青戸しのが乙女の憂鬱に寄り添うコラム連載!

”女の子の憂鬱に寄り添う”がテーマのarwebコラム連載「今日は乙女休みます」。毎回違うテーマに沿って紡がれる青戸しのさんの言葉にちょっと身を委ねてみて♡

【男女の友情は成立する?】質問箱に届いた「彼氏の女友達を抹消したい」その嫌悪感の正体は…

第五回のテーマは失恋から立ち直るまでの過ごし方。辛い失恋の期間をどんなふうに過ごしたらいいの?

「結局時間でしか解決できない」失恋から立ち直るまでの過ごし方は?

失恋において最も相性の悪い季節は夏だと思う。

冬ならまだいい。寒さで匂いが薄れるから記憶装置が作動することが少ないし、秋はご飯が美味しい。春は何かと出会も多いので前向きな別れには妥当な季節だ。
半分は本当、半分は嘘。
夏は何かと感傷的になりやすいけど、失恋はいつの時代もどんな季節でもやっぱり辛い。
前向きな別れなんて夢のまた夢だ。

青戸しの

初めに伝えておきたいのだが、今回の議題は「失恋の立ち直り方」ではなく「失恋から立ち直るまでの過ごし方」だということ。
身も蓋もないことを言うようで申し訳ないが、結局この類の傷は時間でしか解決できない。
例えば、「元恋人を忘れるために一日一本映画を観よう」と心に決めたとして、これだと傷口に粗塩だ。
逆に「暇だと苦しくなるから映画でも観るか」は花丸。

何かを忘れるための行為は何かを思い出す引き金になってしまう。
寂しさはかき消すよりも寂しさとして飼い慣らす方が得策だ。
恐らく誰に相談したとしても、似たようなアドバイスが返ってくるだろう。

青戸しの

ギャルに聞いた失恋後の過ごし方は”儀式をする”!?そのワケとは…

ここで完結するにはあまりに内容が薄すぎるので、数少ないギャルの友人に意見を求めてみた。
「失恋した後ってどう過ごしてた?」
「なに、失恋したの?今夜空いてる?」
情に厚くてフットワークが軽すぎる。来世はギャルと結婚しようと心に決めた。
「してないけど、記事が行き詰まって…」

なるほどね〜と相槌を打ったあとに少し間を置いて「儀式」と彼女が言った。
儀式…?すかさず脳内で『ミッドサマー』が上映される。聞き間違いであってくれと願いながら「それはどのような…?」と丁重に聞き返した。
「お葬式と似たような」更に困惑する私を他所に彼女は続ける。
「別れた後、写真を消したり、荷物をまとめたり、歯ブラシ捨てたりするでしょ、それが儀式」
「なるほど」

「で、その後は思う存分悲しむ、良い人だったな、でももう二度と会えないなって自分に言い聞かせて日常に戻る」
「戻れる?」
「すぐには戻れないよ、悲しくても、涙が出ても喪中だから仕方ないかって言い訳して、どうかこの恋が成仏してくださいって願うだけ
来世はギャルじゃなかったとしても彼女と結婚したいなと軽率に思った。

別れを告げられた側は上手く失恋することが出来ない。

誰かで埋めてみても、趣味に没頭してみても、それでも前に進めないのなら、足りないものは悲しむ猶予かもしれない。
絶望は期限を定めると途端に希望になったりもする。

焦らなくても大丈夫、誰かに足止めされてるわけじゃない。
これから先、人生の決定権は全て自分にあると、自信を持って。

青戸しの
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