生理前はいつもよりおならが増える?

生理前に、ポコポコとお腹が鳴ったりおならが出やすくなったりすると、仕事中やあらゆる場面で気になるものです。ここでは、生理前におならが増える原因を解説します。

出典:Canva

PMS(月経前症候群)による影響

生理前におならが増えるのは、PMSの影響が考えられます。
PMSとは、生理前の約3~10日間続く、身体的・精神的な不調のこと。
PMSの原因は、エストロゲン・プロゲステロンの女性ホルモンが関係しているといわれています。
排卵後は、プロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されることで子宮内膜を厚くして、腸の動きは抑制されます。
その結果、便秘によってガスが溜まりやすくなり、おならが増えるのです。

参考:日本産科婦人科学会 月経前症候群

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胃腸の不調が影響する場合も

生理前のおならは、PMSだけでなく、ストレスや食生活の乱れにより、胃腸の動きが低下していることが原因かもしれません。
強いストレスは、自律神経の働きを乱し、交感神経を優位にします。排泄は、リラックスした状態の副交感神経が優位の時に行われるので、便が出ずおならも溜まるのです。
また、朝食を抜くなど偏った食生活も胃腸の働きを低下させる要因に。
便秘は、大腸がんなど深刻な病気が潜んでいることもあるため、他にも気になる症状がある場合は早めに病院を受診しましょう。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 便秘と食習慣
参考:第一三共ヘルスケア 便秘の原因

生理前はおならの臭いが気になる?

生理前に気になるおなら。本来は無臭であり、おならの約7割が食事とともに飲み込んだ空気です。ただし、食事内容によって臭いが変わることもあるため注意しなければなりません。
特に、小麦粉や肉・卵など動物性たんぱく質を摂取すると、腸内細菌の悪玉菌が、臭いの原因となる硫黄を発生させます。
また、便秘やストレスで腸内環境が乱れると悪玉菌が増加して、おならが臭いと感じるのです。

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生理前のおなら対策

PMSが原因のおならを抑えるためには、便秘を改善・予防することが大切です。
毎日の生活に取り入れやすい方法を選んでみましょう。

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PMSを緩和する食事を意識する

PMSの症状が強い方は、まずは食事内容の見直しを。
カルシウムやビタミンB群、カリウム、マグネシウムなどは、イライラやストレスを抑える効果が期待できます。
その他、不足しがちな鉄分を意識することや、むくみ対策にも良いビタミンEが含まれるナッツもおすすめ。
エストロゲンと似ている構造の大豆イソフラボンは、ポリフェノールの一つでPMSの症状を緩和してくれます。
コーヒーをソイラテにする
海藻サラダを一品追加する
など、バランスの取れた食事を心がけましょう。

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腸内環境を改善する

乳酸菌やビフィズス菌は腸内環境の改善に役立ちます。キノコや豆類に多く含まれる不溶性食物繊維は、便のカサを増してくれます。
海藻類や大麦などに含まれる水溶性食物繊維やオリゴ糖は、善玉菌のエサとなり、腸内の善玉菌を増やしてくれます。不溶性・水溶性のどちらかを摂取するのではなく、両方をバランスよく摂取することが大切です。
カットワカメを加えたお味噌汁やキムチ・納豆など調理要らずの食品も多く取り入れましょう。
オリゴ糖をかけたヨーグルトに食物繊維が豊富なドライフルーツを入れるなど、少しアレンジを加えると毎朝飽きずに食べられるのでおすすめです。

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十分睡眠をとって疲労を回復する

疲れが十分にとれない状態が続くと交感神経が優位となり、便秘になりがち。
睡眠と腸内細菌は相互関係にあることが徐々に研究で示されています。
睡眠の質を高めることで、腸内環境の改善を図りましょう。
夜更かしをしすぎたり、休日に寝だめをしたりと生活リズムを崩さないよう気をつけてください。
遮光カーテンをつける
寝る前のスマホ時間は控える
カフェインは夕方以降飲まない
なども、良い睡眠習慣づくりのポイントです。

参考:睡眠と腸内細菌叢

出典:Canva

適度な運動で調子を整える

在宅勤務が増えて、デスクワークがメインの方は、運動不足になっていませんか?
運動不足は自律神経に悪影響を及ぼし、腸の動きが鈍くさせる原因となります。
家の中でも気軽にできるストレッチやヨガなど呼吸を意識しながら行うとリラックス効果も得られやすいです。
心地よいと感じる程度のウォーキングなどの運動習慣は、腸の動きを活性化するだけでなく、気分転換にもぴったり。体調が安定している時は最寄りの一駅前で降りて散歩がてら帰宅してみるのも良いでしょう。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 便秘と食習慣

出典:Canva

ストレスケアで心を整える

几帳面・完璧主義な性格の方は、PMSの症状が現れやすいといわれています。
ストレスを溜めてしまうと自律神経のバランスが乱れ、腸内環境にとっても良くありません。
生理前は、意識的に自分をいたわるケアをして無理をせずに過ごしましょう。
おすすめは、セルフケアで簡単にできるヘッドマッサージ。
こめかみや側頭部を中心に、こぶしで円を描くように指圧をすると、血流が良くなりスッキリしますよ。おでこも意外と凝り固まっている部分なので、優しくマッサージしてリフレッシュしてください。

出典:Canva

まとめ

生理前は、生活習慣を見直して、身体を十分にいたわることが大切です。
腸内環境を改善して、PMSや便秘の悩みも解消しましょう。

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