セックスしてないって言えない社会、しんどくない?

「え?彼氏ずっといないの?」「最近何かいいことあった?」

この“いいこと”って、だいたいセックスのことだったりしませんか。

世間の空気は「セックスしてる人=充実している人」ってことになっている気がしています。ひと昔前とくらべると、そこまで性生活が重視されているわけではないけれど、それでも「2年はご無沙汰」「そもそも経験がない」なんて言おうものなら、同情されるか不思議がられるかのどちらかです。

いや、しなくても普通に生きていけるんですが?

「"気持ちいい?"と聞かれるたびに"うん"と答えているけれど…」快感を感じられないときに大切にしたいこと

“していない”ことはレアでも異常でもない

たしかに、セックスはいいものですよ。愛情ホルモンのオキシトシンがでたり、ストレス軽減や免疫アップに役立つという研究結果もあります。

でも、だからといって「セックスしている=リア充」「してない=満ち足りてない」っていう価値観は古いですよね。

していない理由は人それぞれで、興味がない、忙しい、疲れている、性欲がない、したい相手がいない、他にしたいことがある、セルフプレジャーでじゅうぶん、などさまざまです。
なのに、それを言うと「やせ我慢してる」「妥協してる」と思われがち。

2023年に実施された株式会社TENGAの調査では、Z世代(18-26歳)の35%が「セックス経験が一度もない」、4.1%が「3年以上前に経験がある」、2.9%「ここ3年で1,2回程度」。ミレニアル世代(27-35歳)の12.0%が「セックス経験が一度もない」、10.6%が「3年以上前に経験がある」、6.2%が「ここ3年で1,2回程度」と回答しています。【出典:月刊TENGA第50号】

つまり、18~35歳の女性の、三分の一から四分の一の割合でセックスの経験がないか年単位でしていないということになります。もはや“していない”ことはレアでも異常でもないということです。

「する」「しない」のチョイスは自由

私のもとには、セックスの経験がないことに悩む女性や、パートナーとの性生活がなくなったことで周りのカップルとは違うのではないかと疎外感を感じる女性からも悩み相談が寄せられます。

そんな彼女たちからの文面から感じるのは、セックスしていないことそのものではなく、世間から「普通じゃない」「何か欠けている」と思わされていることが辛いのではないかということです。

SNSやネット広告の煽り文句から「“抱かれる”ことが女としての価値」と感じさせるような歪んだ表現が毎日目に入ってきます。

しかし、「している」「していない」はただの“状態”であり、「する」「しない」のチョイスは自由です。

「セックスしてないよ」も普通に言える社会にしていきたいですね。