僕のあまのじゃく#77

ティモンディ前田裕太さんの人気コラム【前田裕太の乙女心、受け止めます!】がリニューアル。

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ガラリと雰囲気を変えて、毎週変わるお題に沿って、前田さんに自由に言葉を紡いていただくフリースタイルエッセイ【僕のあまのじゃく】をお楽しみください♡

テーマ:音楽

音楽を聴かせて作った作物は、そうでない作物と比べると、美味しくなるらしい。
育成中の作物に留まらず、既に作り終えたものにも効果があるようで。
ワインに音楽を聴かせると味が変わることは科学的にも証明されているみたいだ。
水の分子に音波が影響を与えて、水ですらより美味しくなるという。

本当かよ、と思う私のような人間のために、科学者が実験を行って、裏付けまでとっているのだ。
流石に数値まで出ているのに信じないほど私は愚かではない。

植物にモーツァルトを聴かせると、傷ついたDNAが修復される効果もあるらしい。

胎児の時に曲を聴かせると胎教にもいいらしいし。

音楽って凄い。

曲を聞くだけで水が美味しくなるのであれば、身体の60%が水で作られている我々に影響がない訳が無い。

フランシス・ラウシャーの実験結果から、モーツァルトの「二代のピアノのためのソナタK.448」を聞くと、人間の空間把握と記憶を改善できるということまで分かっている。

私達の脳は、外からの音に大いに影響を受けているのだ。

で、あるならば、今の私の頭には、少しでもいい音楽を聴かせ続けなければならない。
あれやこれや日々押し寄せるタスクと揺さぶられる感情に脳がスパークしてしまって、このままでは手遅れになってしまうかも知れないからだ。

まずは、モーツァルトを片っ端から聞いてみる。
あ、この曲ってモーツァルトなんだ、と思う、日常で耳にする曲が流れてくる。

フィガロの結婚なんて聴くと「のだめカンタービレ」を思い出すし、
アイネクライネナハトムジークを聴くと「いきなり!黄金伝説」という番組を見ていたことを思い出す。

モーツァルトから離れて、他のクラシックを聞いてみると、
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は「ナニコレ珍百景」で使われているし、
スウェーデン狂詩曲は「はねるのトびら」で、ほぼ100円ショップという企画で使われていたことを聴くとパッと思い出した。

これって、脳に良いって、過去の思い出を思い出すから、脳トレ的な意味で効果があるのか?と思うけれど、
植物にまで効果があるってことは、そこの意味はあまりないのかも知れない。

このクラシックでも効果があるということは、普段聴いている曲も、私に良い効果を与えているのではないだろうか。

なんか分からないけれど、東京事変をかけている時は、なんだかセンスの塊のような人間でいるような気分にもなるし、
宇多田ヒカルを流していると、繊細な気持ちが理解できる人間になれているような気持ちになる。

私の中の60%の水は単純なもので、聴いた曲とアーティストのイメージで、自分の人間性にまで影響を与えているように感じた。
改めて、音楽って凄いと思った。

マキシマムザホルモンを聴いている時はパワフルな男になれているような気がするし、
今だってPEOPLE1の曲を聴きながらコラムを書いているので、繊細な気持ちの人間の気持ちが分かる人間のような気になっている。

であるならば、普段かけられている言葉っていうのも、きっと身体の水分に影響を与えているに違いない。
60%の水は、良い言葉を浴びれば浴びるほど、きっと良い影響を与えられそうだし、
悪い言葉ばかりを浴びてしまう環境にいれば、悪い影響を生き物として与えられてしまうと思う。

そんな単純なものなのか、科学的な実証は何もないのだけれど、実践してみるのは悪くないだろう。

まずは自分の身の回りの、大切な愛猫たちに、必要以上の愛の言葉を浴びせたいと思う。

ー完ー

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