TVer独占配信中！8年前を描いた『silent エピソード0』
“いちばん泣ける秋ドラマ”として、多くの人の心を捉えている『silent』（フジテレビ系）。今回は、TVerで独占配信中の「4話エピソード0～紬と想と湊斗、8年前のある出来事～」を、徹底解説していきたいと思います。
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たった5分半の動画なのに、怒涛の伏線回収！
TVerで配信中のエピソード0は、紬（川口春奈）の弟・光（板垣李光人）が、湊斗（鈴鹿央士）を慕うきっかけとなった8年前の出来事を描いた物語。たった5分半の動画なのに、怒涛の伏線回収！ 脚本を担当されている生方美久さんの力量が、すごすぎる…！
回収されたなかで、いちばん印象的なのが、光が想（目黒蓮）に対して、嫌悪感を抱いている理由。高校時代の紬は、帰りの遅い母の代わりに、光の面倒を見ていました。これまでは、いいお姉ちゃんとして、光のそばにいたのに、想と付き合うようになって、帰りが遅くなっちゃったんじゃないかな。好きな人とずっと一緒にいたいと思うのは当たり前のことだけど、幼い光からすれば、お姉ちゃんを奪われたように感じたのかもしれない。
ただ、想は光のことを考えて、「弟、大丈夫？ 家にひとりなんでしょ？ 帰ろっか」と言っていたんですよね…。「いやだ！」と拒否したのは、紬の方。それに、想の前に置かれているポテトとジュースは全部空なのに、紬は半分以上残していました。食べ終わったら、想とバイバイしなきゃいけないような気がして、寂しかったのかな。こういう細部までこだわり抜かれた演出が、『silent』の魅力のひとつですよね…。
紬が幸せな時間を過ごしている間、寂しい思いを感じていた光。意を決したように、家を飛び出したのは、近所に住むお兄ちゃん的存在の湊斗に助けを求めるためだったのかもしれません。湊斗を見つけた瞬間に、一目散に駆け出していったところからも、2人の信頼関係がうかがえます。
でも、光！ 車が来ているかの確認はしないと！ もしも、湊斗が光の存在に気づかなかったら。それに、あと一歩ずれていたら、湊斗の命も危なかったかもしれない。ただ、光からしたら、湊斗は命懸けで自分を守ってくれた恩人。特別な想いを抱くのも、無理はありません。というか、車で怖い思いをした経験があるから、第4話で想に「車に気をつけて」って言ったのかぁ。張り巡らされた伏線がすごい。
分かりやすい優しさと、隠れてしまう優しさ
「ごめん、俺が引き留めちゃって。お姉ちゃん、帰ろうとしたんだけど。俺が引き留めちゃって」
紬と光の仲が悪くならないようにと、自分が悪者になった想。紬＆想の会話を見ている私たちなら、「いやいや、想は帰ろうとしていたのに！」となるけど、幼い光はその言葉を信じるしかありません。光からすれば、想は完全な悪者で、湊斗は優しいお兄ちゃん。「湊斗くんがよかった。お姉ちゃんの彼氏」と言う光の気持ちも分かるけど…。想は。紬をかばっただけなのにと苦しくなります。
想の優しさって、優しすぎて隠れてしまうことが多くないですか？ 湊斗の方が見えやすいから、“優しい人”と思われやすいけど、実は想もかなり温かくて優しい人。湊斗がいい人だと思われたいがゆえの優しさなら、想は大事な人のためなら悪者にでもなれる優しさで。種類がちがうから、どちらがいいとかは言えないけれど、想は本当に損をしやすい！ 紬と別れたのだって、高校の同級生と距離を置いたのだって、自分が悪者になれば、みんなを巻き込まなくて済むからと思ったんじゃないかな。
紬は、そんな想の優しさをちゃんと見て、すくい取ってくれる女の子だと信じています。ただ、紬と想が復縁したら、湊斗が報われなくなってしまう…（涙）。『silent』は優しい人しか登場しないから、一人残らず全員が幸せになってほしいと思っちゃうんですよね。どうしたら、みんなが幸せな人生を送っていけるのか…。素敵な登場人物たちとともに、じっくり考えていきたいと思います。
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