おタク男子が世のおフェロ女子に物申す!
読者の乙女なお悩みに、バンドマンおタク男子の彼が思いもよらない変化球で答えます。

恋も仕事もおしゃれも夢も。人生に迷ったらあの人に相談してみよう!


答えてくれるのは、ロックバンド・オワリカラのタカハシヒョウリさん。


↑音楽家時のタカハシさん (c)勝永裕介

特撮おタク時のタカハシさん


今回は、おタクの本領発揮! 素晴らしい漫画作品を熱弁してくれます。

大人におすすめの初漫画は?

人生で漫画を読んだことがありません。初漫画にオススメの作品を教えてください。(TKさん・26歳)

「これ、たまに聞かれるんですよ。漫画を読んだことがないっていう人、どういう状況なんだろうな? そんなことってあるのかな。この漫画大国で。幼少期をアマゾンの奥地で過ごしたとかなのかな」

ー育った家が厳格で漫画禁止だった…っていう人とかはいるかもしれませんね。

「なるほど…。となると大人になったar女子が第1作品目に出会うってことだから、そのチョイスは大事だよね。うわ〜、そう考えると難しいけど…やっぱり『ブラックジャック』かな。俺にとってブラックジャックは人生の教科書だから

ーおぉ〜。簡単に紹介していただけますか?

「”漫画の神様”といわれる手塚治虫の作品で、ブラックジャックって闇医者の話なんですよ。医師の正規のライセンスを持ってないんだけど、腕前が超天才的。そのかわりものすごい金額をとるの。一生かけないと払えないようなお金を出さないと手術してくれないんだけど、難病でも治してくれる天才外科医。人は命にどれだけお金を出せるのか、ってことをブラックジャックは試してるわけよ。人生を投げ出してでも治してください!って言ってくれる人だけを治したい。しかもねぇ、腕が確かなのもそうだけど、ブラックジャックはまじで、かっこいいんだよ。

ー(相槌を打つ隙間がない)

「基本的に弱者からは実はお金をとらないんですよ。最終的に50円とかで治してくれる。でも最初からそう言うんじゃなくて、全財産を投げ打ってでも治してくれっていう意志を持った人にしかそれをやらない。彼は世間からは闇医者として後ろ指さされても、自分の信念で命と向かい合ってるんですね。そういうブラックジャックの生き方がめっちゃかっこよくて俺はすごい好きで、憧れの存在なんです」

ーすごい…。何かご自身も影響を受けましたか?

「ブラックジャック的に自分なりの信念で物事を見ていきたいって未だに思ってる。人生の指針ですよ。基本的には弱者の側でありたいっていうのもブラックジャックから学んだ」

ーなるほど。女子が読んでも面白いですか?

「もちろん。この漫画ですごく絶妙なのが、ピノコっていう女の子の相棒が登場するんですよ。その存在がめっちゃ切なくて、手塚治虫ってホントに変態だな〜と思うんだけど。ピノコは18歳なんですけど、見た目はちっちゃい女の子。なぜかっていうと、ピノコは生まれてくる時に双子のお姉さん一と緒になっちゃって、ずっとお姉さんの身体の中で生きてて。それをブラックジャックが摘出して、人間の身体に組み立てたの

ーわっ。ものすごい設定ですね…!

「それでピノコは、自分では18歳だと思ってるんだけど、身体は幼女。ブラックジャックはピノコのことを自分のだと思ってる一方で、ピノコは18歳だから自分はブラックジャックの恋人、お嫁さんだと思ってる。ブラックジャックにとっては娘であり、妻であり、恋人であり、妹であるピノコと、ピノコにとっては父であり、恋人であり、旦那であるブラックジャック。っていう倒錯した関係なんですよ、この2人は。そこの関係性がね、めっちゃ…いいのよ…」

ーほ〜。単純な恋愛沙汰じゃないんですね。

「もっとすごい深い仲なの。いや〜、手塚治虫ホントすごいな、ド変態だなと思って。こんな設定よく思い浮かんだなと思うよ。ブラックジャックは文庫で20巻くらいだけど、1話完結だからまずは1冊だけ読めば大丈夫」

ーへぇ! 気軽に読めるし、面白そう。大人が読んでも楽しめるでしょうか。

「もちろん!! いつ読んでも素晴らしいのがブラックジャックですよ! あと、漫画読まない人には、山下和美先生の”不思議な少年”も1話完結のドラマみたいでおすすめです」

ーわお。おタク先生、ありがとうございます! あと、TKさん。ar本誌に載ってる漫画連載『完パコLOVE』もめちゃくちゃ面白いので、オススメです♡

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