「”完璧でなかった”と強く思うくらい自分の中で何かやり遂げられてないと思うことがあるなら、今やってみればいいし。そうすれば、子ども云々というよりKさんの考え方自体が変わっていくと思う」
―そうですね。Kさんのこの書き方だと、なんだか自分の人生終わったみたいな感じになってますもんね。
「人生あと60年くらいあるよ。Kさんの中で歩んでるはずだった人生のプランみたいなものがあったんだろうと思うけど、プラン通りに歩んでる人なんていない」
―その通りですね。いつになく重い話になりましたね(笑)。
「でもやっぱり、子どもは他人って考え方が一番だよ。親も他人。本質的には人格として他人だから、その人の人生の最終的な決定権は本人にあるって思う。生まれた環境とか親の教育方針とか、色々と影響を及ぼしたものはあると思うけど、それ言い出したらキリがないし、その与えられたカードで自分がどう生きるかっていうのは決められることだから」
―与えられたカード、ですね。
「正直、同世代だし、Kさんの気持ちも分かるんです。自分の人生が完璧じゃなかったぶん子どもに過剰に期待するというより、ここまでグダグダで完璧じゃない自分がいつの日か子どもなんて作って大丈夫か？っていうほうの心配はある」
―あ～、そっち方面の心配も。
「たとえば教師とか、人の人生を左右する仕事って、やろうと思える人本当にスゴイなと思う。お医者さんとかも。すごい精神力だと思うんですよ。それに近い不安はあって、自分のことで手いっぱいなのに子どもまで生まれたら対応できるのかな？っていうのはあるなぁ。でも、誰も生まれる前から”俺なら絶対対応できる！”って思ってないじゃん？ できたらできたでやるしかない、ってことでみんな子育て必至で頑張ってるんだと思うし」
―そうですね。
「教師だってそうなんだろうな。教師から見たら”よくミュージシャンなんてやれるよな”って思うだろうし」
―でしょうね(笑)。Kさんも、今の時点でこうやって不安に思えてる時点で大丈夫かもしれませんね。
「あ!! そうだよ！ こんなことまで考えられる客観性、思いやりがある時点で、じゅうぶん立派だ!! 子に過剰に期待するのがダメなことなんだって考えを巡らせられてるなら、Kさんは大丈夫！ ”自分の人生完璧♪”って思いながら子を作ってる人なんか怖いもんな」
―親になってみて、やってみりゃできるってことなのかもしれませんよね。
「そうだね。それに、子どものほうにだって脳はあるからね。子どもは親の言うことを全部聞く、みたいな前提で話してるけど、そうじゃないから。子どもは子どもで勝手に大きくなっていくと思いますよ。その”勝手”の余裕だけは与えてあげてほしいです」
その心配を今からできている時点で大丈夫。今は自分の人生を楽しんで。
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タカハシヒョウリ
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【ミュージシャン】
ロックバンド”オワリカラ”と特撮バンド”科楽特奏隊”のギター/ヴォーカル、ソロの音楽活動など。
【イラストレーター】
グロカワキャラ”小腸はみ出し夫”の生みの親など。
【執筆家】
いくつかのWEBサイトで連載など。
【ハイブリッドおタク】
バンドのフロントマンの固定概念を覆すガッチガチな情報量と批評眼/語り口、そしてポンコツさ。
愛するのはゴジラ/ウルトラマンを始めとする＜特撮＞全般、映画、アニメ、マンガ、お笑い、ゲーム、蕎麦など。
特技は＜才能の無駄遣い＞
座右の銘は＜世界の創作物に愛を＞
