美容外科医に聞くUVケア
美肌を目指すなら、紫外線対策のノウハウを知るのが大事。そこで、読者から届いた疑問を美容外科医の紀田基邦先生がアンサー。
もしかして今の塗り方だと意味がないかも…!? 知識をブラッシュアップして紫外線対策を始めましょう。
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美容外科医が語る紫外線
紫外線に当たるほど肌は確実に老化します!
「肌を老化させる原因の80%が紫外線によるもので、その現象を〝光老化〟と呼びます。20代はまだ現実味がないかもしれませんが、年齢とともに肌の再生サイクルであるターンオーバーが遅れることで、肌に蓄積された紫外線ダメージが表面化。30代以降になると、シミやシワ、たるみが現れ始めます。
若い頃は日焼けしていると小麦色で健康的に見えたりもしますが、UVケアをせず日差しをたくさん浴びていた人が40代、50代になるとシワが刻まれ、げっそりした印象に見えることが多々あります。これは、肌のハリを保つための栄養源であるコラーゲンやエラスチンも紫外線の影響で失われているからです。
また、薄い褐色のもやもやとした肝斑はシミの一種。くっきりとしたシミと違い、スポットで強いレーザーを当てられない肝斑は、一度出てしまうと美容医療でも治療がすごく難しいんです。
僕たち医師が考えるのは、クリニックに頼るもっと前の段階から、みなさんに紫外線対策をしていただきたいということ。肌老化の80%が紫外線によるものなら、毎日の徹底したUVケアで8割近くのアンチエイジングができます。今後の肌をキレイに保つために、日焼け止めはスキンケアの一環として欠かせないアイテムです。」
UVケアのQ&A
Q1. SPF入りファンデだけで紫外線対策はできる?
「紫外線防御力は低め。ちゃんと日焼け止めを塗りましょう。ファンデーションは主に肌をきれいに見せるための商品なので、UVカットを目的とした日焼け止めとは役割が違います。しかも、薄くなじませるだけではSPFの効果を得にくいのが事実。ファンデーションを厚塗りする人は少ないと思うので、ベースとして日焼け止めをしっかり塗るのが紫外線対策の基本です。」
Q2. 塗るのが面倒! 飲む日焼け止めだけでいい?
「NO! それだけでは紫外線をブロックできていません。まず日焼け止めを肌に塗ることで、紫外線を物理的にブロックすることが第一。それでも少なからず受けてしまうダメージを、内側からサポートするというのが飲む日焼け止めの位置づけ。塗る日焼け止めにプラスする補助アイテムとして活用してください。」
Q3. 外出時、塗り直しは必要?
「2〜3時間おきに塗り直して! 日焼け止めは時間とともに取れてきてしまうので、ずっと屋外にいる場合は2~3時間おきに塗り直すことが大事。スプレーやミストタイプならメイクの上からでもケアしやすいですね。」
Q4. 日焼け止めを塗る適量は?
「500円玉大で本来のUVカット機能を発揮。顔全体で500円玉よりやや大きいくらいの量が目安。薄く塗ってしまうと、たとえSPF50でもUVカット力は不十分になってしまいます。優しく、ムラなく、たっぷり肌に塗ってあげてください。」
Q5. サングラスは使った方がいい?
「目にもシミができるので使って損はない! 紫外線ダメージは白目の色素沈着にも影響を及ぼします。炎天下や長時間の外出時は、UVカットレンズのメガネやサングラスをかけるとクリアな目のケアに。アイテムとしては、紫外線が肌に当たる前にブロックしてくれる日傘や、ツバの広い帽子もおすすめ。」
Q6. 日光浴が健康にいいというのはウソ?
「メリットはたくさん! 幸せホルモンの分泌も促進されますよ。顔や、服から出ている肌に日焼け止めを塗り、1日15分ほど日差しに当たると、紫外線の悪影響を防ぎながら日光浴のヘルスケアができます。まず強い骨を維持するためのビタミンDが生成され、骨粗鬆症の予防に。また、免疫力の向上や、自律神経のコントロールにも効果的。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促され、ストレス軽減にも一役買います。」
Q7. インナーケアでおすすめの栄養素は?
「トラネキサム酸、ビタミン、グルタチオンをチェック! トラネキサム酸は肝斑の予防に。抗酸化作用の高いビタミンCやE、グルタチオンはシミ・くすみケアに有用です。飲む日焼け止め同様、UVケアのプラスαとしてサプリや内服で取り入れてみてください。」
Q8. スティックの日焼け止めはメイクがついてしまい、汚れが気になります…。
「使ったあとは表面を拭き取ると衛生的。肌に直接塗るので、皮脂やメイクはどうしてもついてしまいますよね。塗り終わったら軽くティッシュなどで表面を拭き取り、汚れをオフしてください。それと、半年以内には使い切ること。1年前のものが残っていても、細菌が繁殖している恐れがあります。処分して新しいものに切り替えて。」
Text:Iida Honoka