日々、落ち込むことやイライラしてしまうことは、どうしても起きてしまいますよね。

特に今の時代は、ただでさえ将来の見通しがつきにくく、不安に苛まれていることで、普段よりネガティヴな波に飲み込まれてしまいそうなシーンも多いはず。

それでも、そこから抜け出して前に進むために、誰かの英知を頼りにするのも一つの手です。今回は、愛読家の私が読みやすさ重視で選んだ「悩みに立ち向かうための哲学的・心理学的な3冊」をご紹介したいと思います。

その① 悩みの捉え方を教えてくれる『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね』

モヤモヤしている時、そもそも何に対して、そういう風に感じているのか分からない時もあります。いや、むしろ「あれも、あれも悩みのタネだ…」って思い当たる節が多いのかもしれないですね。

何かを不安に思い、すっきりしたいならまず、何があなたを悩ませているのかをしっかり捉えるべき。解決の道はそこからです。

この本では、具体的な悩み相談を例にとって、賢人エピクテトスの言葉を借りながら、その問題の捉え方を学ぶことができます。大きなポイントは「権内と権外の区別」です。

この魔法の言葉を心の中で振り返るだけで、不安や悩みが吹っ飛んでしまうんです。

私自身悟り始めると、この考えに至ることが多々あったのですが、本書を読んで改めてスッキリする部分が多くありました。“権内”とは自分の権内で起きていること、つまり自分マターの出来事。対して“権外”は自分マター以外のもののことを指します。

では、なぜその“権内”と“権外”を意識することが重要なのか、どんな場面でどんな時に役立つのか…。興味を持ってくださった方は、ぜひお手にとってみてください。

インタビュー形式で綴られていくので、カジュアルな会話文で読みやすく、説教くさくもなく、とても入り込みやすいと思います。

その② 細かな悩みにも応えてくれる『幸福論』

1928年に出版されてから現在まで、世界中で親しまれている古典本のひとつ、アランの『幸福論』。この本はその『幸福論』の93編の中から、一つ一つの問題に向き合った200のセンテンスをまとめた名言集です。

そのため、“1ページに1名言”とこの上なく読みやすい構成になっており、フルバージョンで読む前に、まず本書を読んでみることをおすすめしたいと思います。

本書を一冊持っていれば、恐らくどんな悩みや問題、不安にも対抗できる気がします。扱うテーマはとても幅広く、「不安と感情について」という最もダイレクトな問題から、「自分自身について」、「人生について」、「仕事について」など様々。

カテゴリーごとに分かれ、さらにそこから細かい悩みに対して、アランの気の利いた言葉や真理、深い考察などが紹介されています。今の自分が抱えている問題と類似しているチャプターから読み始めることのできる本です。

文字を目で追うだけで、自然と自分の脳がそこに書かれた言葉を理解して、スーッと胸の内にあったモヤが晴れていく感じを味わうことができます。まさに、“人生の知恵”が詰まった一冊。

その③ 恋に悩むとこの本に立ち返りたくなる!『愛するということ』

最後にご紹介するのはこちら、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』も何年にも渡るベストセラーです。これまで紹介してきた本よりも、一つのテーマ、つまり「愛」にフォーカスした内容になっています。

正直、人生の悩みの中で恋愛関係のものって大きな割合を占めていませんか?

私自身、愛だの恋だのを考えることが多く、色々分析しては余計に頭を抱えてしまいがちです。相手は私のこと、どう思っているのだろう? 好きなのかな? 友達と恋人の違いってなに? ってか、もはや愛とは……(白目)。

そんな風に、一度でも悟りモードに入った女子に、間違いなくおすすめできるのが本書。まずは、自分自身が愛をどう捉えているのか。そして、どう捉えるべきなのか。そんなことを考える手助けをしてくれます。

しかも、「愛」について深堀りしていくと、結局のところ、その人のこれまでの歴史や生き方、社会の構造についてのようなテーマに繋がってくるんです。

「愛」を語る時に切っても切り離せない「性欲」の話とか、ではなぜセックスレスになっていない夫婦やカップルが「仲の良いカップル」とされていたのか? といったことなどを説いていて、非常に興味深い一冊だと思います。

読むと、もしかしたら今あなたが彼氏や好きな人に対して抱えていた悩みが解決するかもしれません。

ゴキゲンになるために今、読書をすすめたい

本を読むことは、それが例え小説だろうが自己啓発本だろうが、学校のテキストブックだろうがエッセイだろうが、全てが「教科書」になるものだと私は考えています。

そこから、あらゆる人物の言葉を読み解くことで自分自身の考えや知恵が深まる。そうすることで、何か悪いことが起きたり、不安や悩みを抱えたりしても自身で解決して、ゴキゲンになれるのだと思います。

もし、メイクやファッションが外側の武器だとするのなら、読書は内側の武器を磨くことなのかもしれません。

アナイス