益若つばさ × 生理
女性のカラダにとって、生理はとても大切なこと。少しでも快適に、ストレスなく過ごせたら。
「女性の生理」と真剣に向き合うモデル・商品プロデューサーの益若つばささんからのメッセージは、読者へのラブレターです。
1985年10月13日生まれ、埼玉県出身。17歳でファッション雑誌『Popteen』で読者モデルとしてデビュー。2007年結婚、翌年に男児を出産。2021年6月に子宮内黄体ホルモン放出システム(LNG-IUS)「ミレーナ」を装着する施術を受けたことをSNSで報告。YouTubeの再生回数が130万回を突破するなど大反響を呼んだ。
炎上しても発信していく それが私の使命かなって思う
約2年前に「避妊リング(ミレーナ)」を装着したことを自身のYoutubeチャンネルで公表した益若つばささん。タブー視されがちな「性の話題」をあえて発信した理由とは?
ミレーナのことを最初に知ったのは、5年くらい前。友達と生理のことについて話していた時に、「出産したばかりの入院中に、先生から『経産婦さんなら避妊リングも入れやすいし、楽になるんじゃない?』って勧められて、その場で入れたんだ」と教えてもらって。〝避妊リングってナニ!?〟って、あまりのパンチワードに一気に興味が湧きました(笑)。
経血で寝具を汚すのはズボラだからだと思っていた
ミレーナは計画的に避妊できるのが魅力ですが、一番惹かれたのが「生理の時の経血が少量になって、中には1年後には未出血になる人も2割ほどいる」という点。
私はずっと生理不順で、いつ生理が来るかわからないストレスを抱えていたし、学生時代から寝具を汚してしまうのが当たり前。夜は赤ちゃんのおねしょ用シートを敷いて寝ていたことも。日中も、タンポンを入れて厚めのナプキン、生理用のショーツ、インナー…それだけガードしてもやっぱり漏れてしまったこともあって。「みんなは寝具や服を汚さないのに私だけできないのは、私がズボラだからなんだ」と恥ずかしく思っていました。
だからこそ、「未経血になるかも、経血がほとんど出なくなるかも」という話は、何よりも魅力的。でも同時に「血が出ないなんて身体に悪いんじゃないの?」「血が身体に溜まっちゃうんじゃないの?」という疑問もあって。婦人科で聞いてみようと思いつつ、行きにくくて、気がついたら3年ほど経っていました。
ようやく意を決して婦人科に行ったのが一昨年6月。将来的にはまだ子供を産む可能性もありつつも、ここ数年で妊娠は考えていなかったし、計画的に考えられるのっていいなと。それに、自分で自分の身体を女性が守るってことはとても素晴らしいこと! そのことを伝えるために、益若つばさとして表に出て仕事をしてきた私が体験するのは、意味があることなんじゃないかと。「炎上するかもしれないけど動画で伝えたい」と思い、ミレーナを入れに行きました。
コスメや服の話の延長で生理についても話せればいい
生理のことに悩んでいる女性たちから動画が大反響!
ミレーナを入れた時は、「痛いじゃん!!!」って(笑)。最初に教えてくれた友達も婦人科の先生も痛くないと言っていたから油断していましたが、子宮がキュッと締めつけられる感覚というか、出産を思い出すような感じ。想像以上に痛かった!
そんな本音もさらけ出した動画は、想像以上の大反響。炎上覚悟で、あえて「避妊リング」のワードをタイトルに打ち出したのですが、あのインパクトのあるワードだったからこそ、私も興味を持ったし、広めやすかったのかもしれないですね。結果、女性も男性も本当にたくさんの人が観てくれて。もちろん賛否両論あったし、心ないコメントも、それはもう数え切れないくらい。でもこの動画を観ることで「生理=ずっと一人で抱え込むもの」ではなく、「人に話してもいいんだ」ということや、今はミレーナやピルなど、ナプキンやタンポン以外にも色々な選択肢があることを知ってくれる人がいればいいと思います。Youtubeのコメント欄には、同じような悩みを抱える人がたくさん集まっているので、掲示板みたいになればいいですね。そして、コスメの話やおしゃれの話の延長で、ナプキンやピルのこと、コンドーム、検査…もっと気軽に話せるような文化になってほしいなと思います。
自分で自分の身体を守る。その当たり前を当たり前に
去年ロスに行った時に、現地の女性と生理や避妊の話をする機会がありました。海外だとピルを飲むことや女性が避妊をすること自体は当たり前で、「女性が身体を守るものを自分で選択することの何が悪いの?」という感覚。ミレーナもあるし、ピルもあるし、シールや注射まで。とにかく選択肢が豊富なんですよね。対して、日本ではまだまだ女性が避妊をすることや性の話をすることに対して抵抗感がある人が多いなと。ミレーナに関しても、生理痛や生理過多の悩みではなく〝避妊目的〟で入れる人がいてもいいと思うけど、「生理がツラいから入れる」って思わないと、なんかやましいというか、自信を持って言いにくいような。実際に私も、「病気じゃないとダメだなんて変なの」と思いつつ、どこかで理由を探していたのも事実です。
性のことを話題にしにくい、女性の避妊に抵抗感があるという風潮は、日本がきちんとした性教育を避けてきたから仕方ないとも思います。これが現状の限界なのかなと。でも、ずっと避け続けることで、私の子供の世代も同じように苦労するだろうし、負の連鎖がずっと続いてしまうのも怖いなと思います。
最初はただ自分がミレーナを入れる、入れないレベルの話だったのが、最後は日本の性教育の話にまで(笑)。どんどん壮大な話になっていっている気がしますが、「生理や性についてきちんと考えて話し合うこと」から、すべてがつながっていくのだろうと思います。」
※こちらはar webのアーカイブ記事です。