自分に自信が持てる人になるには、どうすればいいか。最高の女として日々を謳歌するには、どうすればいいか。
私たちは普段から、そんな疑問の中で見た目磨きに精を出してきました。しかし、より美しい人間になるにはいつもの振る舞い方やものの考え方が重要になってくるものです。
同性でも、「なんだかあの人は違う」と思い、異性からも憧れるような女になりたい。
そのためにどうすればいいのか、まさに自分を内面および外面から磨き上げてくれる女性作家のエッセイを3つ紹介したいと思います。
①いくつになっても読み返したい『夜のチョコレート/森瑤子』
これは今回紹介する本の中で一番古い、90年初頭に書かれたエッセイ。
しかし、30年後の今読み返しても…、恐らくいつの時代に読んでも通用する“女子にとっての永久保存版的マニュアル本”なのです!
内容の特徴は、とにかく「男の人はもちろん、他人から良い女だと思われたければ、こうであれ!」というもので、品のある行いや仕草とは何たるかが明白に書かれています。
どの章も、逆に品のない行動をする人を例にあげ、森先生が切り込み隊長よろしくバッサバッサとディスるスタイル。
ディスるといっても、なぜそれがダメなのか、その理由を明記しているので、頭ごなしに人を貶しているわけではないから読んでいて嫌な気がしません。
むしろ、文字で読むと「これはダメだよね」って理解できるのに、実際は「私もこんな言動を取ってる時があるかも…」と思わされる絶妙な事案が取り上げられていて、我が身を振り返ることができる良い本です。
さらに、本作は「これだけをしなければモテる! プラスでこれをすると、もっとモテる」という失敗例と成功例を同時に説明してくれているので、とても分かりやすい!
森先生の文体のせいか、読んでいるだけで自分が良い女だと思えるのも魅力のひとつ。私自身、節目の年に読み直す手放せない一冊です。
②流行ではなく自分流を考える『されど“服”で人生は変わる/斎藤薫』
主に外面、ファッションについてのエッセイです。タイトルがいいですよね。
これは「毎日服を選ぶのが正直めんどう」、「自分に本当に似合う服が分からない」と悩んでいる人に、ぜひ読んでいただきたいエッセイです。
本作では“愛され服”が実際のところは愛されるのか、に始まり、損する服選びや本当に似合うベーシックアイテムの考え方など、目から鱗な内容が盛り沢山。
全体のテーマとしては、ファッションを通して「自分自身を良い女として確立させる」という本です。
何が素晴らしいかというと、じゃあ実際どんな服を自分が選ぶべきか…が理解できるように、アイテム別の具体的な指南が書かれているところです。
特に20代後半になってくると、長く使える質の良いアイテム選びが大事になってきますよね。そこで悩むのが、「じゃあ私は何が似合って、何を着たいのか」という問題。
結局、毎日の服選びが億劫になってくるのも、その時々のトレンドばかりに身を包んだ結果、自分のファッションが分からなくなって混乱している状態なのだと思います。そういった悩みの種を解決するヒントが散りばめられた一冊です。
③ユニークがモットー、素直で多様な生き方指南『4 Uniqe Girls/山田詠美』
これは先に紹介した『夜のチョコレート』に似ているけど、ちょっぴりコンセプトが違います。
先の方が「品のある女性とは何か」についての本だとしたら、本作はどちらかというと「自己肯定感を高める、“人生の主役になるためのルール”」についてのものなのです。
もともと雑誌『GINGER』に掲載されていたエッセイをまとめたもので、結構ぶっちゃけた内容のものばかり。
多少口が悪くても、「前向きでいなければいけない圧」とか「ハイヒール正直めっちゃ痛くない?」という、美の固定概念に少しでも感じた違和感を声に出して言ってくれている。なので、そういったことに共感できる人は読んでいて気持ちが良いエッセイだと思います。
もちろん、それぞれの事柄に対する考えに賛同したりしなかったりするわけですが、しなくても「そういう考え方も一つ、あるのか」くらいのレッスンとして捉えると読みやすいと思います。
ただ、山田先生が本作で一貫して主張する、大量生産型女子にならないため、あなたがユニークでいるための指南という点でとても発見の多い一冊です。
読書から楽しく生きるヒントを得てみよう!
今日紹介したエッセイたち、いやエッセイそのものの大体は読みやすいです。
なぜかというと、活字慣れしていなくても基本的にトピック事に章が細かく分かれているので、一気に読まなくても少しずつ読むことができるから。
それに、目次で気になった項目から読むという手もあり! なので、最近忙しくて読書がなかなか…という方でも、興味を持ったら、ぜひ読んでいただきたいですね。