とくに印象的だったのが、死んだ目の演技です。正気がなく、どこか人生を諦めているような。2019年放送のドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)の時にも感じたのですが、永瀬くんはとにかく瞳の演技がうまい。同作で演じた明智秀一は、父親から暴力を振るわれ、母親に捨てられた高校生でした。この設定だけでも、かなりヘビーな役柄だということが伝わってきます。明智はいつも、世界を恨んでいるような冷めた目をしていたんですよね。そんな彼が、女装家の教師・原田のぶお(古田新太)に出会い、徐々に希望を取り戻していく。第7話で、死んだ目に光が宿っていく様を見た時の衝撃は、いまだに忘れられません。
何も持っていない空っぽな自分に焦ったり、将来に不安を感じたり、時に、世界を恨んでみたり。キラキラとしたアイドルが、どうしてこんなに等身大の男の子の気持ちが分かるのだろう…。『真夜中乙女戦争』を観たときに、ふと疑問を抱きました。
その理由は、永瀬くんがいつまでも“普通”の感覚を大事にしているからかもしれません。多忙のなか、大学に通って学生生活を送ったり、地元の友人に会いに行ったり…。密着ドキュメンタリー『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)で親友と話していた時の姿は、まるで普通の男の子でした。きっと、永瀬くんにはありのままを受け入れてくれて、“普通”に戻してくれる仲間がたくさんいるのでしょう。だから、“普通”の青年の役柄がピタッとハマるのだと思います。
先月放送のドラマ『わげもん〜長崎通訳異聞〜』(NHK総合)では、本格的な時代劇に挑戦したりと、どんどん役の幅を広げている永瀬くん。次に挑戦するのは、どのようなキャラクターなのでしょうか。これまでとはガラリと変わった明るい役柄や、純愛ストーリーを演じている姿も観てみたい…! 今後の活躍にも注目です!