TBSの火曜ドラマ・ヒロインが、最終的に幸せを掴めるのはなぜ?

ボサボサヘアーに、芋っぽいファッション…先日惜しまれつつ最終回を迎えた『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(以下、『ボス恋』)のヒロイン・鈴木奈未(上白石萌音)は、「人並み、普通、安定」が口癖の平凡女子でした。

そんな彼女が、ひょんなことからモード誌の編集部に配属され、仕事に恋に奮闘していく姿を描いた『ボス恋』。奈未は、本当にどこでもいそうなごく普通の女の子。鬼編集長の麗子(菜々緒)の雑用係をこなしてはいるけれど、全てに「Yes」と言うわけではない。良い子に見えるし、良い子なのだけど、嫌なことは嫌だとしっかり伝える…けど性格が悪いわけではない、というまあ、本当に捉え所のない“普通”のヒロインなのです。

しかし、奈未は、とびきり可愛い子犬系御曹司の潤之介(玉森裕太)と、クールなのに自分だけに優しい先輩・中沢さん(間宮祥太朗)という魅力的すぎる2人の男性に片想いされていました。ちなみに、潤之介の姉は、鬼編集長の麗子。ドラマ内でも、菜々緒さん演じる麗子は、仕事ができて美人で、性格は…ちょっとキツイけれど、とにかくデキる女。そんなハイスペックな姉を近くで見てきた潤之介も、奈未にノックダウン。「ドラマのなかのお話だから…」と言ってしまえばそこまでですが、「どうして奈未はこんなにモテたのか!?」という理由について、少し考えてみました。

人気者男子に響くのはおべっかなしの一言?

潤之介が、奈未に“落ちた”瞬間は、はっきりとしています。それは、第3話。自身の写真展を開いた時。偉大な父親を持つ潤之介は、“二世”としての苦悩を抱えていました。個展を開いても、お祝いに来るのは父の関係者ばかり。自分の実力を見てもらえず、「すごいですね!…で、お父さんはどう?」と聞かれてしまう。けれど奈未は、「潤之介さんの写真って、変なのばっかりですよね。個展って言うからもっとちゃんとしたのだと思ってました」と笑い飛ばしたのです。「すごい!」と褒められてばかりいた潤之介は、逆にそういう言葉が新鮮だったのかもしれません。そこから潤之介は、おべっかを使わず“素直”に向き合ってくれる奈未に一直線でした。

求められるのは、バジルソースより肉じゃが!?

中沢さんが恋に落ちた瞬間は、「ここ!」というハッキリとしたものはなく、ジワジワ…と恋に落ちていったような気がします。
和泉(久保田紗友)という、美人で優しく、仕事熱心な編集アシスタントから片想いされていた中沢さん。潤之介しか見えていない奈未を追いかける姿を見て、「どうしてそっちに行かないの!?」と思った人も多いのではないでしょうか。

ただ、「ここ!」という瞬間はなかったものの、個人的に、「奈未には、敵わん…」と思ったシーンがありました。それは、第4話。奈未と潤之介と中沢さん、それに和泉(中沢さんに片想い中)という異色なメンバーで BBQに行った時のこと。和泉は、頑張ってバジルを使ったお洒落な料理を作って来ました。そこで、中沢さんから「料理とかすんの?」と聞かれた奈未は、「しますよー!まあ、バジルとか使ったお洒落な料理は作れないですけど」と返したのです。この瞬間私は、「奈未、絶対に得意料理肉じゃがとか言うわ…いや、冷蔵庫にあるものでパパッと!とか言うタイプだわ…」と確信しました。

きっと男性からしたら、「バジルソース」よりも、「家庭料理」を作れる方が魅力的に映ったはず…。この瞬間、奈未は潤之介と中沢さんの心をガッツリキャッチしたなと思いました。一見、“普通”に見えるけど、“普通”こそ無敵なのかもしれん…

恋以外に夢中になれるものがある強さ

そんな無敵な奈未に、第5話から強敵が現れました。潤之介の元カノ・理緒(倉科カナ)が登場したのです。理緒は、プロのヴァイオリニストで、明るく天真爛漫。

“元カノ”というだけでも、敵わない存在のように思えるのに、別れた理由が、「夢を追いかけるため」という…。奈未からしたら、お互い嫌いになって別れたわけではないというのが心苦しいですよね。しかも、潤之介と交際をスタートさせたばかりの時に、理緒と抱き合っているところを見てしまうという苦しすぎるシーンもありました。普通はそこで「ひどい!」と責めるところを、奈未はスーッと職場に戻り、「私には仕事がある!」と言わんばかりに、業務をこなしていきます。奈未は、潤之介のことが大好きで仕方なかったにも関わらず、連絡を断つ強さもありました。
“恋”だけに夢中になるのではなく、ほかにも大事なものをしっかりと持っているからこそ、最終的に幸せなゴールを迎えられたような気がするのです。

「恋つづ」「恋あた」のヒロインにも共通点が?

今や「ラブコメ枠」として定着しつつあるTBSの火曜ドラマ。『この恋あたためますか』(以下、『恋あた』)の樹木(森七菜)や、『恋はつづくよどこまでも』(以下、『恋つづ』)の七瀬(上白石萌音)など数々の魅力的なヒロインが誕生してきました。

彼女たちには、“素直さ”と、“恋のほかに大事なものがある”という共通点があるような気がします。
『恋あた』の樹木が、“超絶難しい回転ドア”と言われるほど、他人に心を閉ざしている浅羽社長(中村倫也)の心にスーッと入って行けたのは、奈未のような“素直さ”があったから。
『恋つづ』の七瀬(上白石萌音)も、「彼と離れたくないから」と海外看護留学に行く夢を諦めようとしましたが、結局、「恋」よりも「夢」(「仕事」)を選び、留学に行くことを決意。すると、日本を発つ日に、彼からプロポーズをされました(推定500万円越えの指輪までもらって…)。

同枠のヒロインは、恋に仕事に奮闘する一生懸命なキャラが多い。そして、「恋」と「仕事」のバランスが、40 vs 60くらいな印象があります。

『ボス恋』ヒロインの奈未も、『恋つづ』ヒロインの七瀬も、「恋」よりも「仕事」を選んでいました。その結果、「恋」も掴むという…。やっぱり、“恋のほかに大事なものがある”というのは、強い!と思い知らされます。きっと、それは「仕事」じゃなくたっていい。「夢」でもいいし、「趣味」でもいい。「友達」でもいいし、「家族」だっていい。「恋」のほかに、夢中になれて、楽しめる場所を見つけることが、恋愛を成功させるコツなのかもしれない。

“ボス恋ロス”に陥る暇もなく、4月20日からは、『着飾る恋には理由があって』がスタートします。ヒロイン・真柴くるみ(川口春奈)は、SNSで10万人近くのフォロワーを持つインフルエンサーで、『ボス恋』の奈未とは180度ちがうキャラクターです。このドラマが、どのような恋の学びをくれるのか…放送開始を楽しみに待ちたいです。

Text:Saimoto Kana

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