【推しの子】作者が語る今のアイドルのカタチ

芸能界やアイドルの舞台裏をリアルに描いた超話題作!

現在アニメも放送されている『【推しの子】』の原作者・赤坂アカ先生、作画・横槍メンゴ先生をお招きして、今のアイドルについてたっぷり語っていただきました。

©︎赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社

(こちらもチェック)鈴木愛理「この声はマジで大事にしないといけないよ」後輩・上國料萌衣へ贈る言葉がイケメンすぎる

〝人を好きになる〟という感情を描きたかったんです

©︎赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社

赤坂 【推しの子】は芸能界を深く、多角的に描きたいっていう思いが最初にあって。その中でアイドルをひとつの軸にした理由は、〝人を好きになる〟っていう感情をまず柱にしたかったからかな。そういう憧れや崇拝の象徴としては、俳優や女優よりもアイドルっていう概念が一番しっくりくると思ったんです。

横槍 アイドルものをやりたいっていう話を聞いた時は、アカ先生もともとアイドル好きなのかなって思ったら…。

赤坂 いや、全然なんですよ。でも調べ始めたらまんまとハマった、というのはちょっとありますね。

横槍 私は10代の頃からアイドルのライブに行っていて、完全にアップフロントの者なので(笑)。この特集(2021年ar11月号『世界イチ可愛いアイドルのセカイ』企画より)にも、かみこと愛理が!♡

赤坂 ほら、この温度感。僕はメンゴ先生のように詳しくないんです(笑)。

横槍 ネットを見ると「(主人公のひとり)ルビーは絶対かみこ」って言われていたりするんですよ。愛理もすごい人。地球上で一番可愛いんじゃないかな。

赤坂 僕はアイドルを知らない側の視点から勉強を始めて、段々と二人のすごさを知っていったというか。

横槍 でも私もめちゃくちゃ詳しいわけではなくて、ライトなハロプロ好き。アカ先生はどちらかというと坂道好きだから、お互い対照的なものが好きっていうのが、いい感じに作品に生きているなって思います。

リアルな取材から感じた今求められるアイドルのカタチ

©︎赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社

赤坂 僕らは二人とも映画やドラマといったメディア化の経験者で、タレントさんにお会いして、生の声が聞けるようになった。そういう意味では、リアルな取材をさせてもらっているよね。

横槍 アカ先生はアイドルを勉強して、印象は変わった? 

赤坂 僕的に大きいなと思ったのはネットかな。今のアイドルはネットと切り離せない存在になったなと。

横槍 それは私も感じる。セルフマーケティングの時代ですよね。【推しの子】の中でもYoutubeから名前を売って、売るにしてもコラボからっていうリアルな客層の広げ方は今っぽいなと思うし。

赤坂 昔は地道に路上で「よろしくお願いします」って劇場に客を呼び込むみたいな。そういう時代があったと思うんです。でも今はネット発ができるからね。

横槍 それに私が想像する昔のアイドルっていうと、大きな芸能事務所が作り上げるというイメージだったから。

赤坂 そうそう。広告代理店とテレビ局と事務所がなければ成立しなかったものが、今はそうとは限らない。

横槍 あと私はソロアイドル全盛期の世代なので、ピンでもやっていけるような強烈なカリスマ性は、逆に求められていないのかなと思うこともあって。アイドルのカタチは変わってきているなと思いますね。