PMS(月経前症候群)で生理前の不快感…結局私はどう対処したらいいの?
こんにちは、現役薬剤師の福井セリナです。
女性特有の現象である「生理」。皆さんは生理前になるとどんな気分になりますか?「何も感じない」「これから血が出るのが憂鬱なくらいかな」といった方がいる反面、重い症状に悩まされる女性が多くいることも事実です。この記事に読んでいる方の中にも、生理前になるとイライラする、乳房の痛み、ネガティブになる…などのつらい症状に悩まされている方もいるのではないでしょうか?
もしかするとそれは、「PMS(月経前症候群)」のせいかもしれません…‼PMSとはいったい何者なのでしょうか。
今回は「生理前でも普段と同じように楽しく過ごしたい!」という女性のために、予防と対策を徹底的に深ぼっていこうと思います♡
銀座の調剤薬局にて勤務する現役薬剤師。様々な価値観や最近流行りのフェムテック情報をみんなで共有するラジオ番組「カラフルブーケ」(文化放送)のパーソナリティを務める。
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「PMS」といっても症状は200通り以上!対処法だって一つじゃない
PMSの正式名称は「月経前症候群」。文字通り、生理前に起きる様々な症状を指しています。症状が出る期間が限られていて、生理3~10日前から始まり、生理がはじまるとともに症状がなくなるのが特徴です。「なんだかいつも通りにいかない」「彼氏に無性にイライラする!」と思っていたら生理が来て、「あれ、PMSだったのか」と後から気づく人も多いようです。
実際私自身もこの症状に悩まされていた期間があるのですが、PMSだと気づくまでは毎月生理前になるとお付き合いしていた方と小さなことでバトルを繰り広げていました(ほぼ私が怒ってただけですけど笑)
PMSの症状は個人差がかなり大きく、その種類は200通り以上に及ぶと言われています。代表的なものは以下の通り。
・いらいらする
・不安
・感情の起伏が激しくなる
・ネガティブな考えをしてしまう
・家に引きこもりたくなる(人に会いたくない)
【身体の症状】
・乳房の痛み
・食欲の増加
・頭痛
・腰痛
・肩こり
・便秘
・むくみ
中でも心の症状が強く、イライラ・不安・怒りっぽくなる・うつ症状によって人間関係や仕事にまで影響を及ぼすようなら「PMDD」の可能性も。これは「月経前不快気分障害」といって、れっきとした精神疾患の1つ。病院での治療が勧められています!
だから「みんな生理があるのに自分だけ甘えられない」「生理がはじまれば治るから」と、つらい症状をガマンし続ける必要はないんですよ♡
きちんとケアして、症状を軽くしていきましょう!
PMSは日々の疲れや体質、年齢など様々な要因で引き起こされる
では、そもそもなぜPMSが起きてしまうのでしょうか。
その原因は生理前に起きる「女性ホルモン量の急激な変化」にあります。
いわゆる「生理前」と呼ばれる期間は、図の中でも「黄体期」のことを指します。生理が起こる過程では「エストロゲン」「プロゲステロン」という2つのホルモンが関わっていて、女性の体を妊娠しやすい環境にすべく、様々な働きをします。
妊娠過程以外にも、エストロゲンは髪や肌を美しく保ち、気分をアップさせてくれる作用、プロゲステロンは体の水分量・ミネラル調節などにも関与しています。
この二つのホルモンが、図のように黄体期周辺で分泌量の変化を起こすことで、卵子を着床しやすくし、受精しなかった場合は生理を起こして次のチャンスに備えてくれます。ですが……このホルモンたちがとても厄介!毎回量の調節がうまくいくわけではないのです。
日々の疲れや体質、年齢など様々な要因でバランスが崩れ、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減りすぎたり、多すぎたりすることでPMSが引き起こってしまいます。
どんな対策ができる?「低用量ピル」「漢方」「食事改善」「運動」など…
ここまでPMSの解説をしてきましたが、聞けば聞くほど女性の体って大変ですよね。生理が来るだけでも憂鬱なんだから、生理前くらいハッピーになるよう設計してよ神様~!なーんて気持ちになります。いつかそんな風に人の体が進化するのを願いつつ、今はできる対策をしていきましょう!
① 最強メソッド「低用量ピル」
低用量ピル、PMSの大元の原因であるエストロゲンとプロゲステロンの量をコントロールしてくれる最強アイテム。わたし自身、PMS症状が大幅に改善したきっかけはピルに出会ったことでした。今では生理前のイライラや暴飲暴食はほとんどありません!
5年ほど前までは「太る」「血栓ができるのでは?」といったマイナスイメージで飲むことに抵抗を持つ女性も少なくなかったのですが、どんどんお薬が改良されて今では画期的なPMS改善方法になっています。あまり知られていませんが、卵巣がんや子宮体がんを予防する効果もあるんです。メリットが多いので、症状が重い人には強くおすすめします。
色んな種類があり、ホルモン量を一定に保ってくれるものから、自然な波をつくってくれるものまで様々。ピルには相性があるので、いくつか試してみて自分に最適なものを探しましょう。1つだけ試して「私にピルは合わなかった!」と諦めてしまわないように。(ちなみにわたしは4つ目で自分にぴったりなピルに出会えました!長旅だった~。)
最近は気軽にネットで買えるようになってしまいましたが、血液検査の結果や肥満度合いによっては飲めない人もいるので、必ず婦人科に行って先生と相談しながら試してみてくださいね!
② ピルにはまだ抵抗が…という方に!「漢方療法」
ナチュラルな方法で治していきたい方には漢方がおすすめ!病院に行かなくてもドラックストアで手軽に買えることも魅力です。中でもおすすめなのは婦人科系の症状に使われる11種類の生薬が配合された「命の母ホワイト」。ホルモンのバランスにアプローチしてくれるのはもちろん、体の凝りをほぐしたり、むくみを改善する効果もあるのも嬉しいポイント♡ 漢方はゆるやかに症状を改善していくお薬なので、しっかり継続することが肝心です。少なくとも3か月は継続して経過を見るようにしましょう。
③食べ物、飲み物
「先月と生理の重さがちがうかも...?」といった経験をされた方も少なからずいるのではないでしょうか。それは食事や生活習慣が影響している可能性大!とくに食事で必要な栄養素をとれていない場合や、ジャンクフードを食べ過ぎて体のミネラルや水分のバランスが崩れているとホルモンにも影響してきます。日頃からバランスの取れた食事をとるように心がけましょう。(とはいってもジャンクフードを排除するのは悲しすぎるので、たまにはご褒美も必要♡)
特に栄養素で意識してほしいのは以下の4つ。
- ビタミンB類
- ビタミンE
- マグネシウム
- カルシウム
ビタミンB類は生理前のお肌の不調に効果的です。中でもビタミンB12は血液のもととなる栄養素でもあるので貧血にも◎ 神経細胞の修復にもB類は関わっているので外せない栄養素です!豚肉に多く含まれていますが、毎日豚肉を食べるわけにもいかないのでサプリで補うと良いでしょう。
ビタミンE、マグネシウム、カルシウムは水分量やミネラルの調節、さらにはイライラの改善に効果的!この3つは大豆製品に多く含まれているので、豆乳や納豆がおすすめです♡
④ヨガ、軽い有酸素運動
ヨガや軽い有酸素運動を取り入れるとPMSが改善するということがわかっています。運動するときは呼吸を深くすることを意識してみて!「緊張した時は深呼吸するといい」なんて昔から言いますが、実際に神経を落ち着かせてくれる効果があるんですよ。生理前は体が重くなりがちなので、無理のない範囲で試してみてください。
PMSは我慢せず、対策していこう♡
今回はPMS対策方法についてお話ししました。この記事を読んで、「PMSは我慢し続けなくてもいいんだ」と感じてくだされば嬉しいです。少しずつ対策を取り入れて、症状を軽くしていきましょう!
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