を声を上げるために私とみんなができること
「モヤモヤッとしたり、イラッとした時は我慢するしかないの? どこで声を上げたらいいの?」という質問に、「私も!私も!」が大事、と答える上野さん。
私とみんなのために、できることは?
対談してくれたのはこのお二人
#Me Too運動って?
セクハラや性暴力などの被害体験を告白・シェアする際にSNSで使用されるハッシュタグ運動。
もともとは、若い黒人女性を中心とする性暴力被害者のために戦う市民活動家、タラナ・バークが2006年にスタートした。
「私だけじゃなかった」でつながる
千鶴子 女性が職場で胸やお尻を触られる時代があって、「そんなの軽くいなすのが大人の女よ」って言われながら、「これは"セクシュアルハラスメント"だ!」と言葉をつくって闘った女性たちがいたの。「こんなこと、私たちの時代で終わりにしたい」っていう女たちが時代の空気を変えてきた。
エライザ 芸能界やテレビ業界、映画業界でも告発がありますが、今表に出ているのは氷山の一角だと思います…。声を上げた人が「騒ぐほどのことじゃない」「お前に落ち度があったんだ」って責められてるのはつらい。
千鶴子 女性差別が根強い社会では、女の子たちの自己評価は低くなりがち。不条理な目にあっても私が悪いのかもと思って自分を責めちゃう。勇気を出して相談しても、「自意識過剰なんじゃない?」「モテ自慢?」って口をつぐませられたりね。女性の体験をとるに足らないことだと小さく見積もりたいんです。特に最近では「自己決定・自己責任」がはびこって、弱さを嫌悪して、被害者を責めがちな文化がある。
エライザ 虐待や暴力の渦中にいる時って、自分は被害者なんだって気づけないこともありますよね。そして、自分の環境が異常だと気づいても周りに相談できずにいる。そういう人が、私は悪くないんだって安心できる社会になってほしい。
千鶴子 声を上げた人同士がつながり、情報をシェアし合うのが#MeToo。夫に殴られてるのは私だけ? セクハラや性暴力を受けてるのは私だけ?という人同士が、私も!私も! あなたも?とつながる中で、悪いのは自分じゃなくて加害者や社会だと気づくことができる。
セクハラや性暴力の加害者はたいていリピーター。つけ込みやすい人を狙って、繰り返してることが多いんです。社会が被害にあった人の話に耳を傾け、「あなたは不当な目にあったんだ、怒っていいんだ」って寄り添うことが大切。
Photo:Hanamori Yuri
Styling:Ito Makiko
Hair Makeup:Inomata Maiko(TRON)
Text:Osada Anna
Composition:Suemura Mana