生理前・生理中に、とにかく「だるい&何もしたくない」と感じる理由
生理前や生理中のだるさは、女性ホルモンの分泌量が上昇したり低下したりと変動が激しいことが原因と考えられています。
生理前は妊娠に向けた準備を行うために、ホルモンの分泌量が増え、いわば体がギアを上げている状態。しかし、受精卵が着床しなかった場合、妊娠に備え環境を整えていたホルモンは必要がなくなり、分泌量が急激に減ります。このように極度の緊張状態から、ホルモンが低い状態へと体が大きく変化するため、疲れが出てしまうと言われています。
また、出血により体が貧血状態になってしまっているケースもあります。ほかにも、生理自体に対するネガティブな感情や嫌悪感が、気分をさらに沈め、余計にだるさを感じてしまうこともあるようです。
産婦人科医の八田先生は、日常生活も生理期間のだるさに影響すると指摘しています
“生理時は多くのエネルギーを消費します。日ごろから『食事で十分な栄養が摂れていない』『毎日忙しくて疲れている』『ストレスを感じている』といったことがあると、体にたくわえられているエネルギーが不足しがちなので、だるさも生じやすいでしょう。”
引用:https://mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/article/4251
生理中はエネルギー不足?!だるさ解消の為にとりたい食べ物
生理中はいつも以上にエネルギーが必要です。普段から栄養バランスの摂れた食事を心がけ、体にエネルギーを蓄えておくことが、だるさ対策になります。
例えば、ダイエットをしていて生理がこなくなってしまった経験はありませんか。これは、過度なダイエットにより摂取するエネルギーが急激に減ったことによるもの。
特に、髪や肌、筋肉のもとになるたんぱく質は、女性ホルモンや、メンタルの安定を助けるセロトニンなどの神経伝達物質の材料にもなるので、意識して摂取するようにしましょう。
女性の1日のたんぱく質の推奨摂取量は約50g。乳製品、肉、魚、卵、大豆製品といった5大たんぱく質をバランス良くとってほしいです。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
また、特に生理中は出血により鉄分が不足しがちです。鉄分が不足すると、めまいやふらつきのような貧血症状だけでなく、だるさや無気力にもつながってしまいます。それだけでなく、セロトニンやドーパミン、GABAなどのストレスに対抗する神経伝達物質を作る際には、鉄が使われます。
心身ともに安定させるためにも、鉄分は積極的に摂りたい栄養素です。
月経のある女性は1日10.5〜11㎎、出血量の多い人は1日16㎎鉄をとることを推奨されています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
吸収のよいヘム鉄を含む食品を選ぼう
鉄分を摂るときは、吸収率が高い動物性のヘム鉄を含む食品を選ぶのがおすすめです。レバーや牡蠣、毎日の食事に取り入れやすいものだと、赤身の肉やまぐろ、あさりやしじみなどに豊富に含まれます。
身体によいものを食べつつ、好きなものも楽しむ
出典:Pexels
基本的には、体のエネルギーとなるたんぱく質、脂質、糖質をバランスよく摂ることが大切ですが、栄養バランスを意識しすぎて「何を食べればいいのかわからない」と食事のことを考えるのがおっくうになってしまっては、ストレスになってしまいます。
まずは、特定の食材に偏らないようにすることが大切です。外食の際に、一汁三菜が含まれる和食を選んでみるなど、自分にとって取り入れやすいことからはじめてみましょう。
また、極端でなければ好きなものを食べることは、気分のリフレッシュにもなります。生理期間を過ごす自分へのご褒美として、普段は我慢している甘いものを解禁したり、行ってみたかったお店へ足を運んでみたりするのも良いでしょう。
「何もしたくない」と感じる気持ちをやわらげる方法
生理中のだるさで「何もしたくない」と感じるとき、そんな自分を思い切って甘やかしたり、労ったりしてリフレッシュを促してあげましょう。
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①香りで気分転換を
香りには、嗅覚から脳に働きかけ、気分を変えてくれる効果が期待できます。
ご自身の好きな香りのアロマやお香を焚いたり、アロマオイルを使ったマッサージで体をほぐしてあげるのもおすすめです。
好きな香りが思い浮かばないときは、リラックス効果が高いとされるラベンダーやゼラニウム、カモミールなどの香りを試してみて。
②ハーブティーでリラックス
ハーブには、PMS症状の緩和が期待できるものがいくつかあります。
気軽に取り入れやすいハーブティーには、リラックス効果に加えて睡眠を改善するような働きも。あたたかいものを飲むことで、血流が良くなり、生理痛の軽減にもつながります。
中でも、不安感を緩和する効果があるレモンバームやカモミールがおすすめです。
ただし、カフェインは体を冷やしたり、神経を興奮させてしまう作用があるため、生理中は、ノンカフェインのものを選ぶようにしましょう。
③とにかく体を温める
体を温めることは、生理痛のかいぜんだけでなく、心身を落ち着かせてリラックスした気分に導いてくれます。
全身を温める入浴は、最も取り入れやすい方法のひとつです。立ちくらみやめまいの症状がなければ、好きな香りの入浴剤を使って入浴すると心身共にほぐれるでしょう。
さらに、体を冷やさない工夫も大切です。冬場はもちろん、マフラーやストールで防寒対策を心がけましょう、使い捨てカイロや腹巻、靴下など体を温めるアイテムをうまく活用しましょう。また、温かい飲み物を飲むことで、内側からも体を温める助けになります。
④湯たんぽでほっこり
生理中は、子宮に近いおへその下あたりや、腰のすぐ下、おしりの割れ目の上にある仙骨を温めることも大切です。そんなとき、重宝するのが湯たんぽ。
湯たんぽは筋肉の緊張をほぐし、生理痛の緩和やリラックス効果が期待できると言われています。
電子レンジであたためて使えるものや、持ち運びしやすいサイズやかわいいデザインのアイテムがたくさんあります。ご自身が使うことで癒されるお気に入りの湯たんぽを見つけてみましょう。
出典:JOliJOli テディウォーマー
不規則な生活習慣がだるさの原因かも
普段の生活習慣の乱れにより、生理期間中のだるさを悪化させる原因となっている事もあります。思い当たることがあれば、ぜひ見直してみましょう。
①やっぱり適度な運動が大切
リモートワークが増え、通勤がなくなったり、デスクワークが中心になったことで、運動不足になっている方も多いのではないでしょうか。体力が低下すると、どうしても疲れや倦怠感を感じやすくなります。
ジムに通ったり、毎日散歩を習慣にするなど、ご自身に合った方法で運動を習慣化すると良いでしょう。
自宅ででき、リラックス効果が得られるヨガは、生理中も続けやすくおすすめです。
②充分な睡眠を
睡眠の質が低下している人は、月経前症候群(PMS)があるという調査結果もあります。よく眠れていないと、生理に関連するトラブルが起こりやすくなります。
質の高い睡眠をとるためには、朝と夜で活動量や明るさでメリハリをつけてあげることが大切です。
朝起きたら太陽の光を浴びて、体内時計をリセットしましょう。朝日を浴びた14時間後に眠気を促すメラトニンが生成されるので、就寝はこのタイミングがベストです。
また、夜遅くまでパソコンやスマートフォンを使うのは避けましょう。これらが発するブルーライトは、体に「朝がきた」と錯覚させてしまい、夜の睡眠の質を低下させる原因になります。
参考:https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/column/sleep.html
③リラックスできる時間を確保しようストレスは生理中のだるさや不調が強くでる原因の一つと言われています。
毎日、仕事や家事に追われてリラックスできる時間が充分に取れない、ということもありますよね。好きな音楽を聴いたり、本をゆったり読んだり、美容が好きな方は、じっくりとセルフケアをするなど、自分らしく過ごす時間をなるべく作ってあげると良いでしょう。
出典:Pexels
まとめ
生理中のだるさや重い体とさよならするには、生理期間だけでなく普段の生活を見直して、自分を思いやってあげることが大切です。
まずは、できることからコツコツと。ご自身に合ったケアを見つけて実践しましょう。笑顔で7日間を過ごせますように。
出典:Pexels
テキスト/みづきゆいな
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