こんにちは。日常が日常でなくなりはじめて、もう数ヶ月経ちましたね。私はというと、もとよりフリーランスで自宅勤務が大半だったので、実はそこまで暮らしのベースは変わっていない。
それでもやはり、映画館や本屋、行けばそこに誰かいるバー、友達と行く居酒屋、仲間と繰り出したクラブ、そんな空間が私の家ベースの日々のエッセンシャルだったことをヒシヒシと感じる毎日です。
皆さんも、行きたい場所があっても今は我慢している。そういうのは、メンタルにも影響しますよね。私は3月メンタルズタボロで、4月の中旬まで調子が悪かったです。
なんとなく大きな悪いことが起きる予兆を肌で感じながら、戸惑い、簡単なこともできず仕事で悩んだり、何をしても答えが出なかったり、孤独を感じたり、ストレスでやけ食いして太ったり。
もしそんなふうに今、あなたが感じているのだとしたら、そんなあなたにぴったりの主人公が登場する、おすすめ映画を今日は紹介したいと思います。
1私は私で生きていく『フランシス・ハ』
私はノア・バームバック監督の作品が好きなのですが、特にこの映画が本当に大好きで。劇場公開時に「ここまで主人公に自分を照らし合わせて観た映画はない!」と、感動したものです。勝手にもう自分の物語だと思っています。そういう映画、皆さんにも1つや2つはあるでしょう。
主人公のフランシスは27、28のモダンダンサー。しかしプロではなくて、それで食っていけるほどの実力もない。同い年の親友ソフィーはキャリアも順調だし、ちゃんと「大人」になっていっている。
自分だけ、なんだか取り残されたように夢にしがみついて、焦燥感を感じる不器用なフランシス。そんな彼女が時間こそかかりながらも、小さなステップを彼女らしく歩んでいって、ちょっとだけ成長するお話。
自粛期間中、テレワーク導入などにより仕事のやり方が変わったり、仕事自体が減ってしまったりと、なにかと揉まれてきた私たち。
「なんで私こんなにダメダメなんだろう」、「何事も完璧にできない」そんな風に、自分に対して思わず否定的になってしまっていませんか?
インスタグラムでは周りの友人がおうち時間で超理想的なグラマー風DIYや手料理を投稿していて、自分と比べると更に落ち込む、なんてことありませんか?
そもそもこういう変化が多い時は、普段のようなパフォーマンスは望めないもの。落ち込んで当たり前です。世界は今大きな打撃を受け、毎日悲しくて不安なニュースで溢れています。
他人と比べて、自分が中途半端でも良い。もがいていて、それがカッコ悪くてもいい。
なんなら良い歳だけど、不器用でオトナ女子に程遠いけど、それでも私はそんな私で生きていく!そんなimperfection(不完全さ)の美しさ、魅力、人間愛をこの作品は教えてくれます。いいんです、周りは周り、あなたはあなたで。フランシスの奮闘ぶりを観て、こう思えるはず。
2 どんな時でも、みんなで支え合う『マグノリアの花たち』
一人一人が孤立している今こそ、周囲の人との団結力を確かめたい。
女性同士で手を取り合って、お互いを支えていきたい。
本作はアメリカの南部の小さな町の美容室に集う女性たちの物語。
結婚を控えた娘とその母親、町に新しく引っ越してきた娘、いつもうるさいおばさん……。個性豊かなキャラクターが織りなす、些細で美しい日常の日々を描いた作品です。
ちなみに、今や名女優のジュリア・ロバーツが、『プリティ・ウーマン』前に注目された映画でもあります。登場するファッションも可愛い!
血の繋がりがあるわけでもない。町の住民同士のコミュニケーションの取り方は時にお節介で干渉的だけど、現代に欠けた温かさを教えてくれる80年代の名作。
登場する女性が、みんな“仲良くなりたい素敵な人”というわけではないリアルさも、好印象です。
絶対どこかに一人はいる、面倒くさいおばさんや、勘違い系の若者とかね(笑)
しかし、彼女たちはコミュニティとしてどんな時もお互いを見捨てない。
誰かが深い悲しみの底にいる時は、その人を支える。誰かが幸せの絶頂いにるなら、共に心から祝福する。
この共同体のあり方、一人じゃないと思わせてくれる力、女性が集まってしたたかに生きる様に元気をもらいます。
3 自分自身を受け入れることの美しさ『ダンプリン』
Netflixオリジナル作品で、最近配信が開始された青春映画です。
主人公はテキサス州で暮らす、ごく普通の女の子。ただ、彼女の母親がミスコン女王で、自分の娘の体型がプラスサイズだから「ダンプリンちゃん(お団子ちゃん)」と呼んでいるだけ。
ある日、そんな彼女があることをきっかけに、ありのままの自分でミスコンに出場(殴り込み)する決意をします。
自粛期間中、食べすぎて太った、運動不足だと、体の変化を感じる人も少なくないはず。私は去年の夏ダイエットに成功したはずが、不覚にもリバウンドにも成功してしまいました。
それでも、そんな変化によって自己嫌悪に陥ってエネルギーを消耗してしまうのは、もったいない。
ブリジット・ジョーンズみたいに卑屈に受け入れるのも手だけど(私はこれやりがち)、もう少し、本来の意味で「美と体型」の関係性について考えさせてくれる、そんな映画です。
本作に登場する美の祭典ミスコンには、出場条件に規程体重がありません。なぜなら、自信を持ってその場に立つ人はどんな体型でも、美しいから。問題はイメージではなく、マインド。
なので、自信を持つうえでまず始めに自分自身を受け入れることが一番重要なのだな、ということを本作は教えてくれるのです。
特にミスコンのシーンでは、主人公の後に続いて出場したもう一人プラスサイズの女の子が、ピンナップな水着を着て登場するのですが、これがダントツに可愛いんですよね。
どんな体型でもファッションは楽しめるし、可愛くなれる。
まずは自分が自分を「かわいい」と、思うことです。そういう説得力が、この映画にはありました。
今は異常事態だと思っています。そんな時に、ストイックなダイエットで自分自身を追い詰めるより、「今はそういう時期だし、私は健康で、今はそれだけが重要なんだ」くらいのマインドで落ち着いて、食べたいものを食べちゃっても良いんじゃないですかね!
本日紹介した3作品はガールズ&レイディーズが一生懸命になって、最後に必ず救いがある、そして勇気と元気を与えてくれる作品です。ちょっとお疲れかも私、と思っていたら是非週末にチェックしてみて!
【INFORMATION】
Netflix