無知ぶりっ子に殺されそうになった私の人生

時は経ち、大学で異性と触れ合うことになった好感度妖怪こと私
でも、心配はありません。

なぜなら、閉ざされた環境の中で暗記するほど読み込んだ「モテテク本」には、私が信じていたことが書いてあったからです。


“男を喜ばせたいなら、
「知らなかった〜!」
と言え。”
と・・・・!!!


 

私のモテ思想は完成しました。

そう、これこそが、「無知ぶりっ子」・・・!

私の無知爆弾は無差別に放たれました。

 

気になる人とスターバックスに入った時、
よく行っていたにも関わらず

「わぁ、おしゃれな店内…!」と呟いたり。

 

彼氏と江ノ島デートに行った時、
前の恋人とも来たことあるにも関わらず

デートで江ノ島なんて初めて!ずっと憧れてたんだぁ…!」と感動してみせたり。


 

目上の人が焼肉に連れて行ってくれた時、
きのう焼肉食べ放題行ったにも関わらず

こんな美味しいお肉、初めて食べました…!


 

好きな人の元カノに思わず遭遇した時も
「あれっ?◯◯さんのお友達…ですよね?初めまして!

と、一切事情を知らないふりをして営業スマイル。


 

おじさまにセクハラ発言されても、
頑固そうな人に意見を求められても、

ポカンとした表情で「なんですかそれ!?知らないです」


自分で書いてて怖くなってきた……

 

でも、これ本当に相手の懐に飛び込みやすいし、まぁモテるし、
無駄な衝突が避けられるんです。


 

小学生のころの強気な私に、この姿見せてやりたい…!!

 

大学も残り半分をすぎ、
社会に出ることを考え始めたとき、ある壁にぶつかりました。


 

「あれ?もしかして私、人に頼りすぎてみんなに呆れられてる?」
「あれ、そういえば私、自分の頭で考えるの、やめてる…?」
「あれあれ、本当にただのバカになってる……………?????」

 

「あれ、私、自分ひとりじゃ何にもできない……?」

 

 

しびれを切らした友人に、こんなことを言われてしまいました。

「私、あなたのために時間を割くのはもうやめる。」

…やばい。シャレにならない。

 

無知ぶりっ子して甘い蜜吸っていたけど、
この行為、まったく自分のためにならないやつだ!!!!!!

 

進級の時も助けてもらってばかりで、ギリギリで進んで来た大学4年間。
誰かとどこかの目的地に向かうとき、絶対に地図を開かない人。

それが、私になっていたのです。


 

これは、
本当にまずい!!!!!!!


若いうちに無知ぶりっ子から解脱しないと大変なことになる

無知でいるのを恐れなかった時は、生きるのが非常に楽でした。

 

ですが、おすすめされたものを疑わずに買い、与えられた環境に疑問を持たず、
教えられたことだけを信じているような暮らしというのは、

 

周囲の人が考えていること以上の発想ができないまま、
受け身の人生が過ぎていく、ということなのです。

 

自分の知識や意見を隠して、聞いては褒めるだけに徹していたこと。
相手の承認欲求を満たすことが、自分の快感になっていたということ。


 

それに気づいた時、このまま年取ってたらやばかったな、と焦りました。

 

無知ぶりっ子の癖は、今でも抜けないし、自衛の時には使っています。

 

でも、いま自ら情報をあつめて意見を持ち、

発言をするというクセをつけないと、きっと一生何も言えないまま 。
飲みの場で「そうなんですか!」を連発するリアクション芸人になるだけだ。

 

誰かと付き合っても、ものわかりのいい女になろうとして、
相手のことを立てるばかりの「プライド満たし彼女」で終わってしまう。

 そんなの、
絶対いやだ!!!!!!!!!


 

無知ぶりっ子をせずに大切な人と過ごすために

確かに恋愛も、「教えてもらう」「助けてもらう」関係は、始まりやすいけど、
一度下手に出て始まった関係は、自分の言いたいことが言えなくなって終わる。


 

相手を喜ばせるために、
自分の価値を下げてしまうことが、

いちばんもったいないよ!!!!!!!!

出会った人と一緒にいろんなことを調べて、考えて、知っていく方がずっと楽しい。

無知ぶりっ子の癖が抜ければ、何かに詳しいというだけでかっこよく見えてしまう「勘違い惚れ」の事態も避けることができる。

セクシャルな話も、政治の話も、普段話さないようにして来たいろんなことを
知らないふり、興味ないふりしないで話した方が2人の世界が広がるんだ。


そして、パートナーがいない時だって、自分の知りたいことをどんどん吸収していくことができる。

 

だから、私、無知ぶりっ子はもうやめます
知らないことは正直に知らないと言う。人に聞く前に自分で調べる。


 

今まで人に頼ってばかりで、本当にすみませんでした。

 

 

 

 

 

って、いや、でも、やっぱり、困ったことあったら助けて欲しいかも……

終電逃したら
泊めて欲しいかも・・・・・!!!!!!


 

 

 

おわり

 

TEXT/はましゃか(Twitter/Instagram

多摩美術大学所属。女優、モデルとして活動するかたわら書くコラムや独自の写真コラージュ「#しゃかコラ」が話題に。読み終わる頃には元気が出てくる笑いのエッセンスが散りばめられた文才に注目。

 

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