映画『ターコイズの空の下で』の公開を迎えた、俳優・柳楽優弥さんにインタビュー。
スクリーンの中で輝きを放つ、柳楽優弥さんの素顔に迫るクエスチョンにも、注目です!
「まさに昨今のコロナ禍で僕自身も改めて感じるものが…」
「KENTARO監督はクレバーで面白い人でした。
タケシという役について、半分ドキュメンタリーのような内容で、脚本にはタケシという人物像の大枠や、モンゴルに行って何をするかしか書いておらず、現場に入って台詞や動きを作っていくことが多かったです。
こういう即興的な演技は映画『誰も知らない』以来でしたが、すごく好きな演出方法です。
演技をするという意識を切り離して、自分の一番いい状態で現場にいることができ、居心地のよさを感じました。
資産家の祖父を持つタケシは、身の程に合わない次元で周りのものが整ってしまっていました。
モンゴル人のアムラとモンゴルに行って、おじいちゃんの生き別れの娘を捜すことで、人と人とのつながりや思いやり、世界にはこうやって生きている人がいるんだと発見がある。豊かな状況から一変して、生きる本質に迫った作品です。
数年前に撮影したものですが、まさに昨今のコロナ禍で僕自身も改めて感じるものが描かれていました。
モンゴルは星がキレイだし、馬が走り回っていて景色が素晴らしかったです。
劇中に出てくる馬乳酒は、栄養満点ですが本当においしくなくて(笑)、リアルな反応をしています。
ドイツの映画祭で上映された時はそのシーンが爆笑されていてとても嬉しかったです。
必要以上の情報が手に入る現代だからこそ、いろんなところに行って人の話を聞いたり、実際に見て、感じることは、より深い体験になる。
旅は本を読むみたいに、新たな刺激を受けられるのが魅力ですよね。
今は簡単に旅行できないけど、この映画でトリップした感覚になっていただけたら嬉しいです。」
『ターコイズの空の下で』
資産家の祖父を持つタケシ(柳楽優弥)は、自堕落で贅沢三昧な暮らしを満喫していたが、ある日突然、馬泥棒のモンゴル人・アムラ(アムラ・バルジンヤム)とモンゴルへ送り込まれる。目的は、戦時中にモンゴルで捕虜となった祖父と現地の女性との間に生まれた娘を捜すこと。言葉も価値観も異なる二人の詩的でユーモラスな旅が始まる。出演/柳楽優弥、アムラ・バルジンヤム 他 監督/KENTARO 配給/マジックアワー、マグネタイズ 絶賛公開中!
素顔を知りたい!柳楽優弥にクエスチョン
Q,最近の楽しみは何ですか?
「1級船舶免許を取得しました。
一度試験に落ちて2回目なので手が震えました(笑)。
船の先生に同乗して魚釣りをするのが楽しみです。
釣った魚をさばくために出刃包丁を買って、手順は動画で勉強しました。」
Q,アニメに疎かった柳楽さんもハマった作品があるとか?
「昨年の自粛期間中に『HUNTER×HUNTER』を観て励まされていました。
キルアの声マネをやってみましたが、似てなかったです(笑)。」
1990年3月26日生まれ、東京都出身。2004年、映画『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭の史上最年少・日本人初の主演男優賞を受賞。近年出演作に『夜明け』『泣くな赤鬼』などがある。『HOKUSAI』『太陽の子』『浅草キッド』が公開待機、ドラマ『二月の勝者‐絶対合格の教室‐』が放送予定。アニバーサリーブック『やぎら本』が発売中。
Styling:Nagase Tetsuro
Hair Makeup:Satori Asako
Text:Iida Honoka