正誤あいまいなバストアップのウワサを滅多斬り!

"バストの名医"上原恵理先生が、おっぱいを医学的に解説。

正しいバストの知識を身につけて、美乳に育てるレッスン始めましょ♡

最初に知っておきたいおっぱいのオハナシ

笑っている上西星来。ar2月号より

大きくなりたい欲求で胸を痛めつけないように!

胸の大きさは遺伝です。それと脂肪の量で左右されるので、太れば大きくなる、やせたら小さくなるという仕組みです。人間の身体は部分ヤセできない構造で、全身の脂肪は平等に増減します。だから、「胸だけ太る」ことは残念ながらできません(※結論出ました!が、続けます)。脂肪量の少ない細身で巨乳の方は胸の構成要素である乳腺が生まれつき大きい。乳腺は硬いので、柔らかくするためにむやみにもんだりすると、30歳を過ぎて垂れやすくなるので注意してくださいね。今から胸だけ太ろうとせずに、谷間がほしいならブラジャーで寄せて、その瞬間だけふっくら見せましょう。

"寄せれば大きくなる"そんなマッサージは危険かも

背中やお腹の肉を寄せ集めるマッサージで脂肪が移動するというウワサがありますが、それはまったくの嘘。むしろ強い圧でマッサージなんてしたら、胸の形を維持しているクーパーじん帯が損傷してバストラインが崩れてしまいます。ブラに寄せる時も胸を強く引っぱったりせず、優しく扱ってください!

バストトップの色の濃さは女らしさの象徴です

バストトップの黒い色は女性ホルモンが影響するもの。人間も動物なので、生殖活動に適した年齢だというアピールなんです。それと授乳期も、赤ちゃんのための目印として色が濃くなります。授乳が終わるとだんだん薄くなり、閉経後は嫌でもピンクを越して肌色になりますよ。もちろん地肌の色素で個人差はありますが、黒ずんでいるのはいいことで、女ざかりの証拠。「ピンクの乳首じゃない…」なんてコンプレックスに思わなくていいんです。

胸の下垂を予防して形を保つケアは大事

ブラジャーで胸の重みをサポートしないと、重力から胸を支えているクーパーじん帯がだんだん切れるなどして、下垂が進行します。将来的にキレイな胸の位置を保つには、ブラジャーで位置を固定してあげることが必要。Cカップほどであれば、昼夜ユニクロのブラトップのような機能性インナーでも対応できます。ご自身の胸の大きさに合わせてホールドできるアイテムを選んでください。

大胸筋を鍛えることが第一歩に

バストを育てる効果があるとしたら、大胸筋。胸の前で手を合わせるだけでなく、ちゃんとトレーニングすれば少しは胸が底上げされます。それと、女性ホルモンの作用によって乳腺が大きくなるのも確か。女性ホルモン様作用のある大豆イソフラボンを摂取するとバストアップ効果を期待できます。ただし、イソフラボンは腸内で分解されるとエクオールに変化するのですが、人口の半分はその代謝ができないと言われています。だから一生懸命に大豆製品を食べても効果を感じられない人はいますし、代謝できてもバストサイズがAからDになるような劇的な変化はありませんので、あくまでバランスのいい食生活を心がけてください。

サイズを気にするより抱きたくなる肌に整える

たくさんの女性の患者さんを見ていると、100人に1人くらい〝抱きたくなる肌〟を持っている人っているんですよ。本当にきめ細かで吸いつくようなしっとり感がある特別な肌感は、同性から見ても魅力的ですよ。だからサイズにとらわれず、保湿に注力するのがおすすめ。バスト専用じゃなくても、ボディクリームを全身と一緒に優しく塗ってケアしてみてください。

ベアトップを着ている上西星来。ar2月号より

自分のおっぱいのありのままを愛しながら美バスト目指しましょ♡

教えてくれたのは 上原恵理先生
形成外科学会認定専門医、美容外科・皮膚科医。豊胸や乳房再建手術で指折りの実力を誇る。肌ケアにも定評があり、THE SKIN CLINIC神楽坂の顧問を務める。tsc-kagurazaka.jp
Model:上西星来
Photo:Toge Yuzo(model)、Otake Miyuki(still)
Styling:Ishikawa Miku
Hair Makeup:Akiyama Hitomi(PEACE MONKEY)
Illustration:murayoko
Text:Iida Honaka、ar