ドラマ『いちばんすきな花』最終話を考察!

放送中のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。誰もが一度は考えたことのあるテーマ”男女の友情”を題材にした本作について、コラムニスト・DJあおいさんに見どころや登場人物の心情について、考察してもらいました。

(こちらもチェック)【ドラマ・いちばんすきな花】『男女の友情は成立するのか』第10話から見えたテーマの"答え"とは?夜々(今田美桜)と紅葉(神尾楓珠)の行動に納得【DJあおい】

椿ハウスを出る=場所に囚われず”本当の自分”を出す決意

美鳥(田中麗奈)が四人のために家を譲るということもなく、誰かと誰かが恋に落ちて結ばれるという展開もなく、突然の病で主要キャラが死んでしまうといった展開もなく、ストーリー上の波乱はなし

ドラマチックな演出を排除した終わり方はため息が出るほど『綺麗』といった印象でした

10話までの流れ通り、美鳥は私塾を開講して、椿(松下洸平)ゆくえ(多部未華子)夜々(今田美桜)紅葉(神尾楓珠)の四人は束の間の同居生活を楽しみ、そして椿ハウスを後にする
各々が万感の思いを込め『お邪魔しました』と家に別れを告げるシーン
このドラマの法則では『またおいで』というレスポンスがあるのがお約束となっていますが、空っぽの家からは返事がなく、その代わりに幼少期の頃の四人が『またおいで』と言っているかのように手を振る

ここで『そうか、四人はここで子供に返っていたんだ』と気付かされました

社会における人間関係や恋人、そして夫婦などは時として大人であることが求められる
自我を抑制して『みんな』にならなければいけない場面もあるし、自分勝手な奔放も自重しなければならない、そこに大人としての生き辛さがある
友人という存在は大人である必要のない稀有な存在
各々が子供でわがままでありながら、各々がそれを許容し合える関係
椿ハウスは四人にとって子供になれる場所であったに違いない
その場所に別れを告げるということは、もう場所に囚われることなく、いつでもどこでも『本当の自分』を出していく決意があったのかもしれません

第10話の望月希子(白鳥玉季)のセリフ『みんなでいなきゃいけないのと、一人でいなきゃいけないの、どっちがしんどいんだろう』というセリフが思い出されます
もちろん簡単に比較対象にできるものでもないし、辛さの質も違いますが、おそらくは『どっちも辛い』が正解なのでしょう
どうせどっちも辛いのなら、自分らしくいられる方を選べばいい
大人の世界でも大人の不文律を弁えることなくわがままで自己主張の強い困った人もいますが、あれはあれで嘘偽りのないその人そのものなのでしょう

取り留めのない話を延々と喋り続ける椿は人によっては迷惑に感じるのかもしれない
気にし過ぎてしまう性格ゆえに友人の結婚式を欠席してしまうゆくえも人によっては非常識に映ってしまうのかもしれない
『画一的な女の子らしさ』を嫌い口が悪くなってしまう夜々も人によっては嫌われる対象になってしまうのかもしれない
空気を読まずに自分の都合を優先して同窓会の幹事を誰かに押し付ける紅葉も人によっては『薄情なやつ』に見えてしまうのかもしれない

でも、それが嘘偽りのない自分なら、きっとその価値観を分かろうとしてくれる人が現れる

どんなに大人として振る舞っても『みんな』に好かれることはないし、どんなに自分というものを表現しても『みんな』に嫌われることはないのだから
そのままの姿で花を咲かせれば、誰かにとっての『いちばんすきな花』になるのかもしれません

愛しているからこそ、順位は決められない

ずっと気になっていた『いちばんすきな花』というドラマのタイトル

たとえば私は映画と本が好きなのですが、「一番好きな映画はなんですか?」「一番好きな本はなんですか?」といった質問が一番困るんですよね
唯一無二の代わりの効かない絶対的な作品だから好きなのに、それに一番とか二番とかナンバリングをつけることはできないんです

強いて言うなら好きな作品は全て一番

椿は『花は好きだけど、花屋は嫌い』と言っていた
『一番好きな花は決められない』とも言っていた
これは椿が花を愛しているから言えた言葉だったのではないでしょうか

人も同じ、人を愛しているからこそ、一番とか二番とか、安易に優先順位は決められない
友人も恋人も先輩も後輩も、その人が自分にとって大切な人ならば、全ては等しく一番であり、それは何人いてもいい
さまざまな伏線回収が話題になっていますが、最終回にしてやっと『いちばんすきな花』というタイトルの意味が回収できたような気がします

最終回のサプライズはなんといっても藤井風さんご本人によるドラマの主題歌『Hana』の弾き語り
個人的には藤井風さんによるピアノ伴奏から突如として椿が歌い出し『お前が歌うんかい!』と全員から突っ込まれる展開を期待してしまいましたが、今となっては期待が外れて安堵しています

物語にとって音楽とは背景を彩る花のようなもの

藤井風さんの『Hana』は私にとっても『いちばんすきな花』のひとつになりました

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