「じゃあもう恋なんてしない」とか言って、傷を作らない方法はいくつもあると思うけれど、それじゃあ人生も、楽しくない。人類が恋をする理由はわからないけれど、恋をした人はみんな、きっとその切なさや喜びを謳歌してきたはずだ。

では、どうしたら次の恋を始められるように、気持ちを整理できるか。

僕の答えはシンプルで、
凹むだけ、凹めばいい。飽きるまで好きでいて、飽きたら歩きだせばいい。
それだけ。


終わった恋は、無理に忘れる必要もないし、無理に奥底閉じ込める必要もないし、無理に嫌なことばかり思い出す必要もないし、無理にいいところばかり美化する必要もない。

自然と自分に馴染むように、泣きたいときに泣いたり、楽しかったこと思い出して懐かしんだりしながら、ゆっくり保存していけばいい。

ティッシュ箱4箱分泣いて、3日ぶん食事が喉を通らなくてもどうにか生きて、別れた人に思いを馳せる。やがて涙ひとつ流さずに、そんな恋があったなと思えたころに歩き出しても、きっと遅くはないし、そこからの歩みはたぶん速い。

どうせ無理に前を向こうとしたって、引き摺るに決まっている。
だったらもう、飽きるまで好きでいて、そこから歩きだすしかないんじゃないか。


そしていつか、もっと素敵な恋をして、過去の全てに感謝しながら、これまで自分を捨てたすべての恋人たちに「どうだ!」と自慢してやればいいと思う。

それが、僕が考える終わった恋の整理の仕方です。

 

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TEXT/カツセマサヒコ
ライター・編集者
2017年4月に独立。小説、コラム、エッセイなど幅広く活躍中。
arwebで『雌ガール、三度目の恋をする』を連載。
Twitter: @katsuse_m

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