“可愛すぎるジュノンボーイ”と言われて…

 

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2018年の第31回ジュノンボーイ・コンテストに出場し、その中性的なルックスで“可愛すぎるジュノンボーイ”と話題になった井手上漠さん。


自身のTwitterでは“私の主張”として自分の幼いころの経験と苦しみ、それを救ってくれた母への感謝をつづっています。

「私は私」という主張を大事にしている井手上漠さん。その心のうちをarwebに語ってもらいました。

井手上漠「無意識の差別がなくなってほしい」

―「自分は人と違う」という事実に悩み、それを乗り越えた井手上さん。今、自分に自信をつけるためにやっていることはありますか?

人と話すことです。昔、何かで「知識よりも生きるためには知恵が必要」って聞いて。

学校で教えてくれるのは知識、人と関わる中で得られるものが知恵、ということを学びました。だから、なるべく色んな人と関わって話し、他人の意見を吸収するようにしています。YouTubeで海外の有名な方のスピーチを聞くこともあります。

特にスピーチで見るのは、LGBTや性別問題についてのものが多いです。

私のように性が揺らいでいる人はマイノリティで、なかなか周りにもそういう人がいなかったんですよね。そういうスピーチを聞くことで、「この人も頑張っているから、自分がへたっていちゃダメだ」「こういう人が世界にいるのなら、私はまだまだ頑張れる!」って思って自信を得られるんです。

そういった“知恵”をつけていって改めて思うことは、人は無意識に性差別をしてしまっているということ。例えば、学校の先生が“〇〇くん”“〇〇ちゃん”って呼ぶことがあると思いますが、それも差別の一部。でもこれって本当に無意識なんですよ。

学校のトイレも同じ。私は女子トイレがあればそっちに入りたいけど、私のことを知っている女子がいたら嫌がるかもしれませんよね。でも男子トイレに入ったら、男子を困惑させてしまうかもしれない。だから多目的トイレに入るしかない

でも多目的トイレってどこにでも当たり前にあるわけじゃないです。日本でも改めてそういう現状を理解していく必要があると思っています。

井手上漠「性別は後付け。だからこそ恋愛を不安に思う時もある」

―本当に言葉の一つ一つに強い意思を感じます。たくさんの壁をご自身でも乗り越えてきたと思いますが、誰かに否定されたり悲しくなった時のデトックス方法はありますか?

強いね、って人から言われることもあるのですが、本当はとてもメンタルは弱くて…。基本的には寝て忘れます(笑)

自分の心の波が大きいのは恋愛にまつわること。私は性別で判断することはあまりなく、人として関わっていく中でその人自身を好きになります。その相手が女性の時もあれば、男性の時もあり、性別は後付けです。

男性を好きになった場合は、相手が自分を男性として見ているか、女性として見ているか分からないので、アプローチの仕方に困ります。恋愛、結婚、子孫を残すという流れの中で、同性同士だと子どもは残せない。そこの不安もずっとありますし…。

落ち込んだ時は、寝てすべてを忘れるようにしていますが、恋愛についてはずっと考えていく問題だなと思っています。

―結婚願望や子どもが欲しいという気持ちはありますか?

もちろんあります。だからこそ、普通の女の子に生まれていればとか、男の子にちゃんとなっていれば、って自分を責めてしまう癖はなかなか取れませんね…。

 

 

井手上漠「私だからこそつくれる“男女問わないもの”ってなんだろう」

―モデルやタレントなど、今後活躍が楽しみですがやってみたいことはありますか?

ずっと未来の話でいいのですが、自分にしか作れないようなものをプロデュースしてみたいです。

例えば礼服。礼服って男女ともに縛りがあるんですよね。地元で「礼服で来てください」って言われた時、どっちを着ていけばいいか分からなくなってしまって…。だから誰も着られるような礼服とか、男女の枠を超えたモノを生み出していけたらいいなと思っています。


ワンピース(ベルト付き)¥12,618/エピヌ

 

井手上漠(いでがみ ばく)

タレント・モデル。2003年1月生まれ。島根県隠岐郡出身、在住。中学3年生の時に「第39回少年の主張全国大会」に島根県代表で出場し、文部科学大臣賞を受賞。第31回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに出場し、セルフプロデュース賞を受賞。「可愛すぎるジュノンボーイ」としてテレビ・雑誌でも注目を集める。

Photo:Hanamori Yuri
Styling:Ohyama Ryoko

Hair Makeup:Akiyama Hitomi(PEACE MONKEY)


 

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