おタク男子が世のおフェロ女子に物申す!
読者の乙女なお悩みに、バンドマンでおタク男子の彼が思いもよらない変化球で答えます。
恋も仕事もおしゃれも夢も。人生に迷ったらあの人に相談してみよう!
答えてくれるのは、ロックバンド・オワリカラのタカハシヒョウリさん。
↑音楽家時のタカハシさん (c)勝永裕介
↑特撮おタク時のタカハシさん
今回は、ワンランク上のおフェロ女子になるためのカルチャー講座をお届け。
梅雨でも楽しくデートしたい。
雨の日でも楽しめるデートプランが知りたいです。タカハシさんなら雨の日に何をしますか?(直子さん・26歳)
「映画見る。」
ーお、意外と普通だなぁ。
「でもただ1本見るんじゃなくて、完璧な5本上映をやるね」
ー5本上映?
「たとえばある監督の特集上映ってことで5本映画選んで、完璧な流れで流しますよ。これの次にこれを見て、次にこれを見て…っていう完璧な上映会をやるんですよ」
ーでもそれ、ディスク入れ替えるの自分ですよね?
「そうだよ。見る順番とかも含めて完璧にやるかな」
ーシュールですね(笑)。というか映画って5本も続けて見れるもんなんですか?
「オールナイト上映とか行ったら4-5本見るからね。続けて見るののいいところって、あんま本気で見ないところなんですよ。ちょっと流し見みたいな感じで面白いところだけ見たり、あんまり集中しないでぼんやり見たりするのが贅沢なんだよ。たとえば雨で突然10時間とか暇になったら、4-5本見れるからね」
ーた、たしかに…。めっちゃ気合が必要ですけど。
「まぁ、3本でも、、最悪2本でもいいけどさ、1本じゃないってところが重要で。それも適当に2本見るんじゃなくて、関連性のある作品を2本立てとして見るほうが絶対楽しいから、そこはプロデュースしますよ」
ー関連性ですか。映画の知識があまりない女子は、どうやってその2本を選んだらいいですか?
「同じ監督の作品とかね。通(ツウ)になるっていう言葉があるじゃないですか。たとえば”そば通”って何で言うかって、同じそば屋に何度も”通ってる”ってことなんですよね。それと一緒で、同じことを繰り返すと物事って見えてきたりして、映画もそうだと思う。同じ監督の作品をいくつも見たりすると、意外と『なるほど、こういう風に撮る人なんだな』ってちょっと分かってくるんだよね。それがたとえ自己満足でも、そういう発見って面白いですよ」
ーへぇ! 今月のおタク名言。
「だから同じ監督の作品を2本続けて見てみると『あ、この監督ってこういう女の人好きなんだな』とかが分かってくる。『まーた、こういう顔の人起用して〜』みたいな親しみも湧いてくるよ。そういうことを繰り返してると、審美眼じゃないけど、だんだん物事を見る能力が上がったりするかもね〜」
ー洞察力のあるおフェロ女子になれると。
「そう! ちょっと映画のことが分かる、洞察力のあるおフェロ女子になったら、ワンランク高いおフェロ女子じゃん。ハイおフェロ女子ですよ」
ーたしかにそうかも!
「監督縛りだけじゃなくて、同じ役者さん縛りとか、同じテーマに関する映画を見たりとかもいいと思う。2本合体させることによって広がるものはある」
ーなるほど。おフェロ女子におすすめの映画監督っていますか?
「愛をテーマにしてる監督で、グザヴィエ・ドランっていうカナダの監督がすごくいいですよ。まだ29歳の若手なのに賞を総なめにしてる人。『わたしはロランス』っていう、性同一性障害の主人公が出てくる作品で話題になって、日本でも単館系ですごく評価されてますね。しかもめっちゃイケメンで、”美しき天才“と呼ばれているくらいだから。彼の映画はロマンティックな感じがあって、おフェロ女子も好きだと思いますよ」
ーほ〜。
「あとは俺は深作欣二が大好きなんで、『仁義なき戦い』を全部見るとすごい楽しい」
ー全部!(笑)
「『仁義なき戦い』って、スターシステムっていうのを採用してて、1作目であるキャラクターが死んでも、同じ役者さんが2作目で別のキャラとして出てくるの。お前さっき死んだだろ!みたいな(笑)。眉毛とかなくして違う人っぽくなってるんだけど、明らかに顔が一緒だから! めっちゃ面白い」
ー(笑)。
「やっぱひとつのことを続けるってのは、ちょっと特別な意味があるんですよ。たとえばもし菅田将暉さんが好きだったら、とことん彼の出てる映画を見て、演技の癖まで分かる、みたいな。菅田くんってこういう時こういう顔するよね!とかさ。菅田くん上手くなったな〜、とか。分かってくる楽しみ。これを、雨の日に彼と一緒にやるってのはどうですか?」
ーすごい面白そう。直子さん、ぜひやってみてください!
NEXT:ビニ傘と女子力の関係???
ビニ傘使っちゃダメですか。
ビニール傘を使う人は女子力が低いと言われたことがあるんですがそう思いますか。(イズさん・23歳)
「え? 別にそんなに思わないけどな」
ー逆はどうですか? ちゃんとしたいい傘持ってる女子。
「あぁ、それはたしかにグッとくるかも。でもビニール傘持ってたって、効率的でいいね、と思うかもなぁ」
ーつまり傘は何でもいいんじゃないですか(笑)!
「でも、ちゃんとした傘持ってることのすごさって、準備してきたことじゃないですか。雨が降るってことを察知したってことでしょ。僕は今この瞬間に降ってなかったら絶対持ってこないからな。で降り出したらコンビニで買うことになるから、まぁ100%ビニール傘だよね。でも突然降り出してもちゃんと傘持ってる人は、この人ちゃんと天気予報とか見てんだ、すげー。と思うよ」
ー天気予報は見ません? 普通(笑)。
「見ませんよ。だから女子力っていうより人間としての能力が高いと思いますね。自分より上の生命体だな、と思いますね。何でもそうだけど、ちゃんと準備してこれる人ってすごいと思う。たとえばスタジオでセッションとかあって、楽譜をちゃんとコピーしてくる人はすごいと思うし、何でもそうだね。ハンカチ持ってるのもそう。あれも別におしとやかだからイイとかじゃなくて、ちゃんと何かに備えてアイロンかけてバッグに入れてスタンバイしてることが、能力の高さってことでしょ。オシャレも準備じゃないですか」
ー…そうなんですかね?
「そうでしょ。女子力っていう言い方するから歪んて聞こえるけど、人間的な能力の高さですよ」
ーなるほど。
「傘だってさ、雨も降ってないのにわざわざおしゃれなお店に買いに行ってさ、よさげなやつを選んで買って、家に置いといて、一度も失くさず、天気予報見て雨だと察知した日に満を持して持ってきたわけでしょ。ドーン!って。電車に置いてくることもなく。これはすごいよ。文句なし! 負けました!」
ー(笑)。女子力じゃなく、人間力が高いのが素晴らしいということですね!
・雨の日デートはおうちで完璧な映画上映会をしよう!
・いい傘持ってる女子は人間的能力が高くて素晴らしい。
♡おフェロなお悩み大募集♡
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タカハシヒョウリ
(c)勝永裕介
【ミュージシャン】
ロックバンド”オワリカラ”と特撮バンド”科楽特奏隊”のギター/ヴォーカル、ソロの音楽活動など。
【イラストレーター】
グロカワキャラ”小腸はみ出し夫”の生みの親など。
【執筆家】
いくつかのWEBサイトで連載など。
【ハイブリッドおタク】
バンドのフロントマンの固定概念を覆すガッチガチな情報量と批評眼/語り口、そしてポンコツさ。
愛するのははゴジラ/ウルトラマンを始めとする<特撮>全般、映画、アニメ、マンガ、お笑い、ゲーム、蕎麦など。
特技は<才能の無駄遣い>
座右の銘は<世界の創作物に愛を>