僕のあまのじゃく#37

ティモンディ前田裕太さんの人気コラム【前田裕太の乙女心、受け止めます!】がリニューアル。

▷▷これまでのコラムはコチラから◁◁

ガラリと雰囲気を変えて、毎週変わるお題に沿って、前田さんに自由に言葉を紡いていただくフリースタイルエッセイ【僕のあまのじゃく】をお楽しみください♡

テーマ:「プリン」

私はかなりの甘党である。
多方面で甘党の中でも政調会長を務めていると言い張っているほどで、奇異な目を向けられることもあるけれど、それほど甘いものに目が無い。
新しい情報を求めて、全国津々浦々の甘味処に訪れては、ああだこうだ言いながら甘党の党員と甘味活動をしている。

多岐にわたる甘味があって、その好みも人によって様々だけれど、その中でも、好みの派閥が分かれ議論の対象になりやすいのが、プリンである。
甘い物好きの人たちで、何が美味しいかと話すことが多々あるのだけれど、しっかり固めたプリン派とトロトロとした柔らかいプリン派で勢力は分かれ、その争いはきのこの山たけのこの里論争よろしく、血で血を洗う激しい争いが繰り広げられている。

イケメンといえば、でいうならエディレッドメインとティモシーチャンドラーで意見がぶつかりやすいけれど、同様に甘味界の中では争いの対象になっているのも事実。
この場で両者の手を取り合って長年に続く争いに終止符を打たねばならない。
ちなみにイケメンでいえば、私はマッツ・ミケルセンを推したい。

プリンに話を戻すと、確かに好みが分かれるくらい、それぞれのプリンに別の魅力がある。
硬めのプリンは、そのしっかりとした食べ応えと、噛んで感じる固まったたまごの食感を感じられるし、昔ながらの王道オールドスタイルに心酔している人がいる。ときわ台にある本屋イトマイという店で食べれる固めのプリンは絶品で、固め派の人間からすると。
「プリンはこうじゃねぇとなあ」と口にしてしまうほど。

イトマイで読書しながらここのクリームソーダにプリンで時間を過ごすのが私の贅沢である。
追加で生クリームやサクランボをトッピングなどできるけれど、このオールドスタイルのしっかり固めたプリンを好んでいる人は多い。

あなたはどっち派?

一方、柔らかいプリンは、なめらかな口当たりに、黄身の濃厚な風味に強いバニラビーンズの香りからなる
限りなく飲み物に近い、クリーミーなスイーツ。
崩れないように申し訳程度に固めているのが特徴だから、固めプリン派の人間には理解されにくい。
私は、このなめらかプリンの代名詞と言われるくらい有名ではあるけれど、パステルという店のなめらかプリンが好きで、時間があれば自ら足を運んでパステルのプリンを買いに行く。
できれば水筒に流し込んで、仕事の合間に口に含みたいくらい美味い。

パステルのプリンは、王道のクリーミーな柔らかいタイプのプリンだけれど、固めのプリンが好きだという人は、これをプリンと呼んでいいのか、と思う人もいるだろう。
両者の言い分が分かる身から、言わせてほしい。
我々人類は多種多様な人種がいるように、プリンにも多様なスタイルがあるのだということ。
みんなが思っているよりもプリンという概念は広く、認め合う気持ちが大切なのだ。
プリンのように、柔らかい心を持とうではないか。

では、お前はどちらの立ち位置なんだ、と甘党の過激派から詰められたことがあるけれど、かく言う私は、固め派でも柔らかめ派でもなく、第三の派閥、牛乳プリン派である。

少しだけでも今日はいい仕事をした、と思えた時に、自分にきちんとご褒美をあげられるとうに常に家にコンビニで買う牛乳プリンを常に1つ常備していて、良いことがあったと思える日に食している。

そもそも練乳を持参していて、タバコを嗜むように、時よりチュッチュと吸っているくらいミルキーなものが好みな私としては、プリンという洋菓子の範囲の中では牛乳プリンが一番好みであるのは至極当然の流れであって、そりゃ手頃な贅沢を何にするかといえば牛乳プリンになるのは必然である。

ただ、自分になかなか丸をつけてあげられないので、食べる機会がなかなか訪れない冷蔵庫の牛乳プリンはいつも賞味期限がギリギリになってしまい、いいことがあった訳でもないのに、期限が切れるからという理由で食べがちになる。
期限が切れるからという理由ではなく、近いうちに自分の仕事に満足して、自分に丸をしてあげよう、という積極的な理由で牛乳プリンを食べる日が来たらいいなあ。

ー完ー

これまでのコラムは▷コチラ◁からチェック!

ティモンディ前田裕太「我が地元に生まれし大スター」【僕のあまのじゃく#36】

ティモンディ・前田裕太「売れても変わらないようにするにはどうすれば?」クレバーすぎる頭のナカ