僕のあまのじゃく#28
ティモンディ前田裕太さんの人気コラム【前田裕太の乙女心、受け止めます!】がリニューアル。
ガラリと雰囲気を変えて、毎週変わるお題に沿って、前田さんに自由に言葉を紡いていただくフリースタイルエッセイ【僕のあまのじゃく】をお楽しみください♡
前田裕太(まえだ・ゆうた)
PROFILE:1992年8月25日、神奈川出身。グレープカンパニー所属のお笑い芸人ティモンディのツッコミ、ネタ作り担当。愛媛県の済美高校野球部に所属した同級生・高岸宏行が相方で、2015年1月に結成。2人の野球経験を活かした『ティモンディベースボールTV』の登録者数は23万超え。ar web連載『僕のあまのじゃく』では、フリースタイルエッセイを毎週お届け中。
テーマ:「明日」
仕事が終わるのが遅くて、次の日の仕事は早い時、明日が来ないで欲しいと思う時がある。
家に着いたらもう23時も過ぎなのに、もうそろそろ寝ないと明日起きれるか分からない。
ただ、寝たらまたすぐ明日が始まり仕事に行かなければならない。
ちょっとタイム!と部屋で叫ぶ。
今は束の間のプライベートの時間だろう、アディショナルタイムが短過ぎる!と審判に詰め寄る。
私は、録画してた進撃の巨人と鬼滅の刃を見ないといけないんだ。
今週のアルピーさんのラジオだってまだ聴いていない。
最近買った漫画のダーウィン事変も読んでないし、自分へお土産で買ってきた北海道のモッツァレラチーズの賞味期限も今日で切れてしまうので食べておかなければならない。
タスクが山のようにあるんだ!
やりたいことを済ませていたら、あっという間に朝が来てしまうではないか!
いくら審判に詰め寄っても、もう一人の笛を持った自分は首を振って態度を変えない。
黙って寝ろ、と相手にもしてくれない。
人生とはなんだ!仕事が全てではないぞ!と思うけれど、こういうのは、明日に備えて寝ないとプロではない、と審判が諭す。
少なくとも、お酒を飲んで二日酔いで仕事をするような人間ではない、それは偉い。
ただ、趣味に時間を使って眠気でヘロヘロになっていたら、それと大差ないぞ。
その場合はイエローカードを出すのも厭わないからな、と審判側も強く主張する。
うん。
仕事が終わらずに夜更かししてしまうことはあっても仕方ないかもしれないけれど、確かに、自分の我儘で時間を浪費して明日に不安を残すのは良くない。
やりたいことは、休みの日の楽しみとして置いておこう。
自分の審判に従い、大人しく就寝して次の日にロケに行くことにした。
ただ、こういう時に厄介なのは携帯だ。
ちょっと寝室でSNSなんて触ってしまった日には、2時間くらい軽く溶ける。
しかも、長時間触ってた割に、有益なことなんて一切ない。
僕は本当に偉い
私は、校長先生の話と寝る前の携帯が世の中で無駄な時間の二大巨塔だと思っている。
寝る前に携帯見ておいて良かった、と思ったことなんてないし、校長先生の話で良い話だなあと胸を打ったことも一度もない。
他の人は何してるかなあなんてTwitterを開くのはベッドに入る前に済ませなければならない。
だから私はリビングで携帯を充電するようにしている。
本当に偉い。
読者諸兄姉も寝る前の無意義な時間の浪費には注意願いたい。
その日はそのまま大人しく寝たおかげでなんとか起きることができた。
少ないけれど睡眠時間も確保できたし、これで仕事は万全。
ただ、気を抜いていた私も悪いのだけれど、現場で問題が起きる。
気の知れたスタッフから進撃の巨人のネタバレをされたのだ。
「まさかあそこで首ごと吹っ飛ぶとは思いませんでしたよね」なんて軽く言うもんだから、ストーップ!!と審判が駆け寄る。
誰の首が飛んだんだよ!!!と驚きを隠せないでいると、「あれ、もしかしてまだ見てません?」なんて言う。
その日のロケは、カメラが回っていない時間は、どのタイミングで誰の首が吹っ飛んでしまったのか、気になって仕方なかった。
もういっその事、そのスタッフに内容を聞いてしまえばよかったのかも知れない。
いや、そもそもこんな事態になったのは、その日に済ませたいことを後回しにした自分のせいだろう。
やりたいことは、明日に持ち越さない。
今日は、ドラマの「おいしい給食」を見て寝ようと思う。
ネタバレを食らった後だからか、審判もそれでいいと頷いてくれている。
ー完ー
これまでのコラムは▷コチラ◁からチェック!
ティモンディ前田裕太「面白くない、という言葉が嫌いだ」【僕のあまのじゃく#27】
ティモンディ・前田裕太「売れても変わらないようにするにはどうすれば?」クレバーすぎる頭のナカ