最近よく買うブランドも、近頃ハマってるスイーツ屋さんも、ここのところよく遊ぶ男友達だって…。

20代女子にとっては、どんなものでも“過渡期”の真っ只中にあります。ファッションだってスイーツだって人間関係だって、新しい素敵なものが現れたらそれに飛びつきたい! それが正直なところなのでは?

そしてそれは、SNSも例外ではありません。

ここ1年くらいでしょうか?「最近Facebook全然更新してないんだよねぇ。インスタはやってるけど…」「もう完全にインスタに移行しちゃった!」という声が若い女性を中心によく聞かれるようになってきました。

Facebookが時代遅れになったってこと? Instagramが革新的だから? 若い人たちは飽きっぽい?

いろいろと原因は予測できそうですが、彼女たちがFacebookから離れてInstagramに腰を落ち着かせている理由は、もっと単純なところにあるようです。

20代の“インスタ引っ越し女子”、はたまた“グッバイFacebook女子”のみなさんにその実情について話を聞いたところ、上がってきたキーワードは「誰なのオジサン」でした。

職場は日本橋、週末はもっぱら中目黒で遊ぶという24歳のハワイ大好き女子Tさんは、このように話します。

「去年の休みに女3人でハワイに行ったとき、帰国してからFacebookに10枚くらい写真をアップしたんです。もちろん、ビーチで遊んでる写真も。そしたら、アップして1分後くらいにコメントがついて、その内容が、

『面積小さい水着ですね。私のようなオジサンは目のやり場に困ってしまいますが、楽しそうでなにより!』

というものでした…。コメントしてきたのは、先輩に誘われて行ったパーティーで1回会っただけの、よく分からない50代のオジサン。なんか、このコメントの内容に一気に萎えました。『面積小さい』とかキツすぎる…」

そしてTさんは、このような痛烈な一言を残していました。

「正直、コメント欄が汚された気分でした」

これが、通称「誰なのオジサン」。

由来は、仲の良い友達から、「あのよくコメントしてきてるオジサン、誰なの?」と聞かれがちだというところからきていますが、少なからぬFacebookユーザーの20代女子たちはその存在に悩まされているようです。

まずは、彼女たちから聞かれた「誰なのオジサン」の特徴を表にまとめてみました。見てみましょう。

この他にも、「名刺に顔写真が入りがち」「人のタイムラインに書き込みしてきがち」「リッチというわけではなさそうだけど、貧乏でもなさそう」といった特徴が聞かれました。

では、彼女たちの“誰なのおじさん体験談”を紹介しながら、なぜ嫌なのかという理由を分析していきましょう。

「Facebookに何か投稿すると、必ず最初のほうにコメントしてくるオジサンがいます。別にイヤな内容のコメントではないんだけど、ある日友達から『あのオジサン誰なの? なんか、コメントやり取りしてると愛人の女みたいに見えちゃうよ』って言われて、Facebookに投稿しにくくなりました」(26歳、受付、Iさん)

「去年の正月に親戚の叔父さんとFacebookで繋がって、それからはその叔父さんが必ずコメントしてくるんです。『ゆき、あんまり飲みすぎんなよ!』みたいな感じで。苗字も違うから親戚だって分かりづらいし、親戚だからこそ外したり非表示にしたりするわけにもいかないし…。だから、最近はもっぱらインスタです」(23歳、学生)

「前に自分のコメント欄が40代と50代のオジサンに占拠されてたことがあって、それを客観的に見ると“各方面にパパがいる女”みたいに見えたので、恥ずかしくなって投稿ごと消したことがあります」(27歳、IT、Aさん)

このように、「誰なのオジサン」からのコメントは、若い女性にとってセルフブランディングに大いに関わってくるようです。

前述のTさんの「正直、コメント欄が汚された気分でした」は言いすぎかもしれませんが、彼女たちからは「オジサンのコメントが入ると、その後にコメントが続かない」という不満も複数聞かれたので、極端ではありますが、少なからぬ20代女子たちの気持ちを代弁しているのかもしれません。

このような「誰なのオジサン」の存在が増えたのは、やはりFacebookが非常にメジャーなサービスになったからでしょう。メジャー化によって増加したオジサンユーザーたちは、SNSライフをただただ楽しんでいるだけで、当然悪意はありません。

だからこそ彼女たちは、まだオジサンたちがあまり入ってきていないInstagramに発信の場を移しているようです。

 

Text:R.U