【上野千鶴子×池田エライザ】「＂選ばれない私＂なんて悩まないで」30歳までに結婚していたいという読者のお悩みに回答

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「周りがどんどん結婚してて焦る」「#自分アゲの肌見せ服で、セクハラされる」ハッピーな毎日に影を落とす
「これって女だから？」なモヤモヤを、上野千鶴子さんと池田エライザさんがぶっちゃけトーク！

池田エライザ。ar6月号より

今回、対談してくれたのはこのお二方！

上野千鶴子

1948年生まれ。社会学者。今よりずっと女子が生きづらい時から戦ってきた、日本のフェミニズム＆ジェンダー研究の第一人者。著書に『女の子はどう生きるか教えて、上野先生！』（岩波ジュニア新書）。「対談前にエライザさんをGoogle検索で下調べしました」

池田エライザ

1996年生まれ。女優、モデル、歌手、監督として活躍中。『FOLLOWERS『』SUNNY 強い気持ち・強い愛』など話題作に出演多数。BURBERRYのブランドアンバサダーにも就任。上野さんとの対談は「最初は身構えていたけど、とても楽しかったです！」。

「30才までには結婚していたい」

「30歳になって結婚してないと負け犬感が」
「親が＂結婚しろ、子供はまだか＂と言ってくるのがムカつく」
「結婚願望がないと言うと驚かれてしまう」。
読者から寄せられた、結婚にまつわる悩み、悩み、悩み…。二人はどう答える？

池田エライザ。ar6月号より

千鶴子　今でもそうなの？　私はずっと「適齢期みんなで越せば怖くない」って言ってきたの。もう適齢期なんて化石みたいな言葉、使わないでしょう？

エライザ　たしかに、使わないです…。

千鶴子　でしょう？　昔は95％以上の女が結婚してたけれど、今や女の生涯非婚者は６人に１人。「数さえ増えれば怖くない」はずなんだけど、未だに結婚は女のステイタスなの？　「男に選ばれない私は値打ちがない」って、女の子たちが思ってるってこと？

エライザ　思っている人も一部はいるかなあ。ある程度レールに乗って安心したいという意見も聞きます。

千鶴子　それって親のプレッシャー？　結婚生活が幸せじゃない親も多いのに。

エライザ　それもあるけど、周りの子が結婚し始めてなんだか焦るという話はよく聞きますね。世の中では、人生の中で「結婚は当然あるべきだろう」という風潮はまだある気がします。

千鶴子　データによると、30代のカップルは３組に１組は離婚してるのよ。「王子様とお姫様は一生幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」ではないのに。

エライザ　そういえば、幸せな結婚生活のストーリーなんて一回も演じたことないです（笑）。

千鶴子　幸せになるとドラマにならないもんね。

エライザ　幼い頃から男尊女卑を感じる機会も多くて、結婚に憧れのような気持ちは持っていません。ただエモーショナルな女の子は自分の素敵な恋人を独占したいから、結婚したくなっちゃう気持ちというのはなんとなくわかります。

編集　最近はマッチングアプリ使って婚活している子が多くて、２００いいねついている誰かと、35いいねの自分を比べて、「可愛くないから、選んでもらえない」って自己肯定感が下がってしまっている子もいますよね。

千鶴子　可愛さなんて一生もたないし、可愛さだけで人を選んで付き合えるわけじゃないのにね。ウーマンリブ（60〜70年代に起きた女性解放運動）の女たちはね、「自分の値打ちぐらい自分でつくれ、男がつける値打ちに依存するな」って言ってたの。半世紀経ってるのに、若い女の子たちが「選ばれない私」に悩んでるのは悲しいね。いいねの数を競って、不特定多数に好かれようが嫌われようが、どうだっていいじゃん。私の人生に何の関係があるの？って思えたらいいのにね。

「＂選ばれない私＂なんて悩まないで。自分の値打ちは自分でつくればいい」