口元美人になるために知っておくべきこと

白く輝く歯は美人に見える要素を底上げ!憧れの白い歯になるためにやるべきことやQ&Aを、歯科医と歯科衛生士のお二人にうかがいました。

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教えてくれたのは…

北参道歯科・矯正歯科 壱岐聰一郎先生

噛み合わせ・矯正担当医。大学卒業後、都内クリニックに勤務しながら噛み合わせについて深く研究を重ねる。全身の健やかさにかかわる咬合の重要性を発信。

北参道歯科・矯正歯科 工藤百夏さん

歯科衛生士として、クリーニングやホワイトニング、処置のアシストを行なう。日本歯周病学会認定歯科衛生士、臨床歯科麻酔認定歯科衛生士を取得。

白く輝く歯を手に入れるためにできること

歯の健康を保つメリットは?

健康な身体を維持するための第一歩が、口内の健康

「歯は口まわりの問題と捉えられる方も多いのですが、歯の健康=全身の健康とも言えるくらい身体にさまざまな影響を及ぼす大切な器官です。

たとえば、健康的にご飯を食べられるのも、歯が健康で口腔機能が整っていればこそ。消化器官というと食道や胃、腸などのいわゆる『内臓』をイメージすると思いますが、口は第一の消化器官と言われています。食べ物を食べた時に出る唾液にはアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素が含まれています。しっかり噛まずに飲み込んでしまうと、唾液からの消化酵素が十分に働かないため、他の消化器官に負担がかかります。だからこそ、"しっかり噛める"ということが大事なんです。

その他にもきちんとした発音や、嚥下を円滑に行なうための重要な役割を果たしたり、歯の健康は日々を楽しむために欠かせないものとなります。」(壱岐先生)

まずは口腔内環境を健全に!

正常な口内環境の上に矯正や審美を積み上げる

「口腔内を健全に保つことは本当に大切です。たとえばスウェーデンの研究データには、歯科医院などでケアをしていない人は、歯の喪失リスクが4倍になるという結果も。歯石や虫歯などを放置したりすると歯を失う量も多くなり、歯周病にもなりやすくなるので、毎日の歯磨きなどのホームケアはもちろん、歯科医院などで定期的なメンテナンスをおすすめします。

まずは口腔内の清潔を保った上で、正しい噛み合わせや歯列矯正など、必要なデンタルケアを取り入れていくといいと思います。そこは必ず専門医と相談しながらになると思いますが、クリニックもたくさんあるので、自分に合うところを見つけるのは難しいですよね。通いやすさなど色々あると思いますが、細かく検査をして、それをきちんと説明してくれるところは安心できると思います。口腔内や顔面の写真、レントゲンなどを撮ってデータを見ながら伝えてくれる、など。検査を怠ると再発のリスクが高まるので、設備などハード面が整っているかなども見極めて。信頼できるクリニックを見つけて、キレイな歯のサポーターにしてください。」(壱岐先生)

歯の磨き方で断然差がつく!

正しい磨き方をマスターして健やかな歯を長く保とう

「歯をきちんと磨くことは、口内環境を健康に保ち、虫歯や歯周病を防ぐためにとても重要です。

歯ブラシは毛が硬すぎると歯や歯茎を傷つける原因になるので、ソフトからミディアムを選んで、鉛筆を持つように軽く持ちます。歯磨き時に圧をかけすぎないことが大切なので、歯に当てた時に歯ブラシの毛先がハの字に広がらず、まっすぐなままで磨けるくらいの圧で。また毛先を歯茎のキワに向けて斜めに当てて、小さな円を描くように優しく磨きます。磨き始めはどの歯からでもいいけれど、口の中を一筆書きするようなイメージで磨いていくと磨き残しがないのでおすすめです。

フロスや歯間ブラシは歯磨き前に行なって汚れを取っておくと、歯磨き粉の洗浄効果を感じやすいと思います。また驚かれることも多いのですが、すすぎの回数はなるべく少なく! 歯磨き粉の成分が流れてしまうため、1回で十分なんです。虫歯予防の観点からは、ペットボトルのキャップ1杯分の水でも問題ないと言われているんですよ。」(工藤さん)

口元美人へのアプローチって何がある?

自信の持てる歯並びや白さでポジティブな笑顔ができること

「矯正歯科は歯並びや噛み合わせの改善、さらには副次的なその予防を目的としますが、受診する患者さんの多くは、外見の改善に大きな価値をおいています。歯並びが気になって笑顔になれない等のお悩みも聞きますし、見た目を美しく改善することでポジティブな変化が出やすいのも特徴です。ただ最も重要なのは、本来の機能を回復させ、正しい噛み合わせに導くこと。それが全身の健康にもつながるので。また矯正治療は長期間になるため、メリットと同時に生じるリスクもきちんと知って行なうのがベターでしょう。」(壱岐先生)

「その他、すぐに効果を実感しやすい歯のクリーニングや、歯の着色を取って明るく整えるホワイトニング、タバコや銀歯の色が歯茎に移って気にしている人は薬剤で歯茎のトーンを上げる処置など、口まわりを美しくするためのアプローチ方法はさまざまなので、お悩みに合わせてクリニックで相談してみてください。」(工藤さん)

生活習慣に潜むNG行動は?

食べ物や食べ方、姿勢など身近なところに落とし穴が

「食生活で気をつけたいのは、長時間かけてのだらだら食べです。間食が多いと糖分が虫歯菌のエサとなり、虫歯の原因になります。食事中は、よく噛むことを心がけましょう。また頬杖をついた姿勢などは、噛み合わせなどに影響が出る場合もあるので気をつけてください。」(壱岐先生)

ホワイトニングした後は歯が色素に対して特に敏感になっているので、コーヒー、ワインなど色味の強いもの、タバコ、炭酸水、酸っぱいものは避けるようにお伝えしています。また、コーヒーや紅茶などステインが強い飲み物はストローで飲む方がいいかとご質問を受けることがありますが、飲料は口内に広がるため特に対処法にはならないので、食後は歯磨きなどのケアで着色を防ぐことをおすすめします。」(工藤さん)

セラミックや歯科インプラントはどんなもの?

審美性の高いセラミック。インプラントは歯を失った時のひとつの解決策

「昔は欠損部分に金属を詰める方法が一般的でしたが、最近では虫歯治療時の詰め物やかぶせ物として、本物の歯のように美しく仕上がるセラミックを選ぶ方が増えています。

セラミックは透明感があって強度が高く、歯の色を調節しやすいという特徴があります。口を開けた時に目立つ部分の治療にはセラミック治療をおすすめされることが多いでしょう。さらに口内での親和性が高く、金属アレルギーの方も安心して治療できることも大きなメリットです。1本だけ気になる歯がある時は、矯正ではなく歯を削ってセラミックをかぶせる方法もあります。

本物の歯に近いキレイな見た目で歯をつくることができる審美性から、ホワイトニングや矯正目的で利用する方も増えています。また、セラミックは18年の追跡調査で98%が持続しているという論文が出ているほど、持ちがいいのも特徴です。金額はやや高額にはなりますが、長期間持たせたいと思ったらセラミック素材を選ぶのがおすすめですね。そのため、30年後にどうなっているかを一緒に考えてくれる歯科医選びが大切です。歯科インプラントは永久歯を失った箇所に金属製の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。

持ちもよく長く使われて臨床の結果も出ているので、歯を失った時の治療としてのファーストトスにはなりますが、ar世代の方はまずは矯正やセラミックなどから考えてみるといいかもしれませんね。」(壱岐先生)

Text:Saito Yuko