寒いこの季節、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、私たちの周りには、目に見えない脅威がたくさん。
乾燥に加えて、お肌のゆらぎも気になっちゃったり…。
そんなお悩みだらけの身体とココロを守ってくれるのは、私たちの身体に備わっている〝免疫〟の働き。
毎日健康に過ごすために、正しい免疫力の知識をチェックして。
いぶき会針間産婦人科院長 金子法子先生
月経や女性特有の悩みなど、気軽に検診、相談できる頼れるドクター。
診察以外にも、避妊指導や性教育など、日頃から尽力している。明るくパワフルな笑顔が魅力。
KINS代表 下川 穣さん
歯科医師を経て都内医療法人の理事長に就任。
食事や生活習慣を通して体内の菌を整えることで、あらゆる身体の機能が整うことを伝えるべく、菌ケアドクターとしてKINSを設立。
そもそも免疫力って?
免疫力は、細菌やウイルスなど外部から侵入した健康を害する要素を排除する自己防御機能のことです。
免疫は『自然免疫』と『獲得免疫』に大きく分かれるのですが、『自然免疫』はもともと持っているウイルスや細菌などの”敵"に対して真っ先に駆けつける免疫のことで、マクロファージや顆粒球、ナチュラルキラー細胞がそれに当たります。
それに対して『獲得免疫』は、『自然免疫』が撃退できなかったために体内に入ってきた細菌やウイルスなどを撃退するために初めて活躍する免疫機能のことです。
主にこの2つの免疫機能によって身体は守られていて、一度闘った"敵"は戦略として記憶する機能があるため、記憶した病原菌に打ち勝つことができる、という仕組み。この仕組みを利用したのがワクチンですね。(金子先生)
実は知らない!?免疫力についての5つのコト
〝免疫〟って、そもそも身体の中で何がどう働いているの?聞いたことはあるけど深くは知らない、そこのアナタ。知ってる知識が間違っていないか、チェックしてみて。
1.免疫力は〝菌〟と関係が深い
腸内細菌と免疫は、とても深く関係しています!
腸内細菌とは、消化吸収の補助や健康維持、老化防止などへの影響がある『善玉菌』、身体に悪い影響を及ぼす『悪玉菌』、健康な時はおとなしくしているけど、身体が弱ると腸内で悪い働きをする『日和見菌』があります。免疫のおよそ7割は腸で作られており、腸管免疫が乱れると風邪をひきやすくなる、アレルギーになりやすくなるという影響も。(下川さん)
2.免疫力が下がる原因は◯◯にあり
免疫力低下の原因はたくさんありますが、主に乾燥、血流が悪くなること、腸内環境が乱れる、つまり食事が乱れることに原因が。また、睡眠の質の低下や運動不足も、腸に及ぼす影響と深く関係しています。腸と菌は密接な関係にあるため、腸の乱れ=免疫力の低下になるわけですね。"菌"をうまく整えることで免疫力を整えることができるため、美容や健康、免疫力は別物ではなく、ひとつなぎになっていると考えた方がよいでしょう。(下川さん)
3.免疫は”上げればいい”というわけではない!
「免疫を上げる」とよく言いますが、ひたすら上げればいい、というものでもありません。
もちろん免疫が低い状態もよくありませんが、異物に過剰に反応し、自分の身体を傷つけてしまう場合は、"アレルギー発症状態"にあたります。免疫は一定の状態を保つことが重要であり、悪い菌やウイルスに感染しないバリア機能は持ちつつ、過剰反応しない状態が理想といえるでしょう。(下川さん)
4.免疫力が一番高い年齢って?
免疫力は年齢と共に下がります。
思春期をピークに、20歳を超えると徐々に低下するので、若い頃よりも免疫力が高くなることはありません。若い頃は元気で健康的だったのに、年を取るにつれて身体に不調が出やすくなったり病気がちになるのは、免疫力が下がるから。"加齢"を防ぐことはできませんが"老化"を防ぐことはできるので、あらゆる面から免疫力アップのアプローチができます。(金子先生)
5. 免疫アップのための運動、正しい時間は?
免疫力アップに欠かせない運動は、なるべく日中にするのがオススメ。
運動には免疫力アップに重要な骨密度を上げる効果があります。骨密度を上げるためにカルシウムが欠かせませんが、ビタミンDも必要な要素です。ビタミンDは太陽光を浴びることによって吸収することができるので、太陽の下でのウォーキングはより効果的ですね。(金子先生)
正しい知識を身につけて、自分の身を守りましょう!
Photo:Otsuji Takahiro
Styling:Funato Yui
Hair Makeup:Tokunaga Mai(BEAUTRIUM)
Text:ar