女の子たちが抱えるセックスのお悩みについて、性の電話相談カウンセラー・西郷理恵子先生が答えてくれる連載! 誰にも言えないような些細なセックスの悩みも、先生が送るやさしいエールで解消して、「夜が待ち遠しくなる…」そんな性活を送りましょ♡♡
彼が私の中で一度もイッたことがないのは、私の魅力不足?
「彼が私の中で一度もイッたことがないのは、私の魅力不足?」という悩みについて考えてみます。ar編集部からは、こんなお題をいただきました。
「交際して1年半で、31歳の彼と現在、婚約中です。仲は良いのですが、彼はセックスで一回も私の中で最後までイッたことがありません。彼は、多くを語らず『俺は大丈夫』と言います。
『できれば私の中でイってほしい。私にできることがあったら言って』と伝えているのですが、彼は何も話してくれません。最初は遅漏なのかなと思っていましたが、挿入後30分以上経っても、彼は射精する気配が全くありません。
もしかして、私のアソコの締まりが良くないのかなと思うと私も怖くてそれ以上は、聞けません。今は、私がイッた後に、私が彼のモノを手で処理しています。
プロポーズしてくれたのは嬉しいのに、このままだと将来は子どもが望めないのではないかと暗い気持ちになってしまいます。どうしたら良いでしょうか?」(えりな・32歳・保育士)
幸せいっぱいのはずなのに、彼とのセックスのことで、気持ちが晴れずに悩んでいるんですね!彼の症状は、典型的な膣内射精障害(ちつないしゃせいしょうがい)と思われます。
なんだか難しい用語のように思えますが、つまり女性の膣の中ではイクことができなくなってしまっている症状のことです。
実際、私の電話相談では、えりなさんのような女性側と、膣内射精障害の当事者である男性側と、男女双方から相談を受けることが多々あります。妊娠を目的としないセックスならば、必ずしも毎回挿入や射精にこだわらなくても良いと思います。
しかし、一度も膣内での射精がないと、女性は将来の自然妊娠を考えて不安になってしまうのも当然でしょう。
では、「なぜいつまでもイってくれないんだろう?」と自分の身体かセックスに問題点があるのではと思うかもしれませんが、「あなたの魅力が足りない、あなたのテクニックが足りない」という可能性よりも、男性が1人でオナニーをする時のやり方に原因があるケースが大変多いです。
マスターベーションの時に、膣では感じなくなるような間違ったやり方をしてしまっているんです。
一つ目は彼が自分のアソコを物凄く強く握りすぎていて、膣の圧力では物足りたくなっている場合です。二つ目は、実は手以外のものにハマってしまっていて、女性の下着、ストッキングを使う男性もいます。仰向けで畳や布団にこすりつける「床オナニー」もその典型。
でもあなたの彼氏だけが特殊なんじゃなくて、膣内射精障害の男性には必ずといっていいほどやっている、メジャーなクセです。
男女ともに自分の自慰のやり方を他言することは滅多にないですよね!そのため、長い方では10年以上も、特殊な自慰のスタイルを経験してしまっているのです。
好きだから、ずっと一緒にいたいからこそ話してみること
さて、そんな彼の症状に対する解決策は、ズバリ彼のオナニーのやり方を変えてもらうことです。でも自慰の方法を変えても、実際に、膣で射精できるようなるまでは個人差があります。
早い人で3ヵ月以降、遅ければ2年以上かかる場合もあり、女性の年齢や妊娠を希望する時期によっては、医師からは、膣内射精障害を治すよりも、不妊治療を提案される可能性もあります。
たとえば、セックス後のまったりタイムに、彼に「そういえば、ネットで膣内射精障害という言葉を知ったのだけど、聞いたことある?一人でする時はどんな感じなの?」と会話してみてください。
どんな風に彼に伝えたら良いか悩むかもしれませんが、性のことだからと特別視せずに、むしろ堂々と明るく会話することです。彼もあなたに話したいことがあるかもしれないので、彼の話もじっくり聞いてあげた後、泌尿器科の受診を勧めてみましょう!
楽しいセックスや将来の妊娠に関わる話をするのは、長い結婚生活を幸福に暮らす上でも、とても大事なことです。結婚前の、最初の練習だと思って取り組んでみるといいかも。デリケートだからと問題を先送りにしないで、まずは頑張って話してみよう!
TEXT/西郷理恵子さん
東邦大学医学部医学科客員講師。日本性機能会会員、日本性科学会会員。月100人を超える男女に恋愛や性に関する電話相談を行う。企業や地方自治体向けに研修・講演会なども実施。All About恋愛ガイド。
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