毎週連載「ティモンディ前田裕太の乙女心、受け止めます!」開始1年越えを記念して、ティモンディ・前田裕太さんのarweb特別ロングインタビューを実施。

ティモンディや高岸さんへの愛はもちろん、前田さんの過去や人生を深掘りしたお話を、前編と後編にわたって大公開します!! どこかエモくて色気漂う前田さんの素敵ショットと共にご覧あれ♡

【過去の連載はコチラ】→前田裕太「恋愛してなきゃダメ?それって誰が決めたの?」

前田裕太「ティモンディとして、心が折れそうになったことはありません」

―芸人としてたくさんご活躍されている中、忙しさや増え続ける人気に心が追いつかないなんてことはありますか?

「全然! もっと来いよっていうのはありますね。むしろ心や気持ちは何メートルも先にあって、技術や肉体的な部分が追いついていないです。目指す先は憧れの先輩サンドウィッチマンさんなので、そこにティモンディも行く前提で逆算したり色々考えていたりはするんですけど、体がついてきていないって感じですね。技術だったり、経験だったり、色々あるんですけど。ただ、具体的な目標を立てないと行動に移せないだろうと思うから、心はだいぶ先に置いています。達成できなかったときの恥ずかしさはすごいですけど(笑)、自分自身がはっきりと目標として置いているので、恥ずかしがる方が自分に失礼なのかなって」

―確かに……。目標を達成するまでのプロセスは、相方の高岸さんとお話されたりも?

「ある程度任せてくれているので、全部自分でやっています。まぁ、説明しても分からないっていうのもありますね。例えば、思考の順が10段階あったとして、1段階目を理解させるのに2〜3日かかったので、もうしんどいな!と思って(笑)。でも、コンビとして心が折れそうになったことはないです。僕がたくさん考えたという事実がある分、これだけ考えたと自信を持って言えますし、コンビでこっちの方向に進みたいときちんと考えていれば、その方向にきちんと飛べるんだろうなと思っています」

前田裕太「高岸とコンビを解散するなら、芸人は続けないかも」

―一言では言い表せないお二人の関係性ですが、ティモンディというコンビを表現するとするならば、どのような言葉を選びますか?

「う〜ん……今や、普通の友人ですかね! 前までは、高岸が芸人という道に誘ってくれなければ別の人生を歩んでいたし今の仕事はなかったから、恩を返したいなというのは思っていましたけど。高岸がやりたい仕事ができるようになったら、俺を誘ってよかったって思うんじゃないかな、みたいな。でも、始球式も実現できたし、今は純粋に、ティモンディ=友人な気がします」

―高岸さんと喧嘩をされたりはないんですか?

「ないですね。学生時代からなかったような気はしますけど、良いところも悪いところも昔からわかっていたのが良かったのかもしれない。だから、もし僕らのコンビが仲悪くなるんだとしたら、それは友人としての関係が悪くなったときなのかなって思います。そこが崩れちゃうと別に誰でもいいやってなっちゃう気がするし、ティモンディは友達、という感じがある意味、コンビでいるときの心の置き方ですね。もし高岸とコンビを解散するってなったとしたら、芸人を続けるよりも、僕が普通に歩もうとしていた道に行くんじゃないかな。もし需要があれば天秤にかけることにはなると思いますけど(笑)、もともと本来はなかった道ではあるので。誘ってくれた人が高岸だったというか、高岸から誘われてしまったというか、どういう表現が正しいかわかんないですけど(笑)」

前田裕太「まだまだ成長段階。応援し続けてもらえるのかは不安です」

―人気が増えていく上での葛藤、ありますか?

「サンドウィッチマンさんを目標としているのもあるので、まだまだ足りないものばっかりだなぁと思ったりはします。応援してくださる方がいてくれるのはすごくありがたいんですけど周りに誇るほどのものはないですし、まだまだ先。僕らは成長段階にいるので、今を好きになってくださったとしてもどこまでついてきてくれるのか、応援してくれるのか、変わっちゃうかもしれないなという不安はあります。街で声をかけてくださることもありますが、サンドウィッチマンさんなんて比べ物にならないくらい、人がわぁ〜って群がってますもん!」

―(笑)。ティモンディさんもこれだけ人気なのに、おごらないのが素敵です。

「もしサンドウィッチマンさんぐらいの立ち位置になれたら、めちゃくちゃ傲慢になる可能性があるかもしれないですけど(笑)。それだけ人が集まってきても、分け隔てなく対応されているお二人の姿を見て、人としてこうなりたいなと思ったんですよね。それに、どちらかというとおごるよりも、勘弁してくれ〜って感じです。僕らは2015年に結成してまだ7年目なんですけど、今は10年目、15年目の方達が若手って言われたりして、僕らより倍以上の経験値がある方が同じ空間にいるんですよ。小学生と大学生が同じ場で野球をして、監督から同じように評価されなきゃいけないみたいな感じなので、もうちょっと実力をつけさせてくれ〜って思ったりもします(笑)」

前田裕太「サンドウィッチマンさんが、僕らの価値を作ってくれている」

―芸人駆け出しの頃を振り返って、考えていたことはありますか?

「テレビに出る前から、『テレビに出てから変わるんだったら、今から変わっていないといけない』ということは高岸にもずっと言っていました。例えば、今までBの選択肢を選んでいたのに、売れてからAの選択肢をする人なのであれば、売れる前からAの選択肢をしておかないと対策もできないし、データも取れない。売れてから急に変えるのは遅いというか。先を見て、“自分たちはこうなりたいから、売れても変わらないようにするには何をすれば良いのか?”というところは考えていました。だから、逆に今も変わらないですね」

―なるほど……! その考えは、高岸さんにすんなりと伝わりました?

「時間はかかりましたねぇ。『どういうこと?』って(笑)。おそらくスターの方って、元々ダイヤだったけど、みんなが値段をつけていなかっただけで、石自体が変わっていくのは違うんですよね。矢沢永吉さんだとしたら、オファーが来ていない頃から、ずっと矢沢永吉さんなんですよ。売れていなくても価値があると思ったものの形や値段を、自分たちでやろうって。誰も入札してくれていないけど、この形が価値のあるものだと信じてやっていこう!という話をしていました。当時高岸は、なんのこっちゃわかっていなかったですけどね(笑)」

―スターのご説明、とてもわかりやすいです! ちなみに、前田さんが思うティモンディの価値ってなんだと思いますか?

「周りの方々の存在が、そのまま僕らの価値になっている気がします。一番はやっぱり、サンドウィッチマンさん。お二人の背中を追っているので、サンドウィッチマンさんがやっていることが間違いなかったっていうことなのかなって思うんです。それこそ、テレビの仕事がないときからやられていた地方のラジオを今でも大切に続けていたり、大小を考えてお仕事をやっていらっしゃらないじゃないですか。同じ事務所にいる方々を含め、素敵な見本となる方々がそばにいて背中で教えてくれているので、この姿勢が価値のあるものなんだろうなと思っています」

ミニオンと内田理央の最愛コンビに思わずメロメロ♡

Photo: Matsumoto Yutaka
Text:Natsumi Takahashi(Instagram @spacy72.store