「“運動神経悪い芸人”を観ながら、下手なスキップの練習をしています」
ー今回初めてのドクター役。オファーを受けたときのお気持ちは?
もともと原作小説がすごく好きで、学生の頃に読んでいたので、“映像化するんだ”という驚きや嬉しさと共に、セリフ地獄になるから大変だろうなと想像をしていました(笑)。最初に台本をいただいた時も、やっぱり覚えるセリフやページ数が本当に多くて。撮影が始まる前から、三浦翔平さんと「どっちかがセリフを間違えても、いい空気のまま頑張ろう!」という励まし合いの話をしていましたね。翔平さんは以前共演させていただいたことがあって、畑芽育ちゃんとは初めて共演するんですけど、すごく気さくで誰とでも仲良く接することができる方なので、いつも3人でよく話しています。昨日(取材日の前日)もずっと3人でたわいのない話で盛り上がっていました。
ーご自身が演じられるキャラクターの魅力を教えてください。
原作でも描かれていますが、鷹央は人間らしさみたいなものはありつつ、天才的な頭脳でスパスパっと診断をしていくところがすごく魅力的だなと思っています。あと、これだけ頭脳明快なのに、鷹央はすごく不器用で運動神経が悪いんですよ(笑)。そこもなんか良いですよね。
ー橋本さん自身は、運動神経が良い方?
だと思います。なので、バラエティ番組『アメトーーク!』の「運動神経悪い芸人」の回を観ながら、監督と二人で練習をしたりして、演技に取り入れています(笑)。結構、わざと下手にするのって難しいんですよ。作品の中で運動神経を悪く見せているところも、ぜひ楽しんでいただけたらと思います!
「役作りの一環で、髪をレイヤーカットにしてみました」
ー役作りで工夫されていることはありますか?
ビジュアル面では、髪をレイヤーカットにして、原作のキャラクターに少し寄せました。原作の知念先生は、無理に近づける必要はないと仰ってくださっていたみたいなのですが、やっぱりキャラクターの雰囲気を作ることで演じやすさにつながる時も結構あるので。
行動面でいうと、鷹央は誰に対しても二人称が「お前」だったり、上からの態度で相手をイラッとさせていることに気付かない鈍感さがあったりと、コミュニケーション能力が少し不足している部分があるんです。でも本当に悪気なく喋っているので、そこの無邪気さみたいなものは無くしたくないなと思いながら演じています。
あと、鷹央は人の目を見て喋ることが苦手なのですが、相手の目を見て喋らないお芝居ってすごく難しくて。鼻や肩あたりを伏し目がちで見たり、あえて打ち解けていない距離感を作るようにしています。
ー今回、医療ドラマという部分で、事前準備も多そうですね。
調べることがすごく多いので、撮影じゃないときにここまで時間がかかるという大変さは、今回の役が初めてかもしれないです。病名一つ取っても、セリフの意味を理解していないと、全然覚えられないんですよ。それぞれの臓器が何に関係していて、この病気はどの疾患の一種で、年齢や男女比はどのくらいなのか…など、大枠だけでもわかっていないと取り扱えない内容で。覚えて喋るだけではできないということはクランクインする前から思っていましたが、毎日、気絶するように寝落ちしています(笑)。
ー鷹央は謎に対する探究心が強いキャラクターですが、橋本さん自身、難しい仕事への挑戦を楽しまれているイメージがあります。そこが共通しているのかなと思ったのですが、いかがですか?
確かにそうですね。私も、とにかくプライベートと仕事であまり区切りなく、人生楽しいことが一番だと思っているので、そういう面で言うと、興味があることに対して進む力が大きいという点は、鷹央と似ているかもしれないです。

ドラマ『天久鷹央の推理カルテ』
天医会総合病院の統括診断部に、元外科医の内科医・小鳥遊優(三浦翔平)が派遣されてきた。各科で「診断困難」と判断された患者が集められる統括診断部の部長を務めるのは、同院の院長・天久大鷲(柳葉敏郎)の姪で、副院長でもある天久鷹央(橋本環奈)だ。唯一無二の個性をもつ鷹央の言動は、姉である事務長・天久真鶴(佐々木希)を除いて誰も制御できず、研修医の鴻ノ池舞(畑芽育)も「天久鷹央劇場」と評するほど。この日も小鳥遊のことを初対面にもかかわらず「小鳥」呼ばわりし、無邪気にぞんざいな態度を取る鷹央に、小鳥遊はあ然とするが、同時にその能力に舌を巻くことになる。何を隠そう鷹央は、驚異の診断能力を誇る天才ドクターだった。
4月22日(火)21時〜 テレビ朝日系にて放送開始!※初回は6分拡大で放送