こんにちは、アナイスです。

“イケてる女の子”と聞いて思い浮かべるのは、いつだってスクリーンの中にいるあの娘たち。日常にいそうで、いない。でも、よーく探したらいそう。そういう、女の子に惹かれてしまう。

例えば、コミュニケーション能力が高くて、周りに友達も多いのだけど、家に帰ったら何しているんだろうっていう、人に余白を与えるミステリアスな娘。もしくは、普段はあまり喋らないのに、実は誰よりも情熱的な心を持っている娘、とか。

そんな風に、人に「いいな、あの娘」と人目置かれる、アイコン化しているような彼女たちって何が魅力的なのか。

今回は、私が惹かれる4人の映画キャラクターをご紹介! それぞれのアイコニックな外見の特徴とパーソナリティを掘り下げながら、彼女たちの素敵な部分を考えてみたいなと思います。

野生的かつ知的に『オン・ザ・ロード』

最初にご紹介するのは、ビート文学で知られるジャック・ケルアックによる著書『路上(オン・ザ・ロード)』を原作とした、ロードムービーに登場するヒロイン、メリールウ。

実在するルアンヌ・ヘダーソンをモデルにしたこのキャラクターを演じたのは、クリスティン・スチュアートです。この子は、10代の頃に感銘を受けた、私自身のアイコン。

主人公の若き作家志望のサルが出会った16歳の少女で、クレイジーな男ディーンの妻でもあります。二人のこの男と共に行動する彼女は、感受性が豊かでかなりワイルド。

風来坊なディーンに負けず劣らず、危うくて、純粋で、挑発的。それと同時に、旅の途中にマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の一篇「スワン家の方へ」を読むという、文学的な一面もある。

基本的に飾らないし、化粧っけだってない。完全にその「雌らしさ」を纏っているだけで、ここまで美しい彼女がとても素敵なんです。細かいストライプの服にジーンズで、車に腰掛けて読書する姿が一番好き。

リアリストなフェミニンガール『(500)日のサマー』

実は、公開して10年以上が経っている(!)、最も知名度の高い恋愛映画の一つである『(500)日のサマー』のヒロイン、サマーも好きです。

映画の主人公のトムは、誰もがそうであったように、モテ女子なサマーに恋をします。彼女自身とびっきりキュートで、淡い色合いが好きそうなクリーミーな雰囲気。

しかし、その正体は「愛なんてものは存在しない」というリアリスト! 好きな音楽はThe Smithというギャップも、良い!

私はとにかく、サマーの“女の子を謳歌する”姿勢がとても好きです。

例えば、普段から髪をポニーテールにまとめたり、カチューシャでアレンジしたりする。そして、オフィスではシャツやパンツスタイルだけど、休日はガーリーなワンピースを着るなどTPOを分けながらファッションやヘアメイクで女の子を謳歌している感じ。

そして、トムのことは「友達」って言っておきつつ、イケアやレコードショップ、公園と様々な場所でデートを楽しむ。

手を繋いだり、キスをしたり、シャワーセックスにも挑んだり、恋愛面でもガンガン女の子を楽しんでいる姿勢が好きです。トムは心底かわいそうだけど。

ジェンダーレスで、自分の好きに正直『スケートキッチン』

本作は、実在する女の子だけのスケートグループ「スケートキッチン」を題材に、実際にそこに所属する女の子たち自らが映画の登場人物として出演した、極めてドキュメンタリーに近い作品。

その主人公であるカミーユが、とにかく好きなんです(笑)。主に男社会なスケボーの世界で、女子の自分だって同じようにスケートを楽しみたい。そんな葛藤を抱えたカミーユが、同じような女子のスケート集団に出会い、居場所を見つける。

カミーユの見た目はほぼ、演じるレイチェル・ヴィンベルグ本人の普段通りのルックス。クリアなメガネでほぼスッピン、基本Tシャツにパンツスタイルというジェンダーレスなファッションです。

私自身、子供の頃から男の子趣味で、男の子に混じって遊んでいたこともあり、ちょっと親近感が湧いちゃうキャラ。「女だから」「男だから」とか性別関係なく、好きなものに正直でいる子はいつだって魅力的!

真っ赤な情熱を秘めたドリーマー『アメリ』

「アメリ・プーランの素晴らしい運命」という原題の通り、主人公のアメリという一人の女性の日常と、静かに起きた革命的な出来事を描いた作品『アメリ』。

彼女と言えば、特徴的な眉上カットの黒髪ボブ×赤いリップ! 公開当時の流行も巻き起こしたほどのアイコニックなヘアメイクですね。

まさに彼女は、そういう自分のスタイルを持つ個性的女子の代表ですが、それが単にルックスだけではないという点も人から愛されるポイント。

この映画全体を通して描かれるのは、アメリの“日常の中に潜む小さな幸せ”を一つずつ丁寧に感じとる暮らし方なのです。

アパートの壁から、昔の住民のものだと思わしき宝箱を見つけ、それを届けたことでアメリは人が少しだけ幸せになれるような助けをしようと心に決める。

それと同時に、自分も本当の恋に落ちるために殻を破ろうと奮闘するのです。一見、妄想好きで人とコミュニケーションをとるのが苦手な彼女。しかし、実は誰よりも情熱的なところを持っている女の子って、愛くるしくてたまらない。

4作品のヒロインの共通点は、「ブレない自分」を持っていること

さて、この4名ですが共通してみんな、ファッションやヘアメイクが自分のキャラクターと徹底している、つまり「ブレない自分」を持っているキャラクターなのです。

流行りのヘアメイクや、誰かが着ていた服を好むというより、自分自身をしっかり理解していて、それが自ずと服に表れている。

今や“個性派ファッション”は大量生産型とも揶揄されていますが、彼女たちはそういう、真の意味での「個性」を持つ女の子たちなんですよね。だから、魅力的でイケてるように見える。彼女たちを、真似したいと人が思うようになるのではないでしょうか。

ただ、そこで完コピすると話が違ってきちゃう。結局、それはやはり単なる真似でしかなく、個性ではない。結局彼女たちのようになるために大事なのは、やはり自分も、自身のことを理解して、自分のパーソナリティに似合うものを選び取っていくことなのです。

アナイス