希望があるから辛い
努力をすればモテるなら、人は努力をすることでしょう 。
じゃあ努力すればいいじゃないですか…… 。
でも、現実問題としては努力をしても「100%」モテるわけではありません。 せっかく努力をしたのに、現状と何も変わらないこともあるでしょう。 それどころか今よりモテなくなることもあるかも知れませんし、努力している時に「何やってんだか……」とバカにされる可能性だって御座います。
で、ここにいる男性が「努力してもモテる確率は低いし、それに努力をしているところをバカにされたり、そして何よりも失敗するのが嫌」と考えていたらどうしますか?
努力……しない?
その通りです。
ですが富島さん。現実的な話をすれば、この世界は「努力しない人間」に対して優しくはありません。 我々だって部外者であれば、その方が努力をしなくても何も言いませんが、それなりに仲の良い友人であったり家族であれば「努力しろ」と言いませんか?
言います。間違いなく。
ですよね。
でも、原田さんのように「ネガティブで変わりたがらない人」は「失敗をしたくない」「変わるのが怖い」というような感情が先にあるのです。
それこそが彼らにとっての幸せであり「彼女ができる」とか「出世する」とかそういうことは、これらの幸せを失ってまで叶えたい願いではない。
このように考える方が、次に考えることはたいていの場合、理論武装です。
理論武装?
努力をするというのは基本的には「努力をすることで人生が好転する」ということが前提に御座います。
ええ、まぁそうですね。
それでは努力をしたくない人間が「努力をしなくてもいい」ということを理論展開しようと思ったら、大きく2つのパターンに分かれます 。
というと?
1つ目が「そのままの自分こそが本当の自分であり、その自分にこそ価値がある」という考え方です。 そのままであることにこそ価値があるのですから、無理な努力が無意味であることはいうまでもありません。
これは圧倒的に女性に多い考え方で御座います。
なんとなくそんな気がしますが、どうしてですか?
(口頭説明中)
あ、それ書けません。ダメです。
そうでしょうねぇ(遠い目)
2つ目は「自分は努力をしても報われることはない」と考えることです。
と言いますと?
努力をしてもしなくても結果が変わらない。それならば努力をしない方がいい、という考え方ですね。 これは圧倒的に男性に多い考え方です。
さて、しかし世の中的には「努力をしない」というのは基本的に「悪」で御座います。 それでは一体どのようにしてこの考え方に折り合いをつけていくのでしょうか?
わかりません…… 。
キーポイントは2つ 。
改善不能と外部要因です。
改善不能、というのは簡単にいえば「どうしようもない」ことです。
例えば「身長が低い」とか「顔が悪い」とかその辺りがこれに該当します。
もし「改善可能」なものを理由にしてしまったら「それは努力でなんとかなるじゃん」と言われてしまうので、「努力でどうしようもないもの」を原因にするのです。
なるほど…… 。
例えば「顔が悪いからモテない!」と自虐している方はいますが「服装のセンスがないからモテない!」と自虐的に言っている方は見たことがないのはこれが原因でしょう。
顔は整形でもしなければ変わりませんが、服装のセンスはいくらでも努力でなんとかすることが出来ます。そもそも自分で選ばないという手段だってあるわけですから。
また外部要因というのは「自分以外に原因がある」ということで御座います。 「自分の親や生まれた環境が悪い」や「遺伝的な要因」などがこれの筆頭です。 他にも「東京以外に生まれてしまった」とか「社会が悪い」とかもこれに該当します。
また「女はどうせイケメンが好き」とか「女は男をATMとしてしか見ていない」なんていう意見もこれに該当します。
これらは全て「自分が今の状況に追い込まれているのは、自分以外の人間が悪意で私を苦しめている。だから自分は被害者である」という理由づけになります。
なるほど……。でも「女はどうせイケメンが」っていうのは関係ない気が…… 。
「女は顔でしか人間を判断できない。だから俺が努力をしても、女は努力ではなく顔で判断する。じゃあ努力は無意味じゃん」という外部要因で御座います。
な、なるほど……
だから、こういったタイプの方の「モテない自虐」には共通点が御座います。
例えば「チビだからモテない」と自虐する男性は多いのですが、「デブだからモテない」と仰る方はあまり多くありません。「デブだからモテない」と人から注意されている方はたくさんいらっしゃいますけどね。
なんでですか?
身長はほとんど改善不能ですが、体重は改善できてしまうからでしょう。 ようするに「俺はデブだから」と言っても「痩せればいいじゃん」と言われてしまうからです。
改善可能とは「改善する希望がある」ということ 。それでは「努力しろ」と言われてしまう。
だから絶対に無理だ、と「希望を断たなくてはいけない」のです 。
良くも悪くも「希望は前に進む」なのです 。だから前に進みたくない人間にとって、希望は断たなくてはならない。
ですので、「デブは努力しても無駄」と言いたい方は、それを遺伝やストレス(外部要因)に結びつけるのが好きですね。 「デブは遺伝子的に決まっているんだ!」「ストレスで暴食してしまうんだ」みたいな理屈で御座います。
その遺伝子やストレスが真実かどうかなんてどっちだっていいのですよ。
ただ真実かどうかはともかくとして「デブは遺伝子によってのみ決まり、努力ではどうしようもない」という理屈が時代に必要とされていたのは間違いありません。
全ては遺伝のせいで人のせい。そう言っておけば楽ですからね。
なるほど 。
そしてこういった方々は「そうだね、君は”たしかに不幸だけど”それは君のせいじゃないね。」と言ってくれる人間を探しています。
マッチポンプの回に言ったアレとかが、この「君のせいじゃない」と言ってくれる人に当たりますね。
なんでそんなに努力しない人を敵視してるんですか…… 。
していませんよ?
え?でも凄く批判しているじゃないですか…… 。
その理由は2つ御座います。
1つ目は地獄への道は善意で舗装されている、という西洋のことわざの通り、彼らに地獄へ落ちないで欲しいからです。放っておけば彼らは「君は悪くない」と言う人間の甘言に流され続け、間違いなく地獄に落ちてしまうのです。
2つ目はそういう自称「可哀想な人」を、なんとか助けようとしている人があまりにも苦しんでいるからです。
今回の上原さんもある意味でそうですね。原田さんなんていう面倒な人から、こんな面倒なLINEが来て困っている訳ですが、こんな人との関係なんて切ってしまえばいいのです。
もちろん、この社会は縁やしがらみに溢れていますので、切ろうと思って簡単に切れるものでもありません。 ですので、そんな方のために少しでも彼らの生態を伝え、対処法をお伝えし、少しでも楽に楽しく生活ができるようになってくだされば、と思っています。
なるほど。
それに私だって、言い訳したり人のせいにしたり、努力をサボっちゃうこと自体が、ものすごく悪いことだとは思っていませんよ?
自慢じゃないですが、私だって人のせいにすることはありますし、言い訳だってしますし、努力を怠ることだってあります。
言っていることがめちゃくちゃじゃないですか…… 。
いえいえ。 私たちは人間です。基本的にポンコツな生き物なのです。 人のせいにしたくなるときだってありますし、それで今回の原田さんのように「ちょっと面倒なLINE」を送ってしまうことだってあるでしょう。
迷惑をかけられる上原さんのようなポジションからしたら、たまったものではありませんが、まぁ少しくらいは許されても良いじゃないですか。
じゃあ何が問題なんですか…… 。
最終的に「幸せに楽しく生きよう! ただそのためにちょっと今は休ませて……」という状態であるなら良いのですが、今回の原田さんのような方は「不幸な状態であり続ける」ことが目標になってしまっているのです。ですのでいくら相手をしても絶対に元気にも、幸せにもなりません。本人がそれを望んでいないのですから。
いつか元気になる予定の人を助けるためなら、多少面倒でも「まぁ仕方ないな」と手を貸すことはできるでしょう。
ですが、永遠に元気にならない。それどころか「元気にならないために生きている人間」の面倒なんて、できるはずがないではありませんか。
・・・・・・・。
さぁ、最後に答え合せをしましょう。