生理痛について
生理痛は人と比べることができないため、どの程度であれば重い、軽いと判断するのか良くわからないと感じる人もいるでしょう。
今回は生理痛の程度について、簡単にできるチェックのご紹介と生理痛を和らげる方法をまとめて解説します。生理痛に悩んでいる人はぜひチェックしてみてください。
約4割は生理痛の困難度が中以上
生理痛に悩んでいる人は少なくありません。実は、生理痛の困難度を3段階に分類したところ、調査に参加した人の約4割の人は生理痛の困難度が中以上という結果が出ました。これは厚生労働省の調査で、9つの質問項目に解答してもらうことで困難度を分類したものです。
質問項目
・生理中は痛み止めが手放せない
・採血で貧血といわれたことがある
・生理中は痛みだけでなく、吐き気や頭痛がする
・生理痛がここ2~3年のあいだにひどくなってきた
・生理の量が多く、ナプキンでは防ぎきれないくらい出る
・市販の痛み止めが効かないことがある
・産婦人科で子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症と診断されたことがある
・生理痛がひどい日は仕事や学校を休むときがある
・排便痛や性交痛がしょっちゅうある
回答者3000 人のうち「生理痛の困難度中」が 1116 人(37.2%)、「生理痛の困難度高」が9人(0.3%)という結果でした。約4割の人は困難度が中以上の生理痛があるということになります。
参考:『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査
生理痛セルフチェック
では、あなたの生理痛はどの程度の困難度でしょうか。簡単にセルフチェックする方法があるのでご紹介します。
こちらの女性の健康推進室ヘルスケアラボでは、簡単に生理痛チェックを受けることができます。
質問に対して当てはまる回答を選んでいくだけで、アドバイスがもらえます。
診断の結果「婦人科を受診しましょう」のメッセージが出た場合は、後回しにせず受診することをおすすめします。重い生理痛には子宮内膜症などの病気が潜んでいる場合もあるためです。
生理痛の原因
そもそも生理痛はどのような原因で起こるものなのでしょうか。
生理中に子宮内膜で作られるプロスタグランジンというホルモンが過剰に作られると、血中で痛みをおこす物質を増やしたり、子宮を収縮させることで痛みを起こします。
子宮内膜症や子宮腺筋症などの疾患が原因で生理痛が重くなるものと、特に原因となる疾患がない場合の二つに分かれます。
参考:月経困難症について
生理痛を和らげる方法
原因となる疾患がある場合は治療を進めることになりますが、原因のない生理痛に対してはどうしたらよいのでしょうか。「我慢するしかない」などと考えず、次の方法を試してみてください。
からだを温める
生理中は身体を温めるようにしましょう。骨盤周りの血行が悪化し血流が滞ることで痛みの原因になる場合があります。
お風呂にゆっくりつかる、湯たんぽを使うなどして血行を良くすると冷えが改善され痛みが和らぐことがあります。身体を締め付ける洋服も血行不良につながるため注意してください。
参考:月経痛と上手に付き合おう
生活リズムを整える
生理中はホルモンバランスが崩れやすい時期です。生活リズムを意識して整えましょう。
ホルモンバランスが崩れるとその影響がストレスや疲れの原因になる場合もあります。
規則正しい食事や睡眠をとることは基本です。生活のリズムを整えて、身体への負担を減らしましょう。
ストレッチなど軽めの運動
ストレッチや散歩などの軽めの運動も効果的です。血行を促進し痛み予防になります。また、ストレスを緩和させることで月経の不調の悪化を防ぐ効果もあります。激しい運動は逆効果になるため、身体に負担がかかりすぎない程度のものを選びましょう。
鎮痛薬
生理痛対策に鎮痛剤を使用するのも一つの方法です。鎮痛剤を使用することでプロスタグランジンの産生を抑制することができます。使用するのは市販の鎮痛薬でも問題はありません。
鎮痛薬を使用する際は早めに服用するのがポイントです。痛みを我慢していると、それ自体がストレスとなりプロスタグランジンの分泌を促してしまいます。痛みが強くなる前に飲んでみてください。
まとめ
生理痛の痛みはあって当たり前だから我慢するものではなく、自分の状態を知って、対処するものです。「あの人よりはまし」「あの頃よりはまし」と比べるものでもありません。仕事や家事など自分の生活に生理の不調が大きく影響しているかどうかが重要です。痛みなどの不調の影響が大きい人は、少しでも快適に過ごせるようにできることから工夫してみてくださいね。
文/森野かおり