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社会科見学で見えてくる!社会には、女性活躍推進を目的とした取り組みをしている企業がたくさんあるって知ってた?事業全体や福利厚生として取り入れている4社を徹底取材!
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あらゆる取り組みを実践!女性活躍推進に積極的な企業4選
TORIHADA
女性社員が長期的に安心して働くことを目的とした福利厚生「HADA+」を昨年導入!
What ’s TORIHADA
クリエイターDX事業を行なうベンチャー企業。社員の男女比は1:1。平均年齢28歳。
女性活躍推進リーダーの平山美颯さんを筆頭に、年齢や性別問わず平等にキャリアの挑戦をすることができ、長期的に安心して働ける環境を支援する福利厚生パッケージ「HADA+(ハダプラス)」をスタート。
TORIHADAのこだわり
女性社員の多くが女性特有の悩みを抱えながら働いていることに目を向け、人生のライフイベントを迎えながらキャリアを諦めずに挑戦し、活躍し続けられる環境を整えるため6つの制度をまとめた福利厚生『HADA+』を導入。
①F休(女性特有の体調不良時のための休暇)、②婦人科検診、③レディースデイ用品の完備、④キッズ在宅、⑤ピル代補助、⑥AMH検査など様々なライフステージの女性が活用できる内容に。
これらは誰もが利用しやすいような形になっていて、AMH検査やピル代補助などは女性が自分の身体と向き合うきっかけにもつながっています。内容は今後も随時アップデートを予定
スタートしたきっかけ
女性活躍推進リーダーである私が、自身の経験から女性に寄り添う新たな取り組みを会社に直談判。TORIHADAはキャリアを諦めたくない、成長意欲の高い女性が数多く在籍し、社員の平均年齢も若く、性別や年齢に関係なく挑戦と成長が評価される文化の会社です。
私自身、この会社で育休を含め20代のほとんどを過ごしてきました。そこで産後うつや、同じ境遇の夫よりもキャリアのチャンスがないのはなぜなんだろうという気持ちなど様々な壁や葛藤を経験したからこそ、女性に寄り添い活躍し続ける人を応援したいという組織への貢献意欲が高まった時期に社長の若井に相談したことから始まりました。
利用者の声
『HADA+』の導入をきっかけに、社員それぞれが女性特有の悩みに対する意識が高まったように感じています。特にピルの検討やAMH検査は人から実際に説明を受けて理解が深まるものだと思うので、このパッケージのおかげで自分と向き合う機会が増えたのではないかなと思います。
実際に女性特有の悩みについて相談に来る社員もいます。また、会社全体で女性社員に寄り添っていると意思表明したことにより、男性社員からネガティブな意見が少なくなりました。
逆に『HADA+』導入の背景や女性社員のことを理解するために、制度の内容を具体的に教えてほしいという声もあります。もちろんキッズ在宅などは、子どものいる男性社員も利用可能です。
当初の反応と課題
導入当時より、ほとんどの女性社員が何かしらの項目を利用しています。ただ、生理や出産はとてもセンシティブな内容であって『HADA+』について女性社員だけの説明会を実施した際に、マイクで話す声が男性に聞こえているのではないかと不安になる社員もいました。
だからこそ、その説明では謝罪から入り、より理解を深めてもらうために制度の意図をしっかりと伝えることを意識しました。
女性をサポートする制度は、全員が納得する内容で進めるには道のりは長いと感じましたが、リアルな声を聞くことができるからこそ、改善点があればできる限り対応したいと思っています。
今後の取り組み
今後はパッケージの内容をさらに充実させるため、卵子凍結や子連れ出社、男性社員へのサポートなど前向きに検討していきたいと思っています。
そして全社員が『HADA+』の制度を利用することによって、今後の人生のライフイベントに合わせて今よりも柔軟にキャリアを築ける環境にしていきたいと思っています
東京建物
ビル管理としての立場を生かし、テナントサービスの一環として生理用品の無償設置を実施。
What ’s TOKYOTATEMONO
来年、創立130年を迎える大手不動産企業。オフィスビルや商業施設、マンション、ホテル、都市の再開発などを手掛ける。
働き方改革に対応したオフィス設計、女性や多様な人が働きやすい職場づくりに力を入れていると注目を集めている。2023年より管理・運営するオフィスビルの一部にて、生理用品の無償設置を開始する。
東京建物のこだわり
アンケートをとった際にオフィスビルにおいてスマホを毎回トイレに持ち歩くのは不便という声が多かったため、共用部の洗面台のところに誰でも取り出せるアクリルケースにれて設置をしています。清掃員の方の補充の負担を軽減できるケースであることもポイントです。
また、ケースに目玉をつけたり、ナプキンも女性の気持ちに寄り添いカラフルなデザインのものを選ぶことによって可愛らしさを加え、親しみやすく気軽に使っていただけるような工夫も加えています。
実際に、そういったところについての評判もすごくいいです!
スタートしたきっかけ
『わたしの暮らし研究所』が実施する、生理用品設置を通じたDE&I(多様な人材が働く組織の中で、それぞれがいきいきと働き、成果を出し続けるための考え方)についてのコミュニケーションデザイン事業『LAQDAプロジェクト』に2021年から参画し、同プロジェクトの一環として、東京建物グループが管理・運営するオフィスビルの女性・多目的トイレに生理用品の無償設置をスタートしました。
生理用品の設置をきっかけとして、女性が安心して働ける環境の整備とDE&Iの浸透を目指しています」
利用者の声
女性特有の健康課題である生理に関するセミナーを実施したところ、女性だけではなく男性からも『女性特有の健康課題を学ぶ機会となりよかった』という声をいただきました。
セミナーの後は必ずアンケートを実施しており、その中でもやはり〝生理が急に始まってしまった〞というところに不安を感じていた方が多かったです。
心理的ストレスを抱えていた方々から、トイレに生理用品が設置されたことにより『安心して働けるようになった』『急な生理の時に助かった』という声は多くいただいています。
生理用品について男性からの理解が難しいと考える方も多いと思うのですが、私たちは男女それぞれが互いの悩みに気づき、サポートできる社会をつくりたいという考えが根底にあります。
当初の反応と課題
最初は我々役職員が働いている本社ビルで試験的に実施し、そこから女性役職員の率直な声を落とし込み、現在は約30物件に生理用品を設置しています。
設置にあたって、ビル管理会社やナプキンを補充する清掃会社の協力も不可欠でありましたが、2年ほどかけて関係者に取り組みの意義を丁寧に伝え、主旨を理解し共感してくださったことによって設置物件を増やすことができています。
生理用品を設置して終わりではなく、どういう目的で置かれているのかという点についても利用者にしっかり伝えていきたいという思いがあります。そのためにセミナーの開催などを通じて、テナント様とも継続的に意見交換をしています。
今後の取り組み
現在は女性用の生理用品だけですが、一部の物件ではテナント様からのご要望により、男性トイレにもサニタリーボックスを設置しました。
時代の変化に合わせて、必要とされているものが何か、お客様が求めているものは何か、常にアンテナを広げておくことが大事だと感じています。
この取り組みをきっかけに各企業側がDE&Iの視点で新たな気づきを感じて、異なる立場の人に寄り添う活動が増えたらいいなと思います。
ルナルナ オフィス
オンライン診療と相談を通して働く女性の健康課題の改善を目指す法人プログラム。
What’s ルナルナ オフィス
LIFEM社が提供する働く女性の健康課題改善を支援する法人向けフェムテックサービスで、具体的に生産年齢人口において課題を抱えやすい疾患に対して、啓発から治療まで自分らしく働けるようにサポートするプログラムです。
ルナルナオフィスのこだわり
若年から更年期まで今は月経、妊活相談、更年期という年代に沿って3つのプログラムがありますが、治療ありきでの支援というのはあまりよくないと思っています。
治療だけするのではなく、しっかりと正しい知識を理解していただいた上で個人の意思決定が発生し、そこで希望する人はオンライン診療を受診し、医師の判断で治療が必要な場合は服薬などにより体調が改善するのがベストだと思っているため、啓発から治療までというところにこだわっています。
また、参加者にアンケートをとり効果検証の結果を企業へフィードバックするところまでを提供しており、企業にとっても効果を可視化できるため女性推進活躍を目指す企業の導入も増加しています。
スタートしたきっかけ
救命救急医として働くなかで、体調が悪くても我慢している人が多いと感じており、病院で医師が待っているだけでなく、不調を感じている人が症状の軽いうちに来院以外の方法で医療が介入できる方法はないかと考え、オンライン診療を行なうことに。
特に、生産年齢人口における女性はホルモンバランスの変動によりライフステージごとに多くの健康課題を抱えやすい傾向にありますが、仕事や家事などで忙しく病院に来る時間を確保できず、不調を感じていても我慢してしまう人が多いと感じます。
そこで、忙しい生産年齢人口の女性が医療機関を気軽に受診できる仕組みを企業が導入し、サポートすることが行動変容につながりやすいと考え、事業をスタートしました。
利用者の声
導入企業の従業員の方に関しては、基本的にプログラムを利用して診察を受けたことによって体調がよくなったというのは明らかな変化だと思います。
参加者にアンケートをとっていますが、パフォーマンスが上がっているということが一番多い印象です。また男性社員が女性の身体について学ぶことにより女性社員への理解が深まり、気遣いの声をかけられるようになったというコメントなどがありました。
あとは、エンゲージメントが上がったというお話も多いです。
当初の反応と課題
最初はどうしても女性の健康課題をサポートするというサービスは男女平等と捉えるのが難しく、女性にしかメリットがないと思われてしまうこともあり、企業導入というところではハードルがありました。
ただ、サービスを開始して3~4年ですが最近は日本も女性活躍推進を推奨しているということもあり、受け入れてもらいやすい傾向に変わってきたなと感じています。
その中でも平等と公平という言葉をよく言っています。男女で比較した時花粉症の人口は平等ですが、月経困難症は男性にはなく女性だけ。
だとしたら、女性を手厚くサポートすることで男女公平にするべきではないかということをお伝えするようにしていました。
今後の取り組み
まだ企業が女性の健康課題をサポートするサービスは日本では多くはなく、治療まで企業がサポートする必要があるのかなといった意見もあり、少し抵抗があると思います。
ただ、こういったサービスがデフォルトになってくることで日本がもっと働きやすい環境になり、みんながハッピーに生活していけると思っているので、導入企業が増えるよう引き続き取り組んでいきたいと思っています。
今は、男性更年期プログラムも新たに開始するなど、男性の健康課題支援も進めているところです。
OiTr
日本初のアプリを通じて生理用ナプキンを無料提供するサービスを運営している。
What’s OiTr
商業施設やオフィス、学校、公共施設の個室トイレに設置されたディスペンサーにスマホをかざすだけで無料でナプキンを受け取れるサービスを、2021年8月末より開始。
突然の生理や、生理中の味方になっていると注目を集めている。ディスペンサーに表示される広告動画の収益などで賄うことで、ナプキンの無料提供が実現している。
OiTrのこだわり
アプリを使うことによってナプキンを受け取れるサービスで、基本的にはアカウント登録が必要ですが、最初の1枚だけは登録せずにアプリのダウンロードだけで受け取れる仕みです。また、ナプキンは2時間置きかつ25日間で最大7枚まで受け取りが可能。
正常な生理の平均周期やナプキンの推奨交換頻度に合わせて設定しています。個室に設置したというところもポイントで、トイレの一角にナプキンの自動販売機があったとしても、個室の外であればコンビニや近くの薬局に足を運ぶのと同じこと。
だから、個室の中で提供することにこだわりました。ほかにも、OiTrを使用しても音がまったくせず他の人に気づかれないなど、女性の悩みに寄り添い工夫した点がたくさんあります。
スタートしたきっかけ
社会にいいことを何かひとつでも私たちができればという思いがあり、真剣に取り組むことで社会課題をビジネスで解決することができるのではないかと思いました。
当時〝ジェンダー指数〞や〝生理の貧困〞という言葉に出会い、人生の中で女性が生理による心身の負担だけでなく、経済的負担、さらに機会損失を受けているということを知り、生理は女性だけの問題で片づけていいものではないと思いました。
男性中心社会の日本では男性の理解を得るのは難しいからこそ、男女格差によって女性だけが機会損失を受けているのであれば、男性が踏み込んでこそ変えていかなくてはいけない問題だと。
そんな時にたまたまネットで見つけた一人の女性の〝トイレにトイレットペーパーはあるのになぜ生理用品はないんですか?〞という言葉からOiTrは生まれました。
利用者の声
『ナプキンを忘れた時に限って生理がきて焦ったけど、OiTrがあって助かった』『生理不順で急にきてしまうことがあるけどOiTrに助けられた』『必要以上に取らない仕組みがあって、無駄がなくていい!』『ナプキンが出てくる時もほぼ無音でプライバシーへの配慮がすごい!』などの声が現場にも届いています。
本当にたくさんの方に喜んでいただけているという実感があり、私たちのサービスが誰かの安心につながっているということが、私たちのモチベーションアップにもつながっています。
当初の反応と課題
まだプロダクトが形になっていない段階で営業をしていた頃は、前例のないサービスだけに厳しい意見をいただくことも多かったです。『生理は女性だけの問題ではない』という考え自体がまだ社会に広く認知されていなかったこともあり、当時は本当に大変でした。
でも『どうしたらこのサービスの存在を知ってもらえるか』と考えた時に、まずは大手商業施設での導入が鍵になると思い三井不動産様にご相談させていただいたところ『ららぽーと富士見』の店舗で実証テストをさせていただけることになり、そこからSNSでの反響やメディア取材につながり、サービスをスタートできたという背景があります。
今後の取り組み
『あなたによくて、社会にいいこと』というのが根底にあるので、OiTrをきっかけに生理だけにとらわれずウェルビーイングを向上させるサービスをさらに展開できたらいいなと思います。
最初はナプキンを受け取ることだけの機能だったけれど、今は生理周期や体調の記録ができたりと進化しているので、徐々にアップデートをしていきたいです。
あとは、まだまだ日本中にはOiTrを設置しなくてはいけないトイレがたくさんあるということです。

