おタク男子が世のおフェロ女子に物申す!
読者の乙女なお悩みに、バンドマンおタク男子の彼が思いもよらない変化球で答えます。

恋も仕事もおしゃれも夢も。人生に迷ったらあの人に相談してみよう!


答えてくれるのは、ロックバンド・オワリカラのタカハシヒョウリさん。


↑音楽家時のタカハシさん (c)勝永裕介

特撮おタク時のタカハシさん


今回は、バンドマン代表として世間の「?」に真剣に答えます!

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バンドマンって何がイイんですか。

親友がバンドマンの彼に夢中です。同い歳の私からすると本当に大丈夫?って思っちゃうんですけど、「彼以上の人はいないの」と言って聞きません。バンドマンのどこがイイのか、世の女性にわかるように説明してくれませんか? (サオリさん・28歳)

バンドマン、ロクでもないよ

ー(笑)。世の中でも散々悪いって言われてますが、それはある程度本当なんですか? やれチャラいだらしないとか、金がないとか…

「(食い気味に)まぁ、間違いなくお金はないね。まんべんなく平均的に。堅気の職業じゃないし、明日も知れぬ身だから、根本的にロクな奴は絶対バンドマンにならないはず」

ー明日も知れぬ身…。

「今の時代、バンドで一攫千金とかっていうのも昔より難しい。今の時代にこの道に来る奴は、相当やばい奴ばっかだと思うんですよ」

ーまずい、雲行きが怪しい(笑)。

「もちろんちゃんとした生活してるバンドマンもいるけどね。でもやっぱり、突き詰めていけばどこかおかしい人の集まりですよ。だから用法用量を守ってお好みで

ーわかったような、わからないような(笑)。関連して、もうひとつ興味深い質問が届いてます。

弟の将来を憂いている姉です。

バンドマンを目指しているうちの弟に、プロからのメッセージをお願いします。(ズッキーさん・23歳)

「なるほど。これはもうね、時代的なこと言えば、バンドマンになるべきじゃないの!

ーバッサリだ(笑)。

「もちろん売れてるバンドはいるけど、売れてるバンドはわかりやすく売れそうな音楽をやってて、意外なところから火がついてブレイク…みたいな面白さ、ドリームストーリーはかなり減った。でもそれでも目指しちゃう人なら、逆にもう、キミは本物。むしろ本気でやったらいいんじゃないって思う部分はある。一緒に世の中ちょっと面白くしようよ」

ーお〜っ! でもたしかに今の時代、目立ちたいならバンドじゃなくてYoutuberとか目指したほうがいいかもしれませんね。

「そう。いくらでも他に、もっと手軽な選択肢がある時代がやってきた。そんな中で僕はバンドの音楽が本気で好きだったからバンドを始めたけど、そういう人以外はいま敢えてやらなくていいんじゃないかとすら思う」

ーそうですねぇ…。それでも目指してしまうホンモノな彼に、先輩として何かアドバイスはありますか? 作曲の勉強しとけ!とか…

「いや、曲なんて誰でも書けるんだよ。本当に難しいことじゃないよ。あとは、根拠のない自信がある人が続けてるってだけの話ですよ」

ー生存バイアスってやつだ。

「そうそう。根拠のない自信さえあれば続けられると思うからさ。続けてたら上手くなるし。だから”根拠のない自信を持って頑張ってください”っていうのが僕からのアドバイスですね。ご家族にとってはすごいツラいアドバイスになっちゃうけど(笑)。ほらね? すごいダメそうでしょ(笑)」

ーたしかに(笑)。では逆に、お姉さんのズッキーさんへのアドバイスはありますか? 本気の弟さんを応援してあげるべきですかね。

「いや、俺は反対したっていいと思う

ーえ!?

「そもそもバンドとか音楽なんて、反体制でナンボだから。全面的に認められちゃ、ダメなんですよ。”家族みんなが応援してくれてます”みたいなのって一番しょうもないんで、家族はヤメろって言っていいと思う。止められても図太く続けるくらいじゃないと、このご時世やる意味もないと思うんで」

ーそれが弟さんの為にもなると。

「そういえば、冒頭のサオリさんの質問に戻りますけど、バンドマンを好意的に思ってる人って、正直バンドマンのダメさもいいわけでしょ?」

ーまぁ、そうでしょうね。いま人気のバンドマンとかは、やっぱりダメそうな人が多いんですか?

「基本、ダメそうな感じの人が多いよね。生きるのが下手な感じの人。でも俺に言わせれば、生きるのが下手な感じ出せてる人は、結構生きるのが上手いけどね」

ーなるほど。深いかもしれない…。

「一番やばいのは、それなりにできそうなのに全然できないっていう、真面目系クズが一番バンドマンとして破滅型だと思うんだよね。ダメそうでダメな人はぶっちゃけ演出も絶対入ってるし、”あいつダメそうだけど人間的に魅力があってロックなんだよ~”とかいう話は絶対に信用しない。そういう意味では、今はむしろクズ系クズより真面目系クズのほうが一番ロックではないかと」

ー新しいですねぇ(笑)。

「何でもそうだけど、目に見えやすいものがすべてじゃないからさ。たとえばバンドマンのクズ系ツイートみたいのってあるんです。”俺は本当ダメで、世間になじめない”みたいな。たしかにダメなんだと思うけど、それって“俺はダメだ”ってつぶやけてる時点で、真の意味ではダメじゃないんだと思うんだよ。それを世の中に発信できないけど、裏ですごいダメだ…っていうのが音楽になってたら一番ブルースを感じる」

ーブルース…。えー、とりあえず昨今の「バンドマン=クズ野郎」みたいな風潮には、わりと異議なしって感じです?

「そうですね。そうやって、後ろ指さされるくらいがちょうどいいんだよ。満員電車の中で楽器がデカくて邪魔で、こいつ何だよ!と思われてていい。そこからエネルギーも出てくるし」

ーほう。サオリさん、バンドマンは別によくないと思ってて差し支えないみたいです(笑)。

でもね、人類の0.1パーセントくらいはそんな生き方しててもいいと思うんだよね。”ムダ”に価値を見出せて、それを愛せるのが人間の特権だからね。だから物好きな人たちに支えられて、バンドマンが絶滅しない未来がいいなぁと思います

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