子供を産む、産まないは乳がんのリスクに関係ある?orない?
――出産すると、乳がんのリスクが減るとも言われていますよね。これは女性ホルモンが影響していると聞いたのですが…。
子供を産んだ人の方が、たしかに可能性としては若干少なくなります。ただ、五人産んでも乳がんになる方はいるので一概には言えません。
要因として決定的なのは、女性ホルモン。女性ホルモンそのものは乳がんを促す作用があります。出産授乳中は女性ホルモンがおさえられ、産めば産むほど乳腺の細胞が減っていきます。初経が早くて、閉経が遅いとリスクが上がるのも、女性ホルモンの作用が大きくなるからです。また、ピルを飲んだら乳がんになりやすいと言われるのは、ピルが女性ホルモンそのもののお薬だから。適量なら健康にいいことですし、長期に服用するのであれば注意しましょう。何事もバランスが大切です。
若い世代にはオススメなのは【超音波検査】検査の特徴は?
――検診の重要性はわかったものの、乳がん検診に対して「痛そう…」「恥ずかしい」という印象を受けている方も少なくないのが現状ですが…。
乳がんの検査方法はマンモグラフィのほか、超音波検査(エコー検査)とMRI検査があります。超音波検査は放射線被曝もなく、妊娠中でも受診が可能です。身体への負担が軽く、費用がそんなに高くありません。若い方でも気楽に受けられるのでおすすめです。
ベッドに15分ほど横たわってもらい、検査技師や医師が胸元に超音波をあてながら検査します。良性も含め、小さい病変を見つけることができるのがメリット。高濃度の乳腺に影響がなく、安心して受けられます。痛みもありません。
唯一注意しておきたいのは、医師の技量によって結果が大きく左右すること。病院によっては古い機械を使っている、なんてことも…。医療脱毛やアートメイクを受けるときと考え方は一緒です。もし不安だったら、違う病院で検査してみるというのも選択肢の一つです。
どうしても下着を外しての検査が恥ずかしい、という方は専用着を着用したまま受けられるMRI検査がおすすめです。性能が高く、乳腺の病気を見つけるという点でも非常に優れています。
MRI検査の中には、通院・治療の過程で使用する場合と、がん検診のような気軽な検査で使用する場合の2パターンがあります。ここでいう検査は後者。かかる時間は、超音波検査と同じく15分程度、しかも横たわるだけで楽なのもメリットです。もちろん痛みもありません。
ただ、費用が高いのが難点ですね。がん検診としては受けられる病院も限られているし、体内に金属がある方や狭いところが苦手な方はできないという制限があります。
ちなみに、マンモグラフィという検査法は、ある程度の癌を見つけるのにはとても優れているものの、小さすぎる癌や、一歩手前のものはあまり見えないことがあります。実は、マンモグラフィだけでは見つからない癌もあり、これは若い方や胸が張りやすい人に多く見られます。逆に、高齢者の方はマンモグラフィの方が向いています。
”読影”(画像で病気の有無を医師が判断すること)は全ての検査に関わっています。どの方法で受けるにしても、事前に担当医師が検査数を多くこなしているかどうか、さらに口コミなど評判を調べてから受診すると、より安心です。