僕のあまのじゃく#50

ティモンディ前田裕太さんの人気コラム【前田裕太の乙女心、受け止めます!】がリニューアル。

▷▷これまでのコラムはコチラから◁◁

ガラリと雰囲気を変えて、毎週変わるお題に沿って、前田さんに自由に言葉を紡いていただくフリースタイルエッセイ【僕のあまのじゃく】をお楽しみください♡

テーマ:太陽

読者諸兄姉は知っているだろうか、今日こうしている間にも太陽は日に日に大きくなっているということを。

10億年後には、大きくなった太陽の力によって海水が大量に蒸発して地球温暖化が急激に進み、生き物も生きていけなくなってしまうほど焼き尽くされる。
75億年後には、地球は太陽に飲み込まれてしまうほど、太陽は大きくなる。
我々を照らす太陽は日に日に巨大化しているのだ。

この芸能界という宇宙で仕事をしていると、太陽のような存在の人間をよく見かける。
自ら光を発していて、周囲を明るく照らす光を放つスター。
一緒に仕事をしていると、その人の光に照らされることもあれば、眩しいなあ、と感じることも。
ジャニーズの人達なんて、もう例外なくキラキラ。
直視できない人も多く見てきた。

アイドルじゃなくても、テレビで活躍している人はビリビリとその光を感じる。
太陽のように、自らのエネルギーで輝く恒星は、星の数の中でも少ない部類。
だからこそみんな魅力を感じるのだけれど、私のような自ら光り輝く力のない星とは、全く違う部類の人間だなあ、とつくづく思う。
生まれてきた星が違う。

そのうち私も身を焼かれてしまうのではないかと自身が心配になるほどのエネルギーを感じる。
芸能界は、恒星を沢山有するギラギラ銀河系集団なのだ。
私のような土で作られた泥団子のような、特段目をひかない星はお門違いな場所のように、よく感じる。
自ら光を発しない星なんて、この銀河系で生きていくのに肩身が狭い。

さらなる驚愕の事実

ただ、読者諸兄姉は知っているだろうか。
月は日に日に遠く小さくなっていってしまっているということを。
一年間におよそ3.8センチほど遠くなってしまっているのだ。

爪の伸びるようなスピードでじわじわと離れていっていると大したように感じないかもしれないけれど、45億年前、月が出来た時は今の17倍の大きさで目視できるほど近かった事を考えると、如何に遠ざかっているかがわかる。

それだけで言えば、大した出来事ではないように聞こえるけれど、このまま月の距離が遠くなっていけば、大変なことが起きる。
数十億年後、遠くなっていく月を地球の引力では引っ張っておけなくなって、月はどこかへ飛んでいってしまう。
そうすると、地球の自転は3倍近く速くなり、一日が8時間になる。
それに従って、大気の流れが早くなって、嵐が各地がしょっちゅう起きることになる。
プランクトンが生きていけなくなって、海の生き物が大量に死ぬことになる。

結果、地球は死の星と化してしまう。
月は、太陽と違って自ら光を発することのない星。
たかが、衛星の1つが無くなってしまうだけで、地球はメチャクチャになってしまうのだ。
自ら光を放つ力がなかったとしても、月は地球にとって、そこまで影響力のある星なのだ。

恒星ばかりで、この銀河は私のような泥団子星には居場所がないように思っていたけれど、どこかの誰かの星には、それくらい大きな影響を与えることができるのではないだろうか。
銀河単位で見れば、月なんて目を引く存在ではないかもしれないけれど、誰かの地球という存在に寄り添って、月のように、生態系を守ることができる、そんな存在になれればいいと思う。
あわよくば、私も恒星のように光輝きたいし、それを諦めた訳でもないのだけれど、そんな役割を務められればな、と、そう思う。

ー完ー

これまでのコラムは▷コチラ◁からチェック!

ティモンディ前田裕太「誰か僕を褒めてください」【僕のあまのじゃく#49】

ティモンディ・前田裕太「売れても変わらないようにするにはどうすれば?」クレバーすぎる頭のナカ