ドラマ『いちばんすきな花』第5話を考察!

放送中のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。誰もが一度は考えたことのあるテーマ”男女の友情”を題材にした本作について、コラムニスト・DJあおいさんに見どころや登場人物の心情について、考察してもらいました。

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必要だから好かれるわけではない。好きだから必要とされるのが、友情であり愛情

生まれてから一度も孤独を感じたことはなかった
周りにはたくさんの友達がいて、みんなで仲が良かった
誰とでも仲良くなれて、誰からも好かれて、明るくて、優しい
それが周囲からの紅葉(神尾楓珠)の印象だった
しかし、必要だから好かれるわけではない
好きだから必要とされるのが、友情であり愛情である
紅葉はたくさんの人に必要とされたし、自分からもそう働き掛けてきた
その結果、人には必要とはされたが、そこには友情も愛情もない、軽薄な繋がりしか残っていなかった

紅葉の周りには常にたくさんの人がいたが、紅葉は孤独に居た堪れなくなっていき、その孤独の慰みに、友達がいなくていつも独りでいる奴を見つけては一緒にいてあげた
好きだから必要としたわけではなく、孤独の慰みという利己的な目的で、ひとりぼっちの人を利用してしまった
紅葉を利用している周りの”友達もどき”と同じように、紅葉も独りぼっちの人を利用して、孤独の慰みにしてしまった
これを紅葉は、いじめをしている奴より、いじめを見て見ぬふりをしている奴より、誰よりも最低なのは、自分であるという罪悪感を抱えていた

ある日紅葉は”シノ”という名の人気画家よりコラボの依頼を受ける
画廊を訪ねるとそこには学生時代に独りぼっちだった篠宮くんの姿がありました
紅葉は過去に篠宮を利用した罪悪感を抱えたまま、篠宮を騙し続け高額の報酬を得ることに耐えられなくなったのでしょう
自分の胸の内を全て曝け出し、篠宮の気持ちを踏み躙ってしまう
『勝手な罪悪感で、こっちのいい思い出を塗り潰さないでよ…』という篠宮の言葉が突き刺さる
篠宮は紅葉の思惑はどうあれ、独りぼっちから救ってくれた紅葉を慕っていた
紅葉の周りにいる”友達もどき”とは違い、紅葉が好きだから必要としていた
学生時代、公園のブランコに座り紅葉と二人で描いた絵、その絵と同じ絵が篠宮の画廊にある
その絵を涙ながらに黄色(紅葉のイメージカラー)で塗り潰す篠宮の姿が印象的でした

罪悪感への答えは、ゆくえの放った言葉

紅葉はゆくえ(多部未華子)に篠宮の絵を見せる
ゆくえはそれを『優しい絵、紅葉と同じタイプだよね』と言う
紅葉は篠宮とは作風も異なると思っていたが、ゆくえには同じタイプに見えたようだ
『ん?』と怪訝な顔をする紅葉にゆくえが続け様に言う
『いいんだよ、描いた人が実際どうかはさ、それを見た人が実際どう思うかでしょ?優しいと思った人にとっては優しいでいいんだよ』
これが紅葉の抱える積年の罪悪感へのアンサーになっていたのは言うまでもない
今回、紅葉と篠宮は物別れに終わってしまったけど、再会の日があるのなら、きっとうまくいくのかもしれない

これで椿(松下洸平)夜々(今田美桜)と紅葉の問題は解決した
残るはゆくえのみ、となります
元親友の赤田(仲野太賀)との関係はどうなるのかも気になるが、四人の友情の中に恋愛感情という毒が入り出しているのも気になるところ
できれば四人の友情は友情のままでいてほしい
こんなに恋愛を応援できないドラマも珍しいのではないでしょうか

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