僕のあまのじゃく#33
ティモンディ前田裕太さんの人気コラム【前田裕太の乙女心、受け止めます!】がリニューアル。
ガラリと雰囲気を変えて、毎週変わるお題に沿って、前田さんに自由に言葉を紡いていただくフリースタイルエッセイ【僕のあまのじゃく】をお楽しみください♡
前田裕太(まえだ・ゆうた)
PROFILE:1992年8月25日、神奈川出身。グレープカンパニー所属のお笑い芸人ティモンディのツッコミ、ネタ作り担当。愛媛県の済美高校野球部に所属した同級生・高岸宏行が相方で、2015年1月に結成。2人の野球経験を活かした『ティモンディベースボールTV』の登録者数は23万超え。ar web連載『僕のあまのじゃく』では、フリースタイルエッセイを毎週お届け中。
テーマ:「うなじ」
うなじが魅力的だという意見が理解できない。
首元がセクシーだという男性がいるのだけれど、首から一体何を連想しているのだろうか。
私もなかなかな変態であるけれど、綺麗なうなじだからといって、興奮できる男性は変態の成れの果てである。
相手にしてはいけない。
ただ、調べてみると、一定数の男性は綺麗なうなじに興奮を覚えるらしい。
おそらく、昔も昔の話であれば、和装をしている時に、女性の露出して肌が見えるのが首元程度で、素肌を連想させるのがうなじくらいしかなかった歴史があるからということなのかもしれない。
ただ、今の世は令和である。
何を今更うなじが綺麗だからと言って興奮することがあろうか。
だったら、腕も脚も肩も人と服装に応じて様々な部位を露出している人がいるし、興奮するポイントはもっとたくさんあるだろう。
まあうなじも綺麗に越したことはないのだろうけれど。
私は、肩や鎖骨ひいては脚にフェチズムを感じる。
綺麗なうなじに興奮するのが江戸時代の男性であるならば、今を生きる私に取っては肩や鎖骨こそがうなじなのだ。
悲しいことに、私は高校時代に身体を鍛えすぎてしまって、いくら運動から距離を置いても、負の遺産として肩や胸についた筋肉が落ちてくれない。
風呂上がりに自分の身体を見て「いや、プロレスラーか」と呟く夜も少なくない。
文字に起こすと、私はなんて悲しい夜を過ごしているのだろう。
目も当てられない。
だからか、恋愛対象には、自分にはない女性らしさをそこに求めてしまっているのかもしれない。
人間とは、どこまでも隣の芝は青いと感じてしまう生き物なのだろう。
ただ、どうだろうか。
風呂場に立つ自分を見て思う。
男性こそうなじを磨くべき
うなじがうんぬんという話を簡単に片付けてしまったけれど、うなじが綺麗だと魅力的であるのは、女性に限る話ではないのではないだろうか。
自分の首を見て思う。
無作為に生え散らかしていて、清潔感がない。
男性はうなじと無関係である、とどこか思っていたけれど、自分のうなじの生え際を見て、なんなら、うなじに気を使うべきは男性なのではないだろうか、と感じた。
男性は短髪の人が多いから、なんなら女性よりも首元が見える頻度は高い。
そこを手入れしている人であるならば、色々なところにも気が回る人なのだろうと予想がつくし、定期的に美容室など身だしなみに関わるものに気を遣う人なのだということも分かる。
うなじは、男性こそ清潔に、綺麗に保つべき場所なのだ。
私は、何をうなじに興奮する人を変態だと罵ってしまっていたのだろうか。
見当違いも甚だしい。
うなじは、身体の細部まで気をつけているかどうかのチェックポイントなのだ。
自分のフェチズムを余計に晒してしまっただけではないか。
読者諸兄姉も、相手が身だしなみに気を遣っているかは、うなじを見るのを
1つのチェックポイントとして見ておくのもいいだろう。
私は今から剃刀を買って手入れをしたいと思う。
ー完ー
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