「ピンクで無臭」が正解?

「フェムケア」と言う言葉が広まり、ドラッグストアでもさまざまな種類のデリケートゾーンケア用品が並び、デリケートゾーンケアはVIO脱毛と同じくらい“普通のケア”として定着してきました。

一方で、気になるのが、本来は自分が心地よく生活するために行うケアが「誰かに不快感を与えないための義務」になってきてはいないだろうか?というところです。

今回は、デリケートゾーンに関する「清潔感への意識」について、少し真面目に考えてみたいと思います。

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彼に減点されないためにするものなの?

SNSを開けば「黒ずみ大丈夫?」と、動画広告が流れ、YouTubeを開けば「その匂い、彼に嫌われるかも?」と、不安を煽るようなマンガ広告が流れてきます。

「毛がないのが清潔」
「色は赤ちゃんのようなピンク」
「匂いは無臭、または香水のようないい香り」

SNSや広告によって、こういった“偏ったデリケートゾーンの正解”を突きつけられると、「他の人よりも黒いかも…」「変な匂いがしてないかな?」などと、自分の身体を減点方式でチェックするようになってしまう女性もいらっしゃるかと思います。ですが、本来デリケートゾーンのケアは自分を労わるためのもの。それが欠点をなくすための行為に変わってしまうのはあまりにも悲しいですよね。

この“偏った正解”への意識が最も厄介な形で顔を出すのが、パートナーとのセックスです。本当なら、相手の体温や呼吸を感じて、快楽に身をゆだねる幸せな時間なのに、頭の片隅でこんな声が聞こえてきていませんか。

「きのう剃り残した毛がチクチクしてないかな」
「黒いって思われてるかも……」
「匂いが気になるから顔を近づけてほしくないな」

愛おしいと思って触れてくれているのに、自分だけが自分の身体を「不潔」「美しくない」「隠すべき」とジャッジしてしまう。これではセックスに集中できるわけがないですよね。

もちろん、清潔にしていたいという意識そのものは自然な感覚です。ただ、広告などで目にする“偏った美意識”を真に受けると苦しくなります。そもそも、デリケートゾーンの色が濃くなるのは、女性ホルモンの影響による自然な変化。また、体調や月経周期によって体液の匂いや量が変わるのも、ごく当たり前のことです。“怪しげな広告”が提示する「ピンクでツルツルでいい匂い」は、決して万人に共通する正解ではありません。

デリケートゾーンは、他人から採点されるものではなく、大切な自分の身体の一部。“誰かにとっての完璧”を目指す必要はありません。

不安を煽って商品を売ろうとする過激な広告やSNSアカウントに振り回されずに、私たち自身が「何のためのケアなのか」を見失わないことが大切です。

デリケートゾーンケアは、自分自身が快適に気持ちよく過ごすためのものだということを忘れないでいたいですね。