ar's Cinema Paradise

スクリーンの中で輝きを放つあの俳優から目が離せない。
今回は、映画『『グッバイ・クルエル・ワールド』』に出演する斎藤工さんにインタビュー♡

斎藤工。ar9月号より コート¥79,200、シャツ¥22,000、 パンツ¥36,300/ユハ

(コチラの記事もチェック)映画『野球部に花束を』に出演中の醍醐虎汰朗にインタビュー♡「劇中では坊主になるシーンも…」役者魂に注目!

僕が今グッバイしたいことは、めちゃくちゃあります(笑)

今作で演じた萩原は、ヤクザ組織から大金強奪に成功した強盗団のひとり。
血も涙もない男ですが、はぐれ者を演じる時は自分とはかけ離れた人間だと思わないようにしています。
どんな役も擁護しながらキャラクターを作っています。撮影初日に、現金を強奪した後に車に乗り込むシーンを撮ったんですが、成功したという安堵の表情をしていいものかわからなくて。
監督にどんな心情でいるのかお伺いした時、「何も考えないでほしい」と言われた言葉に救われました。
それで放心状態でいたら、すごく演じやすかった。猟奇的な犯人の役だとつい余計な裏付けやロジックを考えるけど、残虐なシーンでも感情に色をつけていないというのがこの作品の登場人物の面白いところ。
作為なく、何も考えずにいられたことで萩原になれたと思いますね。

宝石店に強盗に入るシーンでは、ショーケースを粉々に破壊していったんですが、ガラスが思いのほか硬くてなかなか割れないとか、予想を超えた何かが次々と起こる現場で面白かったな。
あと、宮沢氷魚さんと玉城ティナさんの二人が銃を持って喫茶店に出現するシーンは非常に近未来的で、イチ映画ファンとしてすごく見たいシネマティックな瞬間が描かれていて、とてもカッコよかった。
颯爽と現れた二人が、まるで新人類の希望の光みたいな象徴に思えました。

タイトルに「グッバイ」とありますが、僕が今グッバイしたいことは、めちゃくちゃあります(笑)。
バックパッカーをして旅をしていた時、生きていくうえで本当に必要なものって少ないってことはわかってるんです。一泊の旅行に持っていくのって本当に限られたものですよね? でも、死にやしない(笑)。買ったはいいけど、触れ合わないものにあふれている自分にはグッバイしたいかな。その反面、物を大切にしたい気持ちもすごいあるので、捨てるのではなく、洋服ならニーズがあれば後輩にあげるとか。
グッバイは“GOOD”という意味もあるので、よい方向に折り合いをつけていきたいです。

Photo:Toyoda Ryo
Styling:Mita Shinich(i KiKi inc.)
Hair Makeup:Kudo Aki
Text:Fukuda Keiko

【エピソード大募集】あなたの”胸きゅんエピ”が小説に!?ヘアケアプレゼント有♡