「Her lip to(ハーリップトゥ)」プロデューサー・小嶋陽菜に10問10答!
ECで発売開始後、即完売。20~30代女性に絶大な人気を誇る洋服ブランド「Her lip to(ハーリップトゥ)」をプロデュースする小嶋陽菜さんに”お仕事マインド”をズバリ直撃! ブランド誕生のきっかけや、お仕事に向き合うスタンスなど、たっぷり10問お届けします。
アイドルを卒業してネクストステージで輝く彼女の言葉は、新しいことにトライしてみたいar読者の背中をきっと押してくれるはず!
2005年にAKB48の第1期メンバーとして活動を開始。AKB 48を卒業後は、モデルやタレントとしての活動はもちろん、自身の立ち上げたアパレルブランド、ハーリップトゥーのプロデュースでも敏腕っぷりを発揮。
プロデューサー・小嶋陽菜に10問10答!
Q1「Her lip to」をイチから立ち上げる際に、大変だったことは?
もともとアパレルブランドを始めようと思っていたわけではなく、AKB48を卒業した後もファンの方々とコミュニケーションをとれる場と自分の好きなものを共有できるコミュニティを作りたいと思ったのが、「Her lip to」を始めたきっかけです。今はウェブストアが誰でも簡単に始められるし、お洋服もミニマムなロットから作れるので、ブランドを立ち上げるのは意外に難しくなかったかな。
むしろ大変だったのは、ブランドがスタートしてから。SNSをベースにしているので、反響があってすぐに完売してしまい、商品を作るのが追いつかなかったり。ブランドが認知されるスピードと会社が組織として成長するスピードが合わないというもどかしさがありました。
Q2逆に一番燃える瞬間は?
例えばSNS上でお客様対応について「○○○のサービスはもっとよかったのに」と、比べられるのが大手のショッピングサイトや大企業だったりするんですよね。「そりゃうちの会社なんて、そんな大企業とは全然違うのに(泣)」と思う反面、お客様にとっては会社の規模なんて関係ないこと。そういった大きな企業と同等に思われているということは、うちの会社だってもっとできるはず。枠がないからこそ、いろんなチャレンジができると思って、ポジティブに頑張っています。
Q3自分の中から新しいものを生み出すには、相当なパワーが必要だと思います。その原動力は?
ユーザーへのサプライズや楽しんでもらいたいという想いです。それはアイドル時代に感じていた「ファンの方を驚かせたい。もっと盛り上げたい」という気持ちと全く同じ。たとえ職種が変わっても、その想いは変わりません。ステイホーム中の今は、ライフスタイルを豊かにするための提案をいろいろと考えています。
小嶋陽菜「自分が幸せじゃないと、周りの人を幸せにできない」
Q4起業するにあたって、一番持っておいた方がいいと思う“力”は?
ブランドに限らず、長く続けていくといい時も悪い時もあるので、まずは忍耐力。次に大切なのが楽観力。それと、何でも利他的に考えられる力、コミュニケーション力も大切です。
Q5その力を磨くために、心がけていることはなんですか?
一番大きいのは、やっぱり忍耐力。私はアイドル時代に本当に寝る暇もないくらい働いてきました。そこで色々な経験をしてきたので、精神的にも体力的にもすごくタフになれたんですよね。そのおかげでだいぶ忍耐力がついたから、これまで経験してきたこと、チャンスを与えてもらったことにはとても感謝しています。
楽観力に関しては、もともとどんな状況でも「まあ、どうにかなるかな」とあまりくよくよしないマインドなので…。そこは起業に向いていたのかもしれませんね。
利他的になるって案外難しくて、人にばかり意識が向いていると、つい自分自身のことが適当になっちゃうんですよね。でも自分が幸せじゃないと、周りのみんなを幸せにすることはできない。だから普段から「利他的であるためには、利己的でいよう」と心掛けています。今は「Her lip to」=“小嶋陽菜”なので、自分が輝いていないとみんなもついてきてくれない。やっぱり自分を大切にしなきゃなと思います。
コミュニケーションの大切さは、いつも感じています。例えば今日みたいな撮影でアイドルやモデルという立場なら、スタッフの方たちをアサインしてもらって、自分は現場でいいパフォーマンスができればOKじゃないですか。でも「Her lip to」では逆の立場。
プロデューサーである私が、スタッフの採用やマネージメントにも関わっているので、コミュニケーションが重要。そもそもこれまで私は、あまり人としゃべってこなかったんですよね。今思うとアイドル時代にはマネージャーさんやスタッフがいろいろと先回りして察して動いてくれていたから、自分のやりたいことをきちんと言葉で伝えたり、逆に人の考えていることを察することが、あまりできていなかったんです。
でもブランドを運営していて、スタッフとのコミュニケーションや「私はこういう想いで、こうしていきたいと思っている」と言葉にして伝えることで、ビジョンを共有したり、イメージのズレをなくしたりということが重要なんだなと気付きました。
Q6“ブランディング”の際に一番意識していることは?
クリエイティブには絶対に妥協しない。めちゃくちゃ時間をかけて、細部まで調整するし、フィードバックもしっかりします。SNSで上がってきた意見を商品開発に取り入れることもたまにあるけれど、それ以上に「自分が良いと思うもの」ということにこだわっています。せっかく私がやるからには「トレンド」よりも、好きなものや、みんなが気がついていない価値観をシェアすることの方にやりがいを感じています。
小嶋陽菜「キレキレモードばかりじゃなくて、チャーミングな経営者に」
Q7今の仕事の大変さとやりがいをパーセンテージで表すなら?
ブランドの運営は、正直めちゃくちゃやることがあって大変なんですけれど、その分やりがいもすごく大きい。やりがいの割合を大きくしたいところなんだけど、でもでもやっぱり本当に大変だから(笑)、やりがいが50%、大変が50%かな。
私は、遊ぶように働くシームレスな生き方がしたいと思っています。自分が感じたことや体験したこと、インプットとアウトプットの全てが物づくりにつながるので、一日中ずーっと仕事をしているような感じですね。アイドルの時からSNSがありましたし、芸能のお仕事もカレンダー通りのお休みではないので、自分の中ではわりと自然なことでした。
今は会社の業務が平日に集中しているので、週末はYouTubeやコンテンツを作ってみたり。それも全部仕事なんですけれど、楽しくやっています(笑)。
Q8フォロワーを増やすために意識していることは?
フォロワーは多いほうがいいけれど、ただ多ければいいわけでもないかな。本当に自分に共感してくれる方たちと一緒に、少しずつコミュニティを大きくしていきたいと思っています。だからフォロワーを増やすために、特別に意識していることはありません。
でも最近Instagramは写真がきれいなだけでは、戦えない感じがして。一枚だけの投稿では見てもらえないかもしれないので、スライドしてたくさん情報を載せるようにと考えて投稿しています。
Q9いま小嶋さんが目標にしている人は誰ですか?
目標はこの人って言っちゃうと、「あ、あの人のこと意識してる」とか「めっちゃ影響されてるな」とか思われちゃうからなあ(笑)。
特定の誰かではないけれど、意識しているのはいつもチャーミングな人でいること。事業に集中し過ぎると、時々キレキレなモードになっちゃうんですよね(笑)。自分がそうなっているなと気づいたら、「チャーミングな人でいよう♡」って呪文をかけてます。そのほうが自分も楽しいし、周りのみんなも喜ぶはず。
とはいえ経営者としてシビアな意思決定をしなければいけないこともあり、自分のやるべきことや役割を考えながら、いつも戦っています(笑)
Q 10「新しいことをやってみたい!」と考える20代の女性たちにアドバイスをお願いします。
なんでも小さく始められる時代だから、新しいことに向けて動くのはとってもいいと思います。私もコロナ禍を通して、人生って何があるかわからないし意外と短いから、なんでもトライした方がいいなと思ったので、どんどんチャレンジしてみて欲しいです。
これまでアイドルを含めていろいろと経験してきて感じたのは、意思決定の大切さ。自分で決断したことが多いほど、人って成長できるんですよね。「よし、思い切って髪を切ってみよう! あ、みんなに褒められた」とか、どんなに小さなことでもいいんです。自分で意思決定して、成功体験を積み上げる。そういう機会をどんどん作っていけるといいですよね。
ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム ☎03-3401-5001
Styling:SHOCO
Hair Makeup:AYA(LA DONNA)
Text:Otsuka Ayako