【生理のお悩み】ひとりゴトの悩みを解決すべし!ドクターズアンサー

生理やPMSは女の子として生きる私たちにとって、避けては通れないもの。だからこそ少しでも心地よく過ごせるように、婦人科医の先生から知識を学んで問題を解決しよう!

教えてくれたのは...

「ユイ・レディースクリニック横浜」
院長・産婦人科専門医 國井優衣子先生

思春期に初経を迎えてから、ほぼ毎月のようにやってくる生理。個人差はありますが、生理前後での痛みや気持ちの浮き沈み、肌荒れ、むくみなどの悩みを抱えながらも、我慢するしかないと思って生活をしている女性も多いのではないでしょうか? 我慢するしかないというのは一昔前のことです。現代ではフェムテック製品や薬など、生理に関する症状を軽減する方法がたくさんあります。そしてその窓口が産婦人科でありたいと思っています。何か不安があったら、まずは婦人科を一度訪れてみてください。

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生理前・生理中の尽きない悩みにアンサー

01

Question

生理中、トイレが近くなったり便秘気味になるのはなんで?

生理前や生理中に排尿回数が増えるのは子宮が生理前に「黄体ホルモン」によりうっ血状態になり、
隣接する膀胱などに影響を与えるためです。
対策としては、生理中は腹部の冷えを避ける、湯船につかる、アルコールは控えるなど身体を労ること。

また、便秘も黄体ホルモンが腸の刺激を感知する力を弱めたり、便の水分再吸収を促進したり、蠕動(ぜんどう)運動を弱めてしまうことが原因。食物繊維を多く含むゴボウやキノコなどの食材を摂り、適度な運動やストレッチで腸を刺激することで解消されることも。腸内細菌を整える乳酸菌サプリも◎。

02

Question

生理前になると、なぜ情緒が不安定になるのでしょうか?

「月経前不快気分障害(PMDD)」の疑いが。PMSとの判別が少し難しいのですが、PMSの中でも特に精神症状ばかりが強く出てしまう方です。月経をコントロールする「性ホルモンの変動」が関わっていると考えられます。同時に気持ちを落ち着かせる神経伝達物質の影響や交感神経、副交感神経の乱れも重なるなど、原因を特定するのは難しいです。

ピルでホルモンバランスを一定にすることで、気分の浮き沈みや生理痛の改善が可能に。薬に頼りたくないという方は、規則正しい生活リズムと十分な睡眠や軽いストレッチやウォーキング、ストレス軽減のために趣味やアロマテラピーを行なったりなどがおすすめです。

03

Question

生理中に頭がぼーっとしてミスが増えるのは私だけ?

生理による出血で貧血が起こり、脳に届く血液量が減少し、酸素不足になることが考えられます。その他にもホルモンバランスの変化が脳内物質に影響を及ぼしたり、生理中のストレスや体調不良による自律神経の乱れが原因の可能性も。生理がある女性には起こりうることなので安心してください。

鉄分やビタミンなどの栄養を補う、十分な休息をとる、短時間の昼寝や軽い運動でリフレッシュするなどの対策がおすすめです。鉄分に関しては、食べ物から摂取するよりもサプリが一番です。毎月生理があることにより慢性貧血が繰り返されるので、生理にかかわらず女性は鉄分が減少しやすいのです。日常的に鉄分を意識して摂取してみてください。

04

Question

生理前後の止まらない暴飲暴食への対策方法は?

女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の変動が原因です。生理前はプロゲステロンが増加するため、脂肪や糖分、水分などの栄養素を身体が蓄えようと食欲増進が起こります。また、気分の浮き沈みなどのストレスを暴飲暴食で解消しようとしてしまうこともあると思います。

生理中はエストロゲンの分泌量が最も低下する時期で、食欲を抑制する働きが弱まります。対処法は、1回の食事量を減らし1日の食事回数を増やすことで空腹感を和らげたり、間食に野菜やナッツなど栄養価の高いものを選ぶのもおすすめです。また、ホルモンバランスを整えるための漢方や、低用量ピルなどを検討してみるのもよいかと思います!

05

Question

むくみやふくらはぎの痛みは生理とどう関係しているの?

生理の際は頻尿や便秘の原因にもなっている黄体ホルモンの分泌が増え、その特性である体内に水分を溜め込む性質から、生理中はむくみやすくなってしまうのです。

対策としては塩分の摂りすぎに注意することや、バナナやアボカドなどカリウムを多く含む食材を意識的に摂ったり、適度なストレッチを行なうことをおすすめします。また、ふくらはぎの痛みはホルモンバランスの変化による浮腫や筋肉の緊張、血行不良等の可能性があります。むくみが原因でふくらはぎの筋肉が圧迫され、痛みが生じていることもあるかもしれません。

06

Question

生理中、胃や腰が痛くなるのはどうして?

生理前~中のお腹の張りの原因は「プロスタグランジン」という物質が関係しています。これは子宮の収縮を促して経血の排出を起こすホルモンですが、その作用により子宮が膨張することで腸が圧迫され、お腹が張ったり、ポッコリ出てきたと感じやすくなります。

腰痛も同じくプロスタグランジンが原因の可能性が。子宮の収縮を促進して経血の排出を促すと同時に、血管を収縮させる作用もあるので、腰痛、だるさ、冷えがひどくなります。加えて、冷えやストレス、ホルモンバランスの乱れによる骨盤内うっ血も腰痛に関与しているといえます。

07

Question

生理中のニオイが気になるけれど軽減する方法はありますか?

排出されたばかりの経血は無臭ですが時間が経つと酸化し、雑菌が繁殖してしまいニオイが出ます。また、黄体ホルモンの分泌量が増えることで、汗や皮脂の分泌量が増えて体臭が強くなることも。

ナプキンをこまめに取り替えるだけでなく、経血汚れを防ぐためアンダーヘアを整えたりVIO脱毛をすることでニオイを軽減できます。

08

Question

婦人科を受診した方がいいという状況を教えてください

生理周期が極端に長かったり、短い場合。14日間を切っていると短いです。また、経血の量にもよりますが生理が4~5日以内で終わる、10日以上続くなど。

あとは生理痛の悪化や無月経、PMSやPMDDの症状などがひどい場合は、自分の今の身体の状態を知るという意味でも、一度婦人科を受診してみるのもいいかもしれません!

09

Question

生理中に起こる肌荒れを防ぐ方法は何かありますか?

生理中の肌は敏感なため、いつもより優しく丁寧に洗顔をして、肌を清潔に保ちましょう。この時期に新しい洗顔料や化粧品を使用するのは控え、しっかりと保湿することを心がけてください。

メイクは肌の負担を軽減するため、低刺激や薬用タイプのものを選ぶのもいいと思います。あとは、バランスのとれた食生活と睡眠を意識して!

10

Question

経血の量はどのくらいが正常なのでしょうか?

健康な女性の生理の経血量は20~140㎖が正常と言われていますが、自分で判断するのはなかなか難しいと思うので、ナプキンの交換頻度を目安に考えることが多いです。

通常時で1日だいたい4~6回程度が理想。夜用ナプキンが1時間もたなかったり、血の塊が2日以上続く時などは婦人科疾患の可能性があるので、一度相談を。

11

Question

オーガニックアイテムを使うと経血量が減るって本当?

〝生理痛が和らぐ〞〝経血の量が軽減する〞などについては、医学的には証明されておりませんので関係がないかと思います。

しかし、生理中の肌はデリケートゾーンも含めて敏感になっているので、オーガニック製品を使用することで、肌荒れなどを軽減できることもあります。自分に合った生理用品を色々試してみるのも、快適に過ごすためのヒントに。

Illustration:okoto